立木トラストとは? わかりやすく解説

立ち木トラスト

(立木トラスト から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/16 22:18 UTC 版)

新東京国際空港反対運動三里塚闘争)時に用いられた立ち木トラストの明認札(成田空港 空と大地の歴史館展示)。
明認札には、三里塚平和塔建立に関わった佐藤行通日本社会党佐々木更三成田知巳の名がある。

立ち木トラスト(たちき―)とは、抗議活動の一形態。

概要

開発予定地の樹木を買い取り、名札を取り付けて「立ち木権」を主張することで開発を難しくする抗議活動である[1][2]。根拠法は立木ニ関スル法律[2]

訴訟等とは違って、多くの市民が気軽に参加できるという特徴がある[2]。ただし、国有林や公有林では立ち木トラストを行うことはできない[3]

立ち木が行われると、開発側は立木権所有者全員の同意を得なければ、開発に着手できないとされる[2]。一方で、公共事業の場合は土地収用法に基づいて、立ち木も含めて全ての土地が収容される例もある[2]

岐阜県山岡町のゴルフ場開発において立ち木トラスト運動をしている立ち木所有者が岐阜県による林地開発許可の取り消しを求めた訴訟では、2001年3月13日に最高裁は森林法に基づいて行政処分の取り消し等を求められる者は「災害の直接的被害が予想される範囲内での居住者」とする判断を下した[4]

立ち木トラストの例

脚注

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注釈

  1. ^ のちに反対同盟に追放される。

出典

  1. ^ 「<解>立ち木トラスト」『読売新聞』読売新聞社、1995年8月19日。
  2. ^ a b c d e 「[ミニ辞典]立ち木トラスト運動」『読売新聞』読売新聞社、1995年12月19日。
  3. ^ 「ゴルフ場開発訴訟 立ち木所有者も「原告適格」 実質審理入り門戸開く(解説)」『読売新聞』読売新聞社、1996年5月22日。
  4. ^ 「所有者の原告適格認めず 岐阜のゴルフ場の立ち木トラストで 最高裁」『朝日新聞』朝日新聞社、2001年3月13日。
  5. ^ 北原鉱治『大地の乱 成田闘争―三里塚反対同盟事務局長の30年』 お茶の水書房、1996年、39頁。
  6. ^ 東九州道:福岡県がミカン園強制収用の行政代執行毎日新聞 2015年7月14日

参考文献

  • 山田国広 『里山トラスト―一本の立木が地域と都市をむすぶ』北斗市出版、1994年。ISBN 9784938427757 

関連項目


立木トラスト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 05:03 UTC 版)

立木」の記事における「立木トラスト」の解説

明認方法とは、立木の幹の一部削り所有者住所氏名墨書したり、それらを書いた(明認)を立木掛けたりすることであり、登記をしなくても慣習的に対抗要件満たすとされている。これを利用して土地収用問題起きたときなどに、反対派立木所有して抵抗する「立木トラスト」(一木運動)とよばれる手法とられることがある下筌ダム闘争記念樹現在の公共事業反対運動みられる立木トラスト運動」の原点と言われている。 三里塚芝山連合空港反対同盟成田国際空港建設巡り成田空港問題三里塚闘争)で反対派土地収用困難にする目的一坪共有地運動立ち木トラスト実施し、さらに団結小屋立てるなどした。日本共産党運動提起した設楽ダム 東九州自動車道椎田南IC - 豊前IC区間中にあるミカン0.2 ha所有者土地収用困難にする目的で立木トラストを実施2015年7月14日強制収容行政代執行着手し当該区間翌年4月24日開通した。これにより、東九州自動車道北九州市から宮崎市までの区間全線開通した。 中央新幹線リニア中央新幹線山梨県中央市での市民運動で、立木トラストを実施している。

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「立木トラスト」を含む「立木」の記事については、「立木」の概要を参照ください。

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