揺れの大きさ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 07:41 UTC 版)
揺れが大きいほど被害が大きくなる。揺れの強度は基本的に地震自体の強さ、震源からの距離、地盤の構造によって決まる。地震自体の強さはマグニチュードで示される。マグニチュード8クラス以上の地震を一般に巨大地震と呼び、震源地から数百kmの広い範囲で大きな被害が出る。マグニチュード7クラスの地震でも震源が地下の浅いところにあれば震源周辺に激甚な被害を与える。 1923年に発生した大正関東地震(関東大震災)はマグニチュード7.9の巨大地震だったが、東京府・房総半島・神奈川県・伊豆半島の全域が震度6の激震に襲われた。1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)はマグニチュード7.3で、神戸市・淡路島を中心に震度7を観測し、震源に近い神戸市や阪神間に大きな被害を与えた。2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)はマグニチュードは9.0で、宮城県栗原市で震度7を記録した一方で、当地では死者はでなかった。また、東北から関東までの広い範囲を震度6弱以上の揺れが襲った一方で、全壊棟数は想定より大幅に少なかった。この地震では、木造家屋に影響が大きい周期の地震波形が少なく、建物に影響が少ない周期の地震波が強かった(津波による被害については後述)。 大きな地震があったとき、わずか数十 - 数百m隔てた場所で被害が大きく違うことがある。これは地質構造によって揺れ方がかなり違うことが原因。すなわち地下の浅いところに硬い岩盤があるような場所では揺れは比較的小さいが、砂や粘土が厚く積もった場所では揺れが大きくなる(数十km離れた2地点でも一方が地震動を観測し、一方では無感ということがある)。同じ原理で、谷間を埋め立てた造成地も揺れが大きくなる傾向がある。日本全国の揺れやすさについては国土省が調査した結果が公表されている。上図参照。大河の河口周辺の沖積層では、震度が1ポイント近く高くなる(赤く表示されている範囲)ことが想定されている。 揺れの大きさを表す単位に、振幅、加速度(ガル)、震度がある。振幅は揺れ幅の大きさを、加速度は揺れの速さを物理的に示す。震度は以前は人間の感覚で評価したものが発表されていたが、1996年以後震度計(強震計)により自動的に観測された値が発表されるようになった。観測点が増加したことで新しい地震ほど大きな値が記録される傾向がある。
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