揺れる保守本流
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 04:34 UTC 版)
「ウェルズ・ファーゴ」の記事における「揺れる保守本流」の解説
1995年にアメリカン・エキスプレスとの合併協議をはじめ、決済事業に力を入れだした。同年にウェルズ・ファーゴ・日興・インベストメント・アドバイザーズをバークレイズへ4.4億ドルで売却し、アメデオ(Amadeo Giannini)のFIB(First Interstate Bancorp)を買収した。1998年、ミネアポリス地盤のノーウェスト(Norwest Corporation)が旧ウェルズ・ファーゴ(Wells, Fargo & Co.)を買収して発足した。そしてノーウェストのリチャード(Richard Kovacevich)が社長となった。企業の合併買収としては珍しく、商号も本部機能も被買収企業のものが引き継がれている。これは、設立以来の150年近い歴史で培われた旧ウェルズ・ファーゴのブランドを活かすためのものである。2000年、ウェルズ・ファーゴがナショナル・バンク・オブ・アラスカ(National Bank of Alaska)を買収した。2003年、経営危機にあったストロング・フィナンシャル・コーポレーションが運用していた290億ドルの受託資産を買い叩き、ウェルズ・ファーゴのミューチュアル・ファンドは受託資産額が1千億を超えた。 2008年、米銀大手ワコビア(総資産5207億ドル)を約151億ドル(約1兆6000億円)で合併した。ワコビアの名前で売っていた証券部門は2009年ウェルズ・ファーゴ証券に改称した。世界金融危機のあと、マスターカードをめぐり欧米領域で反トラスト法違反容疑の調査がすすんだ。2011年12月、賄賂事件(2009 Bank of Ireland robbery)から続くアイルランド銀行解体に参加し(2014年から欧州中央銀行が統制権を行使)、およそ10億ドルの負債を抱えた事業の受け皿となった(Burdale Financial Holdings Limited and the portfolio of Burdale Capital Finance Inc.)。2012年こっそりマーリン証券(Merlin Securities LLC)を買収したことで、ヘッジファンドおよびその他のアセット・マネジメントへ進出した。後の調査でアイルランドは世界第4位のシャドー・バンキング・システム保有国であることが分かった。ウェルズ・ファーゴの資金がシャドーバンクの救済に向かったことになる。 2016年9月8日、自社で顧客の許可のないまま口座を開設したりクレジットカードを発行したりする行為が横行していたと明らかにし、この問題で過去数年の間に5300人の行員を解雇したと認めた。この問題はCEOの辞任にまで発展、継続してきた金融機関としての時価総額世界一が途切れることになった。2016年で顧客に無断で口座を開くなどの大規模な不正営業が発覚したのをきっかけに、顧客が自動車ローンを組む際、保険に二重に加入させていた問題や、住宅ローンの金利固定期間の延長で手数料を不正に徴収していたことなどが発覚し、罰金10億ドルを科された。
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