子供への強制批判・健康被害・ニセ科学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 04:56 UTC 版)
「ヴィーガニズム」の記事における「子供への強制批判・健康被害・ニセ科学」の解説
授乳中の母親のビタミンB12欠乏症は、子供に深刻な欠乏症や神経障害をもたらすとされている。必須脂肪酸のω-3脂肪酸、α-リノレン酸およびそれらの誘導体についても、これらの脂肪酸から変換されるドコサヘキサエン酸(DHA)が視神経や中枢神経系の発達に必須であるが、ほとんどのヴィーガン食では含有量が非常に低いため、妊娠・授乳中のヴィーガンの母親は摂取を補う必要があるとする研究がある。 アメリカ在住でヴィーガン生活を送ってきた女性がアレルギーや過敏症などを発症し、体調が思わしくないため医師に食生活を見直して魚を食べるように言われ、涙を流しながらサーモンを食べる様子がtiktokと話題になった。後日、女性は新たな動画でサーモンとエビを食べたことを明かし、涙無しに食べたことと「なかなか美味しかった」と語っている。 母親がヴィーガンであると、子供の出生時体重が軽くなる傾向がある。2017年にベルギーでヴィーガンの両親が、グルテンフリー・ラクトースフリーの食事を与え続けたことで、生後7か月の乳児を死亡させたことで有罪判決が下された。死亡時の体重が10ポンド以下(約4,500グラム以下)だったと報道された。2019年2月に、アメリカでヴィーガンの夫婦が生後5か月の息子に医師に言われた粉ミルクを与えずにネットの情報で作成したヴィーガンフードを与えるなど適切な食事を与えず、餓死寸前まで追い込んだことで逮捕されている。男児は出生時の体重が約3,430グラムだったのに、生後5か月でも3,860グラムほどしかなかった。児童家庭サービスからの通報で警察が発見した際に、男児は極度の栄養失調や脱水症で、目は窪んでいて、肌の張りが失われ、肋骨が浮きあがっていた。さらに体温や糖分を維持することが困難で無気力になり、泣き声もあげられずに、動くことも不可能な状態であった。ヴィーガンとして大人気YouTuberであったヨヴァナ・メンドーサ・アイレス(Yovana Mendoza Ayres)が、魚料理を食べている疑惑が浮上した。炎上後に謝罪動画をあげ、6年間は完全なヴィーガンをしていたが、2年前から貧血気味で甲状腺ホルモンが低レベルであり非常に具合が悪く、一つ間違えば危険という状態であったこと、女性ホルモン値が閉経年齢レベルで生理が止まっていたこと、小腸の細菌増殖で腹部膨満感やひどい腹痛などが起こる小腸細菌異常増殖症(SIBO)と診断されたことで、医師から卵や魚を食べるように言われて食べていたことを明かした。 ヴィーガンの母親から双子が生まれる確率は動物性食品を食べている人の5分の1であるとされるが、これを報告した論文では、ヴィーガンでない人たちが乳製品を摂取することが、特に乳牛に成長ホルモンを与えている地域において双子妊娠の確率を増加させていると結論付けている。 親に不適切なヴィーガン食を与えられた乳幼児が極度の栄養失調に陥り、脊柱奇形や骨折が発生したり、あるいは死に至った事例が何件か報道されている。 責任ある医学のための医師委員会の栄養部長であり、ある乳児死亡事件の検察側鑑定証人を務めたエイミー・ラヌー博士は、ヴィーガン食について「赤ん坊にとって安全であるだけでなく、動物性食品ベースの食事より健康的である」、「本当の問題は(その子供が)どんな種類の食べ物も十分に与えられなかったことにある」と書いている。 2016年8月、イタリアの保守政党フォルツァ・イタリアの国会議員エルヴィラ・サヴィーノは、ヴィーガンの食生活が「子供の食事において大事となる[健康でバランスの取れた成長]に不可欠な栄養素に欠けているもの」であることを理由に、それを自分の子供に強制する親を罰する法案を同国議会に提出したが成立しなかった。サヴィーノの法案は16歳以下の子供を対象としたもので、この法案が可決され成立となれば、親が子供へのヴィーガン食の強制だけでも最長で1年、子供がそれによって病気を患った場合は最長4年、そこから子供が死去した場合は最長6年の懲役が科せられるという。しかし、同氏の法案がやや過激な内容のものであることから、これに対して「刑罰よりも正しい情報を周知させることに重点を置くべきだ」という意見も多く出ている。 フランスでは菜食主義者による肉屋襲撃が起きており、フランス食肉専門店・食肉ハムソーセージ専門店・総菜店連盟は「一種のテロ」と批判した。家畜飼養や食肉処理で生計を立てている人々と、動物の大量殺害を止めさせようと活動している人々の間で、衝突が発生しているケースがみられる。
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