国立追悼施設の設置とは? わかりやすく解説

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国立追悼施設の設置

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:42 UTC 版)

靖国神社問題」の記事における「国立追悼施設の設置」の解説

国家的な常設戦没者追悼施設必要だが、靖国神社では歴史的宗教的国際的などの問題があると考え立場からは、靖国神社代わる国立追悼施設設置するという提案されており、それへの反対意見含め議論存在している。 靖国神社常設施設であるが、戦後一宗教法人であり、国立ではなく神道の神社であり、戦前国家神道戦後いわゆるA級戦犯合祀問題への議論存在している。靖国神社国家管理施設復活させる案として靖国神社法案国会提出されたが、宗教色薄め内容への反対もあり廃案となったA級戦犯の「分祀」は「不可能」として靖国神社拒否している。 隣接する千鳥ケ淵戦没者墓苑国立無宗教形式施設であるが、納められているのは引き取り手がない無名戦士遺骨のみであり、戦死者全体追悼・慰霊する場ではない。 1952年以降全国戦没者追悼式毎年開催され、特定の宗教によらない形で天皇内閣総理大臣衆参議長最高裁判所長官なども出席している。対象民間空襲被災者なども含むが、常設施設ではない。なお1964年靖国神社開催されたがスペース問題もあり、以後日本武道館開催されている。 以上の現状前提に、国が公式に戦士戦没者追悼する常設施設が必要との立場からは、新たな国立追悼施設が必要との意見があり、その中には千鳥ケ淵戦没者墓苑拡充案もある。なお国追悼施設設置論は靖国神社廃止論ではない(そもそも民間一宗教法人を国家廃止するなど信教の自由不可能である)。ただし現在、民間一宗教法人である靖国神社国家の公式の追悼・慰霊役割を担わせることそのものは、津地鎮祭訴訟示され目的効果基準照らし政教分離の原則反し憲法違反である(愛媛県靖国神社玉串料訴訟)。 公明党は「日本国民外国要人天皇陛下わだかまりなく、心から戦没者追悼できるような施設あり方検討してもいいのではないか」と「国立追悼施設」に賛成している。2001年小泉純一郎政権時代首相官邸において、戦没者追悼施設在り方必要性既存施設との関係について議論するため「追悼平和祈念のための記念碑等施設在り方考え懇談会」が設けられ2002年報告書出された。また2005年超党派議員連盟国立追悼施設を考える会発足した。 なお、他国国立追悼施設にはアメリカ合衆国アーリントン国立墓地他にイギリス連邦コモンウェルス戦争墓地委員会中華人民共和国人民英雄紀念碑韓国国立ソウル顕忠院戦争記念館 (韓国)北朝鮮愛国烈士陵インドネシアカリバタ英雄墓地などがある。 「戦争祈念施設」も参照 アメリカ合衆国アーリントン国立墓地南北戦争時作られたが、北軍南軍双方兵士埋葬されている。国が決めた埋葬基準満たした中での希望者が埋葬され敷地内教会キリスト教だが、埋葬慰霊・追悼の際には、キリスト教形式限らずどの宗教形式でも、あるいは無宗教形式でも、本人遺族自由に選択できる一方靖国神社東京招魂社として戊辰戦争後作られたが祀られているのは維新政府軍のみであり、幕軍側や旧士族の反乱西南戦争など)の死者などは祀られていない。現在は民間一宗教法人であり、国との公的関わりはなく、生前本人宗教信仰関わりなく合祀されるが、合祀形式神道形式限られる。その祀られる基準靖国神社定め事前に遺族などに合祀同意求めず遺族などが合祀取り消しまたは合祀求めてもそれには応じず、そういったことと無関係に勝手に祀るのである合祀されたA級戦犯14名の中でも広田弘毅遺族・孫の弘太郎は「合意した覚えはない。今も靖国神社祖父祀られているとは考えていない」と話した靖国に絡むこれらの思いは「広田家代表する考え」としている。 2013年5月訪米時に安倍晋三首相が「日本人靖国神社参拝するのは米国人アーリントン墓地参拝するのと同じ」と『フォーリンアフェアーズ』紙に答えた。それに対し韓国の『中央日報』は「アーリントン国民統合和解象徴なら、靖国戦死者顕彰する軍国主義象徴にすぎない」として批判した2013年10月3日米国ジョン・ケリー国務長官チャック・ヘーゲル国防長官千鳥ヶ淵戦没者墓苑訪れ献花した千鳥ヶ淵戦没者墓苑によると、この訪問日本招待ではなく米国側の意向であった同行した米国防総省高官記者団対し千鳥ヶ淵戦没者墓苑アーリントン国立墓地に「最も近い存在」だと説明したケリーヘーゲルは「日本の防衛相がアーリントン国立墓地献花するのと同じように」戦没者哀悼の意示した述べた安倍5月訪米した際、靖国神社米国アーリントン国立墓地なぞらえたことに対す牽制とみられるその後2013年12月安倍参拝する菅官房長官記者会見で「無宗教国立追悼施設建設構想については『国民理解され敬意表されることが極めて大事なことだ。国民世論動向見極めながら慎重に検討することが大事だ』と述べ現時点では取り組む考えがないことを示唆した」。また安倍参院予算委員会で「多くのご遺族方々がどう思われるかが大変大きな問題だ」と新施設に慎重姿勢示した。また首相側近萩生田光一総裁特別補佐は「新施設決して無駄とは思わないが、靖国への思いとは異なる」と指摘した公明党2013年12月安倍参拝をうけて「どのような立場の人もわだかまりなく追悼できる施設」を提案した日本遺族会は「靖国神社代わる新たな追悼施設認めない」との立場で、設置不要派である。 元陸軍少尉小野田寛郎は、「死んだ神さまになつて会おう」と約束した場所が靖国神社であり、戦後その靖国神社国家守らないことに対して、「国は私たち死んだ靖国神社祀る約束しておいて、戦争負けてしまったら、靖国など知らないというのは余りにも身勝手」という見解示し靖国神社とは全く別の追悼施設作るというのは、「死んだ人間対す裏切り行為だと批判している。

※この「国立追悼施設の設置」の解説は、「靖国神社問題」の解説の一部です。
「国立追悼施設の設置」を含む「靖国神社問題」の記事については、「靖国神社問題」の概要を参照ください。

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