宮城県沖地震 (2005年)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/07 13:39 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動宮城県沖地震(2005年) | |
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震源の位置(USGS)
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地震の震央の位置を示した地図
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本震 | |
発生日 | 2005年(平成17年)8月16日 |
発生時刻 | 11時46分25秒 |
震央 | ![]() |
座標 | 北緯38度8.9分 東経142度16.6分 / 北緯38.1483度 東経142.2767度座標: 北緯38度8.9分 東経142度16.6分 / 北緯38.1483度 東経142.2767度 |
震源の深さ | 42 km |
規模 | マグニチュード(M)7.2 |
最大震度 | 震度6弱:宮城県川崎町 |
津波 | 40cm: 志津川町(現南三陸町) |
地震の種類 | プレート境界地震(逆断層型) |
被害 | |
死傷者数 | 負傷者 100人 |
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プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
2005年宮城県沖地震 (みやぎけんおきじしん) は、2005年(平成17年)8月16日11時46分に宮城県沖(牡鹿半島沖東南東80km付近)で発生した、マグニチュード(M)7.2の地震である[1]。宮城県はこの地震を8・16宮城地震と呼称している[2][3]。
概要
2005年8月16日11時46分25秒、宮城県沖(北緯38度8.9分・東経142度16.6分)の深さ42kmを震源とするM7.2(Mw7.1)の地震が発生した[4][5][6]。発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震とみられる[7]。
宮城県川崎町で最大震度6弱を観測した。地震による揺れは、北は北海道から西は徳島県までの広い範囲で有感(震度1以上)となった。志津川町(現南三陸町)で40cmの津波を観測した。
この地震について、当時政府の地震調査委員会は、想定されていた宮城県沖地震ではないという見解を示したが[1]、2011年の評価では宮城県沖地震の一つであるとした。これは、後の調査で宮城県沖地震の3つ程のアスペリティのうち南側の1つが滑ったもので、宮城県沖地震の部分的再来であったとする研究を反映したものである[8]。但し、想定されていたアスペリティの一部のみを破壊しただけで、滑り残しが有るとされていた[9]。
震度
震度5弱以上の揺れを観測した地点は以下の通り[10][6]。
震度 | 都道府県 | 観測点名 |
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6弱 | 宮城県 | 宮城川崎町前川 |
5強 | 岩手県 | 藤沢町藤沢 |
宮城県 | 蔵王町円田・名取市増田・仙台泉区将監・仙台宮城野区苦竹・東松島市矢本・登米市迫町・栗原市築館・宮城田尻町沼部・小牛田町北浦・涌谷町新町・石巻市桃生町・石巻市門脇 | |
福島県 | 福島鹿島町西町・新地町谷地小屋・相馬市中村・川俣町五百田・福島国見町藤田 | |
5弱 | 岩手県 | 室根村役場・千厩町千厩・平泉町平泉・花泉町涌津・衣川村古戸・岩手胆沢町南都田・前沢町七日町・金ケ崎町西根・岩手東和町土沢・矢巾町南矢幅・江刺市大通り・一関市山目・一関市舞川・北上市柳原町・花巻市材木町・二戸市福岡・陸前高田市高田町 |
宮城県 | 石巻市泉町・石巻市北上町・石巻市鮎川浜・石巻市相野谷・石巻市前谷地栗原市金成・石巻市雄勝町・登米市南方町・登米市中田町・登米市米山町・登米市登米町・登米市東和町・東松島市小野・栗原市若柳・栗原市高清水・栗原市志波姫・栗原市栗駒・栗原市瀬峰・栗原市一迫・山元町浅生原・亘理町下小路・柴田町船岡・村田町村田・大河原町新南・岩沼市桜・角田市角田・白石市亘理町・塩竈市旭町・仙台宮城野区五輪・仙台若林区遠見塚・歌津町吉野沢・志津川町塩入・女川町女川浜・鹿島台町平渡・宮城松山町千石・宮城加美町中新田・宮城南郷町木間塚・大衡村大衡・大郷町粕川・気仙沼市赤岩・古川市三日町 | |
福島県 | 飯舘村伊丹沢・小高町本町・原町市三島町・田村市大越町・田村市都路町・中島村滑津・福島東和町針道・霊山町掛田・保原町舟橋・梁川町青葉町・桑折町東大隅・福島市五老内町 | |
茨城県 | 日立市助川町 |
被害
- 負傷者100人
- 住家全壊1棟
- 住家一部破損984棟
この地震により100名が重軽傷を負ったものの、死者は出ていない。仙台市のスポーツ施設「スポパーク松森」の屋内プールで天井が9割方崩落、20人以上が負傷。また、震度4を観測した埼玉県加須市で民家1棟が全壊した。他に福島・宮城など4県で住宅の一部破損984棟の被害が出た[11]。仙台市営地下鉄・東北新幹線・秋田新幹線・山形新幹線が全線で運行停止した(このうち東北新幹線・秋田新幹線・山形新幹線は終電までダイヤが乱れお盆のUターンラッシュに影響を及ぼした)。
緊急地震速報
この地震では緊急地震速報が作動し、仙台市では揺れの来る14秒前、震度3を観測した東京都千代田区大手町では70秒前に情報が流れたとされる。
NHKは地震発生後直ちに全放送波通常放送を強制中断させたうえで(八波全中)、地震関連のニュースに切り替えた。また、テレビ東京系を除く民放各局は番組の途中に地震関連のニュースを臨時で放送した。
余震
余震活動は年内いっぱい続き、12月にはM6クラスの余震が発生している。この余震ではシステム障害で震度の入電が遅れるトラブルがあった[12]。
脚注
- ^ a b “宮城県南部地震(2005年8月16日) | 災害カレンダー” (日本語). Yahoo!天気・災害. 2021年4月7日閲覧。
- ^ “「8・16宮城地震」の被害及び県の対応について”. Miyagi Prefectural Government. 2011年6月14日閲覧。
- ^ “東北地方における過去の地震による被害”. www.thr.mlit.go.jp. 2021年4月7日閲覧。
- ^ 2005年8月16日11時46分頃の宮城県沖の地震について(第5報)
- ^ “2005年8月16日の宮城県沖の地震のページ”. www.adep.or.jp. 2021年4月7日閲覧。
- ^ a b “震度データベース検索”. www.data.jma.go.jp. 2021年4月7日閲覧。
- ^ “2005年8月16日宮城県沖の地震の評価”. www.jishin.go.jp. 2021年4月7日閲覧。
- ^ 「地震本部ニュース」平成22年2月号 (PDF)
- ^ 飯尾能久, 松澤暢、東北地方太平洋沖地震の発生過程:なぜM 9が発生したのか? 『地質学雑誌} 2012年 118巻 5号 p.248-277, doi:10.5575/geosoc.2012.0023
- ^ 各地の震度(気象庁)
- ^ 宮城県沖を震源とする地震(確定報)消防庁、2006年2月3日。
- ^ “気象庁|報道発表資料”. www.jma.go.jp. 2021年4月7日閲覧。
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