工芸品・日用品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 14:08 UTC 版)
手に入りやすく、削る・曲げるなどの加工がしやすい。繊維の方向がはっきりしており、それに沿った方向には細かく割りやすい。節の部分で割れが止まるため、同質で同じ長さの棒状のものを量産しやすい。細く薄く削れば、その厚さ次第で適度な弾力の先端を得られる。さらに、無加工の状態でも比較的腐食しにくく保存が容易である。 細工や工芸によく使われ、大分県の別府竹細工や奈良県の高山茶筌など各地の伝統工芸品の材料としても多く用いられる。子供のおもちゃなどにもよく利用される。工芸品としては、伐採前の自然な変化や伐採後の経年変化により表面に様々な模様の入ったものが珍重される。菌類による侵食を利用したものもある。 ざる 籠 花入・花籠・花生け 虫籠 箸・菜箸 楊枝 耳掻き 串:焼き鳥の串などに利用されている。 ささら: 食器等の洗浄器具 行李などの籃胎漆器 茶筅 茶杓 柄杓 竹ナイフ:材に珪酸を多く含むため、切り口を鋭くすることにより刃物として利用できる。 竹箒・熊手 箕 易の筮竹 孫の手 青竹踏み 竹皮:竹の最外層を覆っている薄い皮で、成長とともに自然に剥がれ落ちる。竹皮には亜硫酸やサリチル酸などが含まれており防腐作用や殺菌作用がある。そのため、おにぎり、ちまき、肉、羊羹などの食品の包装材として用いられる。また、草履などの材料としても利用される。 杖 物干しざお: そのまま使用したり、ポリ塩化ビニルを巻いたものがある。最近は鉄、アルミなどを使用したものが主流となっている。 自動車の内装装飾:実例を挙げると、4代目レクサス・GSの一部グレードに竹製の内装装飾パーツが使用されている。公式サイトによると、美しさと生育の早さによる環境イメージによって採用している模様。 犬矢来 構造 うちわ・扇子の骨 和傘の骨 提灯・行灯の骨 鉄道踏切の遮断機 竹ひご:竹細工、模型飛行機などの素材として使われる。 白熱電球のフィラメント:トーマス・エジソンが白熱電球を改良した際、日本(京都府八幡市男山)の竹をこれに使い、実用レベルの白熱電球を開発した。 レコード針 - 蓄音器用 ササラ電車のブラシ: 路面電車の線路上の雪を、竹でできたブラシを回転させて除雪する車両。 枝条架:竹の枝を束ね棚状に幾層にも積み上げたもので、流下式塩田や別府の鉄輪温泉で見られる温泉冷却装置に用いられる。 文具 竹ペン 筆の軸 ものさし:温度変化による伸縮が少ない性質を利用。かつては計算尺の素材としても用いられた。 万年筆:セーラー万年筆には、「竹」というシリーズがある。煤竹を使用した高級品もある。 玩具 竹とんぼ 竹馬: 新撰六帖題和歌に「たけむまをつゑにもけふはたのむかなわらはあそびをおもひいでつつ」がみえ、古くから子供用の玩具として竹を使用していたことがうかがえる。 麻雀牌: 牌の背の部分に竹を使用したものがある。最近は「ガン牌」の防止や全自動卓の普及により、竹を使用したものはほとんどない。 くす玉(竹かごの上に紙や造花を貼り合わせる) 漁業用具 釣り竿 魚籠 生け簀 武具・スポーツ用品 竹刀: 剣術の訓練や、それを競技化した剣道で用いられる。 和弓と矢: どちらも竹から作られた。矢の方はヤダケから作る。現在は弓はガラス繊維強化プラスチック(GFRP)や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いた複合材料製、矢はジュラルミン製や炭素繊維強化プラスチック製が主流。 棒高跳の棒: 現在はガラス繊維強化プラスチックが使用されている。 竹槍: かつては百姓一揆などに際して利用された。太平洋戦争中、政府は「一億玉砕」の精神を婦人に植えつける目的で竹槍の訓練を行ったが、これに対して評論家の新名丈夫が非難したことから、後に竹槍事件と呼ばれる事件にも発展した。 母衣(ほろ): 背後からの矢を防ぐために担ぐ盾の一種。竹籠に布をかぶせたもの。 スキー・スケート道具の材料としてかつて使われていた。スキーのストックには特に加工されていない竹竿をそのまま利用していた。 竹束 その他 バンブーダンスの竹棹 竹炭 キーボード、マウス - 一部メーカーが、記念品として竹素材のコンピュータ周辺機器を発売している。
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