揺れの強い地震・被害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 15:33 UTC 版)
日本ではマグニチュード6以上の深発地震は、年間に4 - 5回程度発生している。 2019年現在では、緊急地震速報は150km以深の地震については一般向けに対象から除外している。これは大きな揺れに結びつく可能性が低く震度の予測も難しいためとされている。高度利用者向けでも震度予測に関しては発報されていない。 やや深発地震(200km以浅)では、浅発地震(60km以浅)と比較し同じマグニチュードならば被害は少ないが、マグニチュード7規模以上の地震となると地表でも強い揺れとなり、被害を生じさせることがある。なお津波については今村明恒・飯田汲事や羽鳥徳太郎の研究によると、100km以深の地震によって津波が発生することはほぼないと考えられている。 1993年1月15日に発生した釧路沖地震(深さ101km、Mj 7.5)では、釧路市で最大震度6の烈震を、半径約150kmの広範囲で震度5の強震を記録し、死者2名・負傷者966名、全壊53棟・半壊254棟・一部損壊5311棟、その他51棟の被害が報告されている。また、2011年4月7日に発生した宮城県沖地震(深さ66km、Mj 7.2)では最大震度6強の揺れとなり、死者4名を出したほか広域停電も発生している。 この他、死者は出ていないものの強い揺れになった例として2005年7月23日に発生した千葉県北西部地震(深さ73km、Mj 6.0)があり、東京都で最大震度5強を観測し関東地方南部の各地で停電やエレベーター閉じ込め事故などが発生した。さらに、2014年5月5日に発生した伊豆大島近海地震(深さ162km、Mj 6.0)では150km以深でありながら、東京都で最大震度5弱の地震を観測している。さらに2015年5月30日に発生した小笠原諸島西方沖地震(深さ681km、Mj 8.1)では、小笠原諸島、神奈川県二宮町で震度5強を観測したほか、全都道府県で震度1以上を観測し、関東地方を中心に停電、エレベーターの緊急停止による高層難民、交通機関の麻痺などの大きな影響が出た。 深さ数百kmの深発地震で被害を生じることは稀であるが、1994年6月8日のボリビア深発地震(深さ631km、Mw 8.2)では、震源の深さが極めて深かったにもかかわらず死者10人の被害があった。また、カナダでも有感となったとの記録がある。
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