実態に合わせた変化
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「一般形車両 (鉄道)」の記事における「実態に合わせた変化」の解説
使用地域の輸送事情に適合させる例が登場し、閑散線区においてはレールバスであるキハ01・02・03形が投入されたが、車体の小ささから乗車定員が少なく、総括制御ができないことによる増結運転の難しさや耐用年度の低さなどから1968年(昭和43年)までに全廃されている。 1958年には北海道向けにキハ22形が登場した。本形式以降の北海道向けの一般形気動車は国鉄末期まで二重窓とデッキ付きで製作され、急行列車にも使用されていた。 気動車が不足していた時期にはそれに対応するため、オハ62系客車から改造したキハ40系(初代。後のキハ08系)が製作されたが、改造コストの問題で大量製作に至らず、出力不足や使い勝手の悪さから1970年(昭和45年)までに全廃されている。 1961年(昭和36年には)通勤輸送を目的とした3ドアロングシート車であるキハ35系が製作された。1966年(昭和41年)には前述のキハ35系との折衷タイプとし、近郊形に相当するキハ45系が製作され、キハ45系は通勤形と一般形の中間に位置づけられたことから名目上は近郊形に位置づけられることもあるが、一般形の一種でもあり、北海道向けを除いて両開き扉を採用した点からすれば通勤輸送にも適した車両といえる。当時は気動車が過剰状態であったことと電化を推進する方針としたことから大量製作には至らなかったものの、その後の一般形気動車や2ドア近郊形電車に影響を与えた。 一般形気動車は1970年(昭和45年)以降製作が行われなかったが、昭和50年代に入るとキハ10系の老朽化が深刻になっていた。また、客車においても新系列客車(20系以降)登場以後は動力近代化の取り組みで波動用車両と静粛性を追求される夜行列車を除いて動力分散方式の移行を推進したことから普通列車用の客車は長らく新製されず旧型客車が使用され、老朽化や手動ドアによる安全性の問題、電車や気動車に比べて陳腐化していた。 1975年(昭和50年)には大出力エンジンに広幅車体、転換クロスシートを採用し、一般形気動車としては初の冷房車であるキハ66・67形が九州地区に投入された。両開き扉や転換クロスシートを採用した点や近郊形電車である117系や115系3000番台に近似する点に着目すれば近郊形とされるが、本形式は急行列車から普通列車に至るまで幅広い運用にも視野を入れて設計され、近郊形でも急行形でもないことから汎用気動車と呼称されたが、本形式は扉付近にロングシートがあり、両開き扉であることから通勤輸送にも適していることからこの概念を採用している。軸重制限の問題からその後の製作は行われなかった。 1977年(昭和52年)にはキハ10系の置換え用としてキハ40系が製作された。1982年(昭和57年)までに製作され、大型車体の割には出力が非力なものであったが、分割民営化後に高出力エンジンに載せ替えた車両もある。同時期に客車では通勤輸送に難がある旧型客車置き換え用として50系が製造され、機関車の有効活用と製造コスト面で有利なことから大量に投入され、交流電化線区や非電化幹線を中心に導入されたが、分割民営化後は機関車の付け替えを必要としない動力分散方式に移行すると淘汰の対象とされ、廃車もしくは気動車に改造されたりした。 1983年(昭和58年)には直噴式エンジンを採用したキハ37形が製作されたが、ロングシートにしつつも通勤輸送と閑散時に考慮した設計としたことからこの概念を採用したが、試作的要素が強かったことと特定地方交通線廃止の取り組みで気動車の新製が抑制されたことから少数派に留まった。1986年(昭和61年)にはキハ35系の後継車として3ドアロングシート車であるキハ38形が登場したが、こちらも少数派に留まっている。国鉄末期にはバス用の部品と廃車発生品の台車を使用し、ワンマン運転にも視野を入れ、地域密着形としたキハ31形・キハ32形・キハ54形が登場した。一般形気動車は輸送量が小さい線区への導入が多かったため、国鉄時代は一般形の高出力車両は一部を除いて製作されず、基本的な性能は国鉄分割民営化直前まで変更がなかった。 キハ22形 キハ45系 キハ66・67形 キハ40系(700番台) キハ37形 キハ38形(左、中央)とキハ30形 キハ54形
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実態に合わせた変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 23:27 UTC 版)
使用地域の輸送事情に適合させる例が登場した。電車では1966年に世界的に類がない夜行・昼行兼用寝台電車581系・583系電車が、1972年に曲線区間が多い路線での速達化を計るため、振り子式車両として381系電車が、1979年には北海道向けに781系電車が製造され、1980年には首都圏向けに間合い運用で普通列車への使用にも視野を入れ、転換クロスシートとした汎用特急形電車として185系電車が製造された。しかし、151系以降基本的な性能は、大幅に制御装置が異なる交流型電車である781系電車を除き、国鉄分割民営化直前まで変更がなかった。 気動車では北海道向けに導入されたキハ183系気動車は従前のシステムを踏襲したが、四国での急行形気動車の置き換えとしたキハ185系気動車では制御車が中心に製造され、また運用上最低2両編成での運用が可能なシステムを採るようになる。 世界初の夜行・昼行兼用寝台電車となった581系 曲線区間に対応した、振り子式車両の381系 普通・特急の両運用に対応した185系
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