借地契約
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借地契約の存続期間は、 契約期間を特に定めなかった場合は、30年となる(3条本文)。 30年より長い期間を定めた場合は、その定めた期間となる(3条但書)、期間の上限はない。 30年より短い期間を定めた場合は、その約定は無効であるから(9条、最判昭44.11.26)、期間を定めなかった契約となり、30年となる。 借家とは異なり、「期間の定めのない契約」は認められない。 なお、旧借地法では、借地上に建てられている建築物について石造り、土造り、レンガ造りなどの堅固建物と、木造などそれ以外の材質の非堅固建物という区別を設け、前者の所有を目的とする借地権の契約期間が30年未満の場合には一律60年とし、後者の契約期間が20年未満の場合には一律30年として規定していた(旧借地法2条)。しかし、この区別は建築技術発展に伴って合理性を失い、借地借家法には受け継がれなかった。 建物の種類、構造、規模または用途を制限する旨の借地条件がある場合において、法令による土地利用の規制の変更、付近の土地の利用状況の変化その他の事情の変更により現に借地権を設定するにおいてはその借地条件と異なる建物の所有を目的とすることが相当であるにもかかわらず、借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、当事者の申立てにより借地非訟事件として、その借地条件を変更することができる(17条1項)。増改築を制限する旨の借地条件がある場合において、土地の通常の利用上相当とすべき増改築につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、その増改築についての借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる(17条2項)。裁判所は、これらの裁判をする場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、他の借地条件を変更し、財産上の給付を命じ、その他相当の処分をすることができる(17条3項)。裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、これらの裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない(17条6項)。
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借地契約
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借地権の存続期間が満了する場合に、建物が存在するときは、借地人は、契約の更新を請求することができる。これに対し、地主(賃貸人)が遅滞なく異議を述べなければ、契約は従前の契約と同一条件で更新される(法定更新、5条1項)。貸主がこの異議を述べるには、正当事由が必要である(6条)。 また、借地権の存続期間が満了した後、借地人(または転借人)が土地の使用を継続している場合も、建物が存在するときは、地主が遅滞なく異議を述べなければ、契約は法定更新される(5条2項、3項)。この異議にも正当事由が必要である(6条)。 正当事由の判断は、借地人と貸主の双方がその土地の使用を必要とする事情のほか、立退料の支払も考慮することができる(6条)。合意により借地契約を更新し期間を定める場合、その更新後の期間は、最初の更新では20年以上、2度目以降の更新では10年以上でなければならない。更新後の期間について定めなかった場合は、自動的に最初の更新では20年、2度目以降の更新では10年になる(4条)。 当初の借地権存続期間中に建物が滅失した場合で、当初残存期間を超えて存続する建物を再築した場合、再築に際して貸主が承諾を与えた場合は、借地権は再築の日または承諾の日のいずれか早い日から20年間存続する(7条)。借地人が承諾を求めたのに貸主が2か月以内に異議を述べなかった場合は承諾があったものとみなされる。 契約更新後に建物滅失があった場合は、借地権者は借地契約の解約の申入れまたは地上権の放棄をすることができる(8条)。建物滅失後、借地権者が貸主の承諾を得ないで残存期間を超えて存続する建物を再築した場合は、貸主は借地契約の解約の申入れまたは地上権の消滅請求をすることができる。この場合において、再築にやむをえない事情があるにもかかわらず貸主が承諾しない場合は、借地非訟事件として借地権者は原則として裁判所に対し承諾に代わる許可を求める申立てをすることができる。なお、申立てを受けた裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない(18条)。
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