女性自衛官の職種
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2015年に性別による制限が撤廃され、戦闘機の操縦士を含む全職種に採用される。
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女性自衛官の職種
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女性自衛官(2003年3月以前は婦人自衛官)の職種は、1952年の保安隊時代に看護師(当時は看護婦)、1967年に大卒の幹部自衛官、1968年に曹士自衛官として陸上自衛隊に、会計科、通信科、文書科(和文タイプライターのタイピスト。1980年代に廃止された後、任期満了退職者等以外は戦闘職種以外に転科)で始まった。1974年からは海空にも女性自衛官の採用が始まった。 制服は男性とは異なりスカートが採用された。なお自衛隊初の女性将官である佐伯光の発案により、妊娠中の女性自衛官にはマタニティドレス型の制服が支給される。妊娠すると航空機への搭乗など一部の業務から外されるが、育休後に身体検査等に合格すれば復帰が可能である。 中央観閲式では陸海空から臨時招集された士クラスの女性自衛官(100名程度)が、女性自衛官徒歩部隊を構成する。 防衛省は1993年に「自衛隊の全ての職域を女性自衛官に開放」を宣言している。ただし2012年7月11日の「防衛省男女共同参画推進本部決定」の時点では、「母性の保護」、「近接戦闘の可能性」、「男女間のプライバシー確保」、「経済的効率性」の理由で次の女性自衛官の配置制限が存在していた。陸上自衛隊については普通科中隊、戦車中隊、偵察隊、施設中隊、対戦車ヘリコプター飛行班、化学防護(小)隊、坑道中隊など、海上自衛隊では潜水艦、ミサイル艇、掃海艦(艇)、特別警備隊、航空自衛隊では戦闘機、偵察機への配置が制限されていた。 海上警備隊の発足当初から歌われていた海上自衛隊の行進歌「海をゆく」は、従来は歌い出しが「男と生まれ~ 」であり女性自衛官もそのまま歌っていた。しかし歌詞が時代に合わなくなったことや本来隊歌として制定された曲ではなかったことにより、海上自衛隊の発足50周年となる2002年に性別が含まれていない公募された歌詞に変更されて正式な隊歌となった。 2002年には長期育児休業中にある自衛官の代替として元自衛官を臨時採用する任期付自衛官を創設した。東ティモールにおけるPKOにおいて女性自衛官が初参加。イラクの人道復興支援にも女性に対しての身体検査などに従事した。 2008年には護衛艦においての勤務が開放された。 2012年3月、大谷三穂が女性初の護衛艦副長に補職。(護衛艦「あさぎり」) 2015年11月13日、防衛省男女共同参画推進本部及び防衛省女性職員活躍・ワークライフバランス推進本部は、航空自衛隊の戦闘機および偵察機への女性自衛官の配置制限を解除することを決定した。これにより、航空自衛隊では女性自衛官に対する職種制限が一切なくなった。アメリカ軍では4軍でパイロットの性別制限を撤廃しており、戦闘機や攻撃ヘリだけでなく、戦闘機の操縦教官、サンダーバーズ(曲技飛行隊)にも女性パイロットが存在する。 2015年11月16日に横須賀港を出港したしらせに女性自衛官が乗艦した。 2016年に陸上自衛隊の攻撃ヘリコプターが開放された。海上自衛隊は潜水艦を除き開放された。 2016年2月、大谷三穂が「やまぎり」艦長に補職。女性初の護衛艦艦長となった。 2016年末時点で、女性自衛官が自衛官全体に占める割合は、6.1%だった。自衛隊創設当初は144人(0.1%)だったが年々増加している。なお、事務官に限ると23.4%が女性となっている。 2017年4月18日、防衛省は早ければ2019年度にも陸上自衛隊普通科中隊、戦車中隊、偵察隊に実際に配置を始める方向で検討。これにより性別制限のある職種は、陸上自衛隊では特殊武器防護隊で放射線を扱う人員と、粉塵が発生する場所で活動する坑道中隊、海上自衛隊では潜水艦乗員のみとなった。女性自衛官の増員策は「女性自衛官活躍推進イニシアチブ」と呼び、共働きなどに対応できるよう育児休業・介護休業の取得強化を掲げる。これに合わせ駐屯地や基地へ託児所を整備するなどハード面での整備が進められた 2017年8月、第15代目となる第6後方支援連隊長に女性陸上自衛官(1等陸佐)が着任。陸上自衛隊初の女性連隊長となった。 2018年8月、航空自衛隊では2015年の制限撤廃を受け、輸送機から戦闘機へ志望コースを変えた松島美紗が戦闘機操縦課程を修了し、日本人女性初の戦闘機パイロットが誕生した。 2018年8月、海上自衛隊では潜水艦への女性配置に備え、短期航海に乗艦させ問題点の確認を行った。 2018年12月、潜水艦への制限が解除され、海上自衛隊すべての職域で女性が勤務できるようになった。なお2019年度以降に、潜水艦教育訓練隊に女性用トイレなどの整備を計画している。 2019年8月1日、戦闘職種である第9特科連隊長および岩手駐屯地司令に女性陸上自衛官(1等陸佐)が着任した。 2019年12月2日、大谷三穂がミサイル護衛艦(イージス艦)「みょうこう」の艦長に補職された。これは女性初となる旗艦級護衛艦の艦長である。 2020年1月以降、潜水艦教育訓練隊に幹部、曹士それぞれの女性自衛官が入校。2020年10月に女性曹士自衛官5人に潜水艦徽章が授与され、初の女性潜水艦乗組員となった。教育後、2023年頃の登用を目指す。これにより、法的な制約から配置を制限している陸自の一部の職域を除き、女性自衛官の配置制限が全廃されることになる。なお、アメリカ海軍やイギリス海軍では長期間航行する原潜にも女性が配置されているが、原子力潜水艦は潤沢な電力と真水、広い艦内容積と衛生的かつ快適な居住空間が確保されている。しかし海上自衛隊の保有する通常型潜水艦はそれとは逆の環境であるため、困難が多いと見積もられている。 2020年3月、女性陸上自衛官(3等陸曹)1名が、第1空挺団養成課程を修了して女性初の第1空挺団員となった。 2018年8月までの実績では、女性自衛官で将官の階級まで昇ったのは佐伯光、梶田ミチ子、柏原敬子、近藤奈津枝、小野打泰子の5名の海・空将補のみである。 2020年現在、採用・任用区分で女性に開放されていないのは陸上自衛隊の高等工科学校生徒のみである。
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