ロスチャイルドのエッグ
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「インペリアル・イースター・エッグ」の記事における「ロスチャイルドのエッグ」の解説
2007年11月、競売会社クリスティーズが「ファベルジェの時計」と題してロスチャイルドのエッグ (英語) をオークションにかけると、8900万ポンドで競り落とされた (手数料込み)。この「時計」は以前、1964年発行の L'Objet 1900 ( Maurice Rheims 著) に図版 29として載ったことがあるものの、ファベルジェが納めて以来、実物が公開されたことはなく競売に先立って2007年10月にクリスティーズが開いたモスクワの内覧会で初めてその姿を現したのだ。製作は1902年、エドゥアール・ド・ロチルド 男爵の婚約祝いの品で、時計を組み込み、正時に卵の頂点が開くとおんどりが現われて翼をひろげる仕かけを施してある。クリスティーズでロシアの美術工芸品部門をまとめるアレクシス・デ・ティーゼンハウセンによると、このときの競売は当時の史上最高の落札額を付け、世界一高価な時計であり、ロシアからの出品で初めてこれほどの高額を呼んだ、これら3つの点で意義深いという。それ以前、ファベルジェの卵についた最高の落札額は9600万アメリカドル。2002年に取引された「冬」 (1913年製) である。 ロスチャイルドのエッグは2014年12月8日、エルミタージュ美術館創設250年記念 の祝いの席でロシア政府より移管された。授贈式はロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンが主催、ロスチャイルドのエッグに加えてファベルジェの作品をもう1点贈りスピーチを述べた。「エルミタージュに贈り物をしたいと思います。カール・ファベルジェ製作の時計、さらにもう1点、卵の時計、これも同じ人物の作品です。時計はかつてアレクサンドル3世とマリア・フョードロヴナの成婚25周年の記念に作られ、もう1点はロスチャイルドのファベルジェ・エッグと呼ばれています。今後、館内のふさわしい場所に展示されることを期待します」。2015年7月時点でそのファベルジェの卵の時計は館内に展示されていない。 じつはこれらは美術収集家アレクサンドル・イヴァノフ より2014年にロシア政府に寄贈されたのである。2014年12月1日付けでイギリスとドイツの税務官がイワノフのファベルジェ美術館 (バーデンバーデン) に立ち入り調査を行い、ロスチャイルドの卵をめぐる脱税問題との関係が注目された。 創業家の手を離れた「ファベルジェ」というブランドはその後も所有者を変えて、2007年10月時点の継承者はふたたびファベルジェ家と手を組んでブランドの価値を高めたいと発表した。
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