工芸・交易との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 08:57 UTC 版)
貝貨が日常的に使われる地域では、貨幣と工芸品との区別ははっきりしている。しかし貝貨の使用頻度が減ったり、貝貨の存在しない文化圏の人間にとっては、貨幣と工芸品の区別が困難となる。土産物の装身具として受け取った貝が多額の現金とみなされ、税関で持ち込みを禁止される場合もある。 貝貨のない地域が貝貨の原料を輸出したり、装飾や呪術的な目的で貝の交易をすることは世界各地で行われてきた。パプアニューギニアではマッシム地方(英語版)で貝のネックレスと腕輪を使うクラが最も有名であり、南東のモツ族によるヒリ(英語版)や、高地のメルパ族がアコヤガイを使って行うモカ(英語版)がある。南西諸島では弥生時代の九州とイモガイやゴホウラ交易があり、7世紀以降は日本の朝廷や唐とヤコウガイ交易が行われた。アメリカ大陸では、北西海岸のトロワ族(英語版)の交易や、中米のコパンや南米のモチェにおけるウミギクガイの交易などがある。物語に登場する題材としては、『竹取物語』のかぐや姫が求婚者に求めた品物の中に「燕の持ちたる子安の貝」(燕の産んだ子安貝)があり、入手困難な貴重品としての意味をもっていた。
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