伊豆大島近海地震とは? わかりやすく解説

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いずおおしまきんかい‐じしん〔いづおほしまキンカイヂシン〕【伊豆大島近海地震】


伊豆大島近海地震

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/19 17:15 UTC 版)

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伊豆大島近海地震(いずおおしまきんかいじしん)では、日本伊豆大島近海を震源とする地震について述べる。

主な地震

概ねMj5.5以上の顕著な地震を列挙する。

1905年

1905年明治38年)6月7日伊豆大島の北西近海(地図)を震央とするM5.8の地震が発生した[1]。同年5月28日から続いていた群発地震中最大のイベントで、伊豆大島北西部において破損家屋3棟、道路・石垣の崩壊などの被害を齎した。地震活動は同月15日まで続いた[2]

1923年

1923年大正12年)9月26日17時23分ごろ、伊豆大島の西方約10km(地図)を震央とするMj6.8(Mw6.5[3])、震源の深さ0kmの地震が発生し、東京都八丈町静岡県沼津市で最大震度の4を記録した他、震源から離れた福井県福井市においても最大震度の4を記録した[4]

約3週間前に、関東南部を震源域とする関東地震(Mj7.9)が発生している。

1964年

1964年昭和39年)12月9日02時49分ごろ、伊豆大島の西方約10km(地図)を震央とするMj5.8、震源の深さ3kmの地震が発生し、東京都大島町で最大震度の4を観測した[4]。余震活動は非常に活発で、翌1965年4月までにM4以上の地震が21回、M5以上の地震が5回発生した。最大余震は12月29日に発生したMj5.5、最大震度4。

同時期に三原山で噴火が発生している。

1978年

1978年昭和53年)1月14日12時24分ごろ、伊豆大島の西方約10kmを震央とするMj7.0(Mw6.6)、震源の深さ約15kmの地震で、東京都大島町神奈川県横浜市で最大震度の5を記録した[4]。死者23名、行方不明者2名、負傷者211名[2]

1982年

1982年昭和57年)8月12日13時33分ごろ、伊豆大島の北東約20km(地図)を震央とするMj5.7、震源の深さ30kmの地震が発生し、千葉県館山市静岡県熱海市東京都千代田区で最大震度の4を観測した[4]

1986年

1986年昭和61年)11月22日09時41分ごろ、伊豆大島の南南東約20km(地図)を震央とするMj6.0、震源の深さ15kmの地震が発生し、東京都新島本村三宅村千葉県館山市で最大震度の4を観測した[4]伊豆大島では同年4月から地震・火山活動が活発化し、11月21日からは活動が激化していた[5]。この地震は群発地震中最大のイベントであるが、21日から全島避難が行われていた為、大島町の震度データは欠測となっている。

1989年

1989年平成元年)10月14日06時14分ごろ、伊豆大島の北東約10km(地図)を震央とするMj5.7、震源の深さ21kmの地震が発生し、東京都大島町神奈川県横浜市で最大震度の4を観測した[4]

約3ヶ月前には、伊豆東部火山群手石海丘が形成される噴火が発生している。

1990年

伊豆大島近海地震(1990年)
本震
発生日 1990年2月20日
発生時刻 15時53分39.8秒 (JST)
震央 日本 伊豆大島近海
北緯34度45.8分
東経139度13.8分(地図
震源の深さ 6 km
規模    気象庁マグニチュード(Mj)6.5/モーメントマグニチュード Mw6.4[6]
最大震度    震度4:東京都静岡県神奈川県千葉県
津波 30cm (大島町岡田地区、南伊豆町)[7]
地震の種類 プレート内地震
左横ずれ断層[8]
余震
最大余震 同日16時17分 M5.1 最大震度3 北緯34度39.9分・東経139度13.7分
被害
死傷者数 負傷者1名[8]
被害地域 伊豆半島、伊豆大島
出典:特に注記がない場合は気象庁[4]による。
プロジェクト:地球科学
プロジェクト:災害
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1990年(平成2年)2月20日15時53分ごろ、伊豆大島の西方約10kmを震央とするMj6.5(Mw6.4)の地震が発生し、東京都、静岡県、神奈川県、千葉県などの広い範囲で最大震度の4を記録したほか、大島町南伊豆町で最大30cmの津波を観測した。

大島町では本震によって崖崩れが発生し、一人が生き埋めとなるものの、地震から約1時間後に救出された(左手を骨折するなどの負傷)。その他、大島町では都道208号線沿いで7か所の土砂崩れが発生した。

伊豆半島側では、河津町で水道管一か所が破損し200世帯が一時断水した他、東伊豆町では町庁舎の天井板が落下、下田市では1,200世帯が一時停電、窓ガラス破損などの被害が発生した[8]

発震機構解は北西から南東に圧縮軸を持つ横ずれ断層型で、余震震央分布が本震を北端として南に約25km伸びていることから、震源断層は左横ずれ断層であったと推定されている[8]。余震活動は本震直後はかなり活発であったが、同年3月29日までにはほぼ終息した。この期間における有感余震の回数は44回、無感地震含めると665回であった[8]

2014年

2014年平成26年)5月5日05時18分ごろ、伊豆大島近海を震央とするMj6.0(Mw6.0[9])、震源の深さ162kmの地震が発生し、東京都千代田区で最大震度の5弱を記録した[4]。負傷者16名。スラブ内地震と推定される。

関連項目

脚注

  1. ^ 国立天文台編『理科年表 平成29年丸善、2016年。ISBN 978-4-621-30095-4
  2. ^ a b 地震予知連絡会会報 第20巻 3. 地震予知連絡会. (1978年8月). http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/report/index20.html 2017年6月14日閲覧。. 
  3. ^ M 6.5 - near the south coast of Honshu, Japan”. アメリカ地質調査所 (2014年11月7日). 2017年6月13日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h 震度データベース検索”. 気象庁. 2017年6月13日閲覧。
  5. ^ 伊豆大島 有史以降の火山活動”. 気象庁. 2017年6月13日閲覧。
  6. ^ M 6.4 - near the south coast of Honshu, Japan”. アメリカ地質調査所 (2014年11月7日). 2017年6月13日閲覧。
  7. ^ 羽鳥徳太郎 (1991). “伊豆諸島周辺における津波の規模 1990年2月20日大島近海津波・1990年9月24日東海道はるか沖津波”. 地震 第2輯 44 (4): 297-303. doi:10.4294/zisin1948.44.4_297. https://doi.org/10.4294/zisin1948.44.4_297 2017年6月13日閲覧。. 
  8. ^ a b c d e 地震予知連絡会会報 第44巻 4. 地震予知連絡会. (1990年8月). http://cais.gsi.go.jp/YOCHIREN/report/index44.html 2017年6月13日閲覧。. 
  9. ^ 主な地震のCMT解 2014年5月 (PDF)”. 気象庁. 2017年6月13日閲覧。


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