工芸品部門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 04:14 UTC 版)
工芸品部門には、中世から19世紀半ばまでの美術工芸品が収蔵されている。もともとは彫刻部門の一部局で、フランス王室コレクションと、歴代フランス王家の墓所であるサン=ドニ大聖堂からフランス革命時に持ち出された作品が基礎となっている。これらの収蔵品の中でもっとも重要なものに、ピエトラ・ドゥーラ(宝石や貴石を散りばめた絵画のような工芸品、(en:pietre dure))の壺と青銅器が挙げられる。その後、1825年に購入したデュラン・コレクションから「陶磁器、エナメル細工、ステンドグラス」がもたらされ、さらに1828年に芸術家ピエール・レヴォワルからおよそ800点の作品が寄贈された。ロマン主義の潮流がルネサンスと中世の芸術に再び光を当て、ソヴァジョという人物が1,500点にのぼる中世工芸品と、ファイアンス陶磁器を遺贈した。1862年にはカンパーナ侯爵のコレクションから、15世紀から16世紀に制作されたものを中心として、金細工、マヨルカ陶磁器などが追加されている。 工芸品部門の収蔵品はリシュリュー翼2階とドゥノン翼のアポロン・ギャラリーに展示されている。アポロン・ギャラリーの名付け親は画家のシャルル・ル・ブランで、太陽王ルイ14世からこのギャラリーを太陽をテーマとした装飾を命じられた人物である。中世の工芸品コレクションには、ルイ14世が戴冠式に使用した王冠や、シャルル5世の王笏、『斑岩の壺』などがある。ルネサンス期の工芸品コレクションには、ジャンボローニャが制作したブロンズ像『ネッソスとデイアネイラ』、タペストリー『マクシミリアンの狩猟のタピスリー』などがある。ルネサンス以降の時代のコレクションで有名なものとして、ポンパドゥール夫人が所有していたセーヴル磁器のコレクションや、ナポレオン3世のアパルトマンなどが挙げられる。 バルベリーニの象牙板(部分)、6世紀前半、コンスタンティノープル シャルル5世の王笏(部分) 『マクシミリアンの狩猟のタピスリー、9月』、1531年 - 1533年 ナポレオン3世のアパルトマン
※この「工芸品部門」の解説は、「ルーヴル美術館」の解説の一部です。
「工芸品部門」を含む「ルーヴル美術館」の記事については、「ルーヴル美術館」の概要を参照ください。
- 工芸品部門のページへのリンク