震度の算出式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 06:57 UTC 版)
気象庁などが用いている震度計では、加速度計によって揺れを観測している。まず加速度の時間領域信号として上下動・南北動・東西動の3成分を計測し、以下のプロセスで震度を算出する。 上下動・南北動・東西動の時間領域信号をフーリエ変換によってそれぞれ周波数領域信号に変換する。 地震波の周期による影響を補正するため、上下動・南北動・東西動の周波数領域信号それぞれにフィルタリング処理を施す。ここで使用するフィルタは、以下の各フィルタを乗算したものである(ただし f {\displaystyle f} は周波数)。ローカット(低域除去)フィルタ: 1 − exp ( − ( f 0.5 ) 3 ) {\displaystyle {\sqrt {1-\exp \left(-\left({\frac {f}{0.5}}\right)^{3}\right)}}} ハイカット(高域除去)フィルタ: 1 1 + 0.694 x 2 + 0.241 x 4 + 0.0557 x 6 + 0.009664 x 8 + 0.00134 x 10 + 0.000155 x 12 {\displaystyle {\frac {1}{\sqrt {1+0.694x^{2}+0.241x^{4}+0.0557x^{6}+0.009664x^{8}+0.00134x^{10}+0.000155x^{12}}}}} (ただし x = f 10 {\displaystyle x={\frac {f}{10}}} ) 周期効果フィルタ: 1 f {\displaystyle {\sqrt {\frac {1}{f}}}} フィルタ処理した上下動・南北動・東西動の周波数領域信号をそれぞれ逆フーリエ変換によって時間領域(加速度)信号に戻す。 上下動・南北動・東西動の3成分を合成し、1つの合成加速度をつくる。 合成加速度の絶対値がある値 a {\displaystyle a} 以上になる時間の合計がちょうど0.3秒であるような a {\displaystyle a} を求める。これは震度の算出基準となる揺れの大きさ a {\displaystyle a} を、0.3秒間断続した揺れに統一することで、実際の揺れによる被害と算出される震度を近づける狙いがある。 I = 2 log 10 a + 0.94 {\displaystyle I=2\log _{10}a+0.94} を計算する。 I {\displaystyle I} の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位を切り捨てたものを、計測震度とする。 計測震度を四捨五入したもの(ただし負なら0、8以上は7)を 0 から 7 までの震度階級とする。震度5と6では切り上げられるか切り捨てられるかによりさらに弱と強に分けられる(「震度と計測震度の関係表」参照)。
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