反捕鯨思想および動物権者有色人種差別根源説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 04:29 UTC 版)
「陰謀論の一覧」の記事における「反捕鯨思想および動物権者有色人種差別根源説」の解説
反捕鯨勢力が主に欧米の環境保護団体に多いことから、目的は鯨の保護よりも、有色人種の差別に重点がおかれているとする説であり、特に梅崎義人の著書『動物保護運動の虚像 その源流と真の狙い』(1999年)によって広く知られるところとなった。梅崎によると山本七平がこの件を指摘した。実例として、世界自然保護基金(WWF)はアジア人に対する人種差別的な含みを持つコマーシャルを行い、指摘を受けて撤回したことがある。丹野大の社会科学的方法を用いたデータ分析の結果によると、反捕鯨問題には暗黙的日本叩き(Implicit Japan-Bashing)の存在が認められ、米露など自国の捕鯨には比較的寛容だが、諸民族の中でも日本人の捕鯨に最も強く反対しているなどの特徴が見られており、反捕鯨意識を高める要因に、他民族の文化を認めようとしない文化帝国主義、鯨の擬人化、動物権の保護などを挙げている。また、梅崎によれば、捕鯨の国際会議では日本以外に幾つかの捕鯨国が参加しているが、代表団が赤ペンキなどで攻撃されたのは日本代表団だけであったことを指摘している。 アメリカ代表団は「商業捕鯨モラトリアム10年」を使って会議を混乱させ、ベトナム戦争問題や核廃棄物処理の問題でアメリカが俎上に乗ることが避けられたことで、アメリカ政府は十分目的を達したといえる。 — 島一雄、海洋からの食料供給と捕鯨問題、鯨研通信, 2012年3月 1972年にストックホルムで開催された国連人間環境会議におけるモラトリアム提案に関して、米国政府にとってはベトナム戦争の非難の矛先をかわすための計算も働いていたのではないかとする見方が、1979年に出版された『戦後世界史の断面 下』の中で朝日新聞編集委員の木原啓吉によってなされており、小松錬平も1986年の著書『ギャング 鯨 サムライ』の中で、「ベトナム戦争と捕鯨」という節の中で詳しい経緯を取り上げている。1994年のジャパンタイムズによると、国際捕鯨委員会(IWC)の元日本代表を務めた米澤邦男も同様の見解を示している。日本学の捕鯨問題の研究者[誰?]によると、科学的観点からはストックホルム会議は非常に曖昧で、日本の二度の要請にも関わらず、草稿の審議において科学討論が全く行われなかったことを認めており、学者は科学的不確実性とそれに関連した予防原則がIWCの行き詰まりの一因と主張していると指摘し、日本の捕鯨の要因として、食糧安全保障、日本の主権、水産庁の政治力を挙げ、水産庁に官職・予算・政治力を保持できるように代替の権威を与えることが捕鯨問題の解決に有効だと提案している。 水産庁擁護サイドのそうした主張の一方、梅崎の国連人間環境会議におけるキッシンジャー関与説の元となる、アメリカ政府によるベトナム戦争の批判をかわす目的があったという点に関して、真田康弘「米国捕鯨政策の転換:国際捕鯨委員会での規制状況及び米国内における鯨類等保護政策の展開を絡めて」において、資料を精査した結果、議会や行政部内の動きから誤りであると結論付けている。また、真田は梅崎の『動物保護運動の虚像』において一次資料を見つけていない事実をも指摘している。動物権者が反有色人種的な思想をもって活動している例として、梅崎は動物権者でグリーンピースの活動家 デクスター・ケイトによる壱岐のイルカの網の切断事件を書籍で例に挙げているが、この事件を取材した川端裕人の書籍『イルカとぼくらの微妙な関係』においては、デクスター・ケイトは当初、イルカの漁業被害に対する漁民の補償案などを携えて、事態を好転させる目的で来ていたという。また、オーストラリア政府は日本の調査捕鯨に対する反捕鯨政策の主張として、ホエールウォッチングによる経済効果が年間で約150万人の観光客を集め、2億2500万ドル(約265億円)の経済効果を上げている点をも挙げており、日本が対象種のザトウクジラの捕鯨を中止したことで表立った反捕鯨政策からは手を引いている。 「日豪関係#捕鯨」および「捕鯨問題#商業捕鯨モラトリアム」を参照
※この「反捕鯨思想および動物権者有色人種差別根源説」の解説は、「陰謀論の一覧」の解説の一部です。
「反捕鯨思想および動物権者有色人種差別根源説」を含む「陰謀論の一覧」の記事については、「陰謀論の一覧」の概要を参照ください。
- 反捕鯨思想および動物権者有色人種差別根源説のページへのリンク