鉄輪温泉
鉄輪温泉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 16:28 UTC 版)
鉄輪(かんなわ)温泉は、別府市街と明礬温泉との中間にあり、いまだに湯治場の雰囲気を残す温泉街。貸間旅館が建ち並び随所から湯けむりの立ち上る鉄輪温泉の景観は、明礬温泉とともに「別府の湯けむり・温泉地景観」の名称で国の重要文化的景観として選定されている。 湯治客は貸間旅館にある温泉の蒸気を利用した装置「地獄釜」で自炊しながら長逗留する。温泉の蒸気は部屋の暖房にも使われている。周辺に多様な地獄が存在することから分かるように、泉質も単純泉、食塩泉、炭酸鉄泉など多彩である。岩風呂・砂湯・瀧湯・露天風呂など、様々な温泉が楽しめる外湯のひょうたん温泉を代表に、大小多数の温泉施設や、食材の持ち込みも可能で手軽に地獄釜を利用できる地獄蒸し工房もある。別府地獄めぐりの中心に位置し、周辺には海地獄、鬼石坊主地獄、山地獄、かまど地獄、鬼山地獄、白池地獄などの観光施設や、大衆演劇の芝居小屋ヤングセンターなどの娯楽施設も存在する。鉄輪地獄地帯公園の付近には日本で最初の地熱発電に用いられた泉源跡があり、また、野菜・花きの温泉熱利用による栽培、育種の研究が行われている花き研究所がある。 開湯伝説によれば、鎌倉時代広大な地獄地帯であったこの地を一遍が火男火売神社祭神の導きで最初に整備したとされ、市営温泉「鉄輪むし湯」の向かいには、一遍が開いたとされる蒸し湯跡が今も残る。毎年9月には鉄輪湯あみ祭りが開催され、むし湯のそばの温泉山永福寺では、上人像を渋の湯などで洗い清める「湯あみ法要」が行われる。温泉街の山手の坂を登った先には温泉神社がある。
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