ゼロゼロ物件とは? わかりやすく解説

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ゼロゼロ物件

読み方:ゼロゼロぶっけん

賃貸物件のうち敷金・礼金が共に0円の物件を指す通称敷金ゼロ礼金ゼロの意。

賃貸住宅契約する際、一般的に賃料支払い保証原状回復費などの意味を持つ「敷金」と、家主への謝礼の意味を持つ「礼金」を支払必要がある敷金・礼金それぞれ月額家賃同程度か、場合によっては2~3ヵ月分に設定されている場合多く転居する際の大きな経済的障壁となりうる。この意味でゼロゼロ物件は、初期費用安く入居しやすい条件であると認識されることが多い。

ゼロゼロ物件は、単に格安お得な物件であるというわけではなく、保証の意味合いを持つ敷金受け取らないリスクを、他の方法解消しているだけだと指摘する見方もある。他の諸費用敷金相当するだけの費用徴収される例もあれば、家賃支払いが少しでも滞る立ち退き迫られ強制的に鍵を交換されるといった事例発生している。

ゼロゼロ物件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/07 14:06 UTC 版)

ゼロゼロ物件(ゼロゼロぶっけん)は日本住宅事情のひとつ。敷金礼金の支払いがともに0円である不動産賃貸物件の通称[1][2]

概要

1988年ごろから東京の大手賃貸業者により始められた事業形態であり[3]、賃貸物件の供給過剰にともなう競争激化を背景に2005年前後から増加傾向となる[4]。初期費用が安く抑えられることから、低所得者層に人気があるとされている[3]

「ゼロゼロ物件」の語は、法政大学社会学部教授(当時)・水島宏明によって付けられ、2005年に新聞[4]2006年にテレビのドキュメンタリー番組で紹介された[5]

トラブル

「ゼロゼロ物件」では、敷金・礼金を不要とするため、貸し手側のリスクは当然高い。借り手側が家賃を滞納したまま逃亡し、所在地が特定できない場合でも、敷金・礼金が存在しない以上、それらと相殺することができない。

こうした事情から、敷金・礼金がゼロであるとしながらも、「仲介手数料」「入会金」「保証金」「会員権維持費用」「鍵交換費用」「生存確認費用」といった名目の金銭を要求することで、「敷金・礼金数か月分の金額」を回収するケース[6][4]もあり、宣伝広告の「敷金・礼金ゼロと実質的に異なる」として、各地の消費者センターなどへの相談が相次いだ[4]

敷金・礼金がない分、家賃滞納への対処は厳しく、追い出し屋などを使った賃借人を強制退去させる強引な手法からトラブルにもなっている。

東京都新宿区の不動産会社スマイルサービス[注 1]は「鍵の一時的使用」という契約内容[注 2]を名目に、1日滞納しただけで強制的に鍵を交換し、「鍵の出張交換料」の名目で高額な違約金を取り立てており、入居者3人との間で訴訟事件となっている[3]。被害対策弁護団によると、「実態が住宅の賃貸契約であり、施設付き鍵の一時使用とするのは、借地借家法の脱法行為」と批判する[7]

また大阪府兵庫県でも同様の事例が発生し、鍵や施設の一時的賃貸借契約として立ち退きを迫られた入居者らが提訴している[8]

2009年3月9日にも東京都で同様の事例により賃借人の家財の一部を返還しない[注 3]などの行為があり、「不動産侵奪や住居侵入、窃盗などの罪にあたるおそれがある」として東京地方検察庁への告訴が行われた[9]

このほか(相殺に充てられるべき)敷金がないことにより、退去時に高額の「原状回復費用」を請求するケースもある(前もって敷金が支払われた物件の場合、原状復帰費用を差し引き、余りが出たら残額は退去時に返還される)。

こうしたトラブルについては、国土交通省による実態調査が行われている[10]

脚注

注釈

  1. ^ 同社は「自己保有物件を賃貸しているため、宅地建物取引業にはあたらない」と主張し、宅地建物取引業免許も取得していない。東京都内に本店を置く宅建業者を検索できる東京都都市整備局の宅地建物取引業者の免許情報提供サービスでも「該当なし」と表示される。
  2. ^ 契約の際に「施設付き鍵利用契約」なるものを結ばせ、「居住権はなく、ホテルとしての利用である」と説明している。
  3. ^ 旅館であれば、民法第317条によって、宿泊客が負担すべき宿泊料及び飲食料に関し、旅館に在る宿泊客の手荷物について先取特権が存在し、民法第319条により旅館は手荷物を即時取得することができ、民事執行法に基づいて差押手続きをした上で手荷物を没収することができる。

出典

関連項目


ゼロゼロ物件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 19:21 UTC 版)

貧困ビジネス」の記事における「ゼロゼロ物件」の解説

詳細は「ゼロゼロ物件」を参照 欧州主要国比べ日本では公的賃貸住宅比率少なく、全住宅戸数の7%に満たないこのため若年層はじめとして低所得非正規労働者にとっては公営住宅新規に借りるのが難しく一般民間賃貸住宅利用ハードルが高い

※この「ゼロゼロ物件」の解説は、「貧困ビジネス」の解説の一部です。
「ゼロゼロ物件」を含む「貧困ビジネス」の記事については、「貧困ビジネス」の概要を参照ください。

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