石垣島南方沖地震
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/31 14:06 UTC 版)
| 石垣島南方沖地震 | |
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地震の震央の位置を示した地図
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| 本震 | |
| 発生日 | 1998年(平成10年)5月4日 |
| 発生時刻 | 8時30分19秒 (JST) |
| 震央 | 北緯22度22.7分 東経125度26.2分 (北緯22度22.7分 東経125度26.2分 / 北緯22.3783度 東経125.4367度) |
| 震源の深さ | 35 km |
| 規模 | マグニチュード(M)7.7 |
| 最大震度 | 震度3: 沖縄県平良市(現・宮古島市)、石垣市など |
| 津波 | 10cm未満 |
| 地震の種類 | 海洋プレート内地震 横ずれ断層型 |
| 被害 | |
| 死傷者数 | なし |
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出典: 特に注記がない場合は気象庁による。
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| プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
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石垣島南方沖地震(いしがきじまなんぽうおきじしん)は、1998年(平成10年)5月4日午前8時30分19秒に石垣島南方沖で発生した地震[1][2][3]。
概要
震源は北緯22度22.7分、東経125度26.2分の深さ35キロで、フィリピン海プレート内の地震と考えられている[4]。地震の規模はM7.7[5]、メカニズムは東西方向に圧縮軸を持つ横ずれ型で、このため規模の割に津波は小さかった[6]。
震度
各地の震度は以下の通り[5]
| 震度 | 都道府県 | 観測点名 |
|---|---|---|
| 3 | 沖縄県 | 平良市下里・平良市西仲宗根・多良間村塩川・石垣市登野城・竹富町西表・与那国町祖納・与那国町久部良 |
| 2 | 沖縄県 | 仲里村謝名堂・石垣市新川 |
| 1 | 沖縄県 | 名護市宮里・国頭村奥・那覇市樋川・南城市玉城前川・読谷村座喜味・玉城村前川・仲里村山城・南大東村在所 |
| 鹿児島県 | 鹿屋市新栄町・名瀬市港町・喜界町滝川 |
被害
津波警報が出された上に宮古島・八重山地方で1メートルの津波が予想されたため、沖縄県警察は災害警備準備本部を設置し、石垣市役所でも災害対策本部を設置するなど沖縄県内で厳戒態勢が敷かれた[7][1][2]。また、石垣島民や行楽客は、自治体の注意喚起を受けてバンナ公園にあるバンナ岳に避難した[2]。与論島のプリシアリゾートでは、ゴールデンウィークを利用して宿泊していた客約260人が海水浴やダイビングを見合わせるなど万が一の事態に備えた対応がとられた[2]。
しかし、石垣島・宮古島で10センチ未満、与那国島でも微小津波を観測した程度で、被害はなく、死者、負傷者ともにゼロだった[1][2][8]。これは地震の種類が横ずれ断層型だったためである[6]。もし縦ずれ型であったならば、宮古島・八重山地方で3メートルから4メートル程度の津波が来襲し多くの被害が出ただろうと考えられている[9]。
脚注
- ^ a b c 『毎日新聞』1998年5月5日 東京朝刊 社会面22頁「石垣島沖でM7.7の地震--津波警報発令」(毎日新聞東京本社)
- ^ a b c d e 『読売新聞』1998年5月5日 全国版 西部朝刊 社会31頁「「津波が来る」高台に急げ 地震で住民や行楽客らが避難/沖縄」(読売新聞西部本社)
- ^ “9-5 石垣島南方沖の地震(1998年5月4日M7.6 および1998年11月20 日M6.3)” (PDF). 国土地理院. 2025年10月31日閲覧。
- ^ “5月4日石垣島南方沖の大地震(Ms 7.3)”. 東京大学地震研究所. 2005年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月26日閲覧。
- ^ a b “震度データベース検索”. 気象庁. 2018年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月28日閲覧。
- ^ a b “平成10年5月 地震・火山月報 (防災編) 特集2.1998年5月4日の石垣島南方沖の地震 22頁”. 気象庁. 2014年2月28日閲覧。
- ^ “津波災害に備えて” (PDF). 沖縄市役所. 2025年10月31日閲覧。
- ^ 『毎日新聞』1998年5月5日 中部朝刊 社会面18頁「石垣島沖で、M7.7の地震--津波警報・・・実際は数センチ」(毎日新聞中部本社)
- ^ 2.過去の顕著な津波の特徴 (PDF) 石垣島地方気象台
関連項目
固有名詞の分類
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