借地借家法
借地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 16:46 UTC 版)
借地借家法は、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権を、借地権と定義して、これを適用対象としている(1条、2条1号。以下本稿で建物所有目的の地上権設定契約又は土地賃貸借契約を「借地契約」といい、借地権者、すなわち借主を「借地人」という)。無償が原則の使用貸借契約には本法の適用がない。 「借地権」も参照 なお、借地権の付着している土地の所有権を底地と呼ぶこともあるが、これは本法、民法上の正式な用語ではない。つまり不動産用語もしくは俗語である。 「建物の所有を目的」というには、事業用・居住用の区別は問われないが、土地全体の用途から建物所有を主たる目的とするか、あるいは目的上建物の所有が不可欠であるかが必要となる。具体的には、建物の敷地割合をもとに、実際の使用形態から「建物所有の目的」を判断する。 自動車教習所を経営する目的でなされた土地の賃貸借について、建物の敷地面積の土地全体に対する割合が4.5%にすぎない場合であっても、「自動車学校の運営上、運転技術の実地練習のための教習コースとして相当規模の土地が必要であると同時に、交通法規等を教習するための校舎、事務室等の建物が不可欠であり、その両者が一体となつてはじめて自動車学校経営の目的を達しうるのであるから」、建物所有を目的としていると認めた(最判昭58.9.9)。 幼稚園の運動場として使用する目的でなされた土地の賃貸借について、隣接する園舎敷地と不可分一体の関係にある土地であっても、園舎の所有それ自体のために使用されていなければ、建物所有を目的としていると認めなかった(最判平7.6.29)。 ただし、一時使用目的の借地権には、存続期間、契約更新等に関する本法の規定は適用されない(25条)。ここでいう一時使用とは、賃貸借の目的や動機などの事情からその契約を短期間で終えることが客観的に判断できる場合をいう。サーカスの興行のために土地を借りるような場合は一時使用目的に当たるとされる。 「一時」使用というためには、その存続期間が法の定める存続期間より相当短いものであることを要する(最判昭45.7.21)。もっとも、存続期間を10年とした約定を一時使用と認めた判例もあり(最判昭36.7.6)、単に期間の長短だけでなく個別の事情が考慮される。
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