南伊豆町
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/03 08:06 UTC 版)
みなみいずちょう ![]() 南伊豆町 |
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国 | ![]() |
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地方 | 中部地方、東海地方 | ||||
都道府県 | 静岡県 | ||||
郡 | 賀茂郡 | ||||
市町村コード | 22304-2 | ||||
法人番号 | 1000020223042 | ||||
面積 | 109.94km2 |
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総人口 | 7,029人 [編集] (推計人口、2025年9月1日) |
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人口密度 | 63.9人/km2 | ||||
隣接自治体 | 下田市、賀茂郡松崎町 | ||||
南伊豆町役場 | |||||
町長 | 岡部克仁 | ||||
所在地 | 〒415-0392 静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂315-1 北緯34度39分05秒 東経138度51分30秒 / 北緯34.65133度 東経138.85844度座標: 北緯34度39分05秒 東経138度51分30秒 / 北緯34.65133度 東経138.85844度
町役場位置
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外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
南伊豆町(みなみいずちょう)は、静岡県東部の伊豆半島の最南端にある町。賀茂郡に属しており、伊豆東海岸都市圏に属する町である[1]。
地理
青野川の流域の下賀茂温泉地区と弓ヶ浜温泉地区に市街を形成する。どちらも小規模ではあるが、温泉街を形成している。 この青野川の下流には小規模ではあるがマングローブ植物であるメヒルギが移植されており、定着の北限とされている(メヒルギ#日本における生育地を参照)。海岸地形は複雑で小規模なリアス式海岸になっている。伊豆半島最南端の岬でもある石廊崎などの景勝地を有する。
- 山:三倉山 (214m) 、平氏ヶ岳 (270m) 、三坂富士 (280m) 、松野山 (445m) 、鈴野山 (486m) 、暗沢山 (520m) 、馬夫石 (545m)
- 河川:青野川(全長17.2km)
気候
石廊崎特別地域気象観測所(南伊豆町石廊崎石室山、標高52m)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 19.2 (66.6) |
20.2 (68.4) |
21.5 (70.7) |
24.3 (75.7) |
26.4 (79.5) |
30.8 (87.4) |
33.9 (93) |
33.8 (92.8) |
33.1 (91.6) |
29.6 (85.3) |
25.9 (78.6) |
22.2 (72) |
33.9 (93) |
平均最高気温 °C (°F) | 11.0 (51.8) |
11.5 (52.7) |
14.0 (57.2) |
17.9 (64.2) |
21.2 (70.2) |
23.6 (74.5) |
27.0 (80.6) |
28.8 (83.8) |
26.3 (79.3) |
22.1 (71.8) |
17.9 (64.2) |
13.4 (56.1) |
19.6 (67.3) |
日平均気温 °C (°F) | 8.2 (46.8) |
8.5 (47.3) |
11.0 (51.8) |
14.9 (58.8) |
18.4 (65.1) |
21.1 (70) |
24.5 (76.1) |
26.2 (79.2) |
23.9 (75) |
19.7 (67.5) |
15.4 (59.7) |
10.8 (51.4) |
16.9 (62.4) |
平均最低気温 °C (°F) | 5.7 (42.3) |
5.7 (42.3) |
8.1 (46.6) |
12.1 (53.8) |
16.0 (60.8) |
19.1 (66.4) |
22.7 (72.9) |
24.3 (75.7) |
21.8 (71.2) |
17.5 (63.5) |
13.0 (55.4) |
8.3 (46.9) |
14.5 (58.1) |
最低気温記録 °C (°F) | −2.1 (28.2) |
−2.7 (27.1) |
−0.8 (30.6) |
3.4 (38.1) |
8.4 (47.1) |
13.2 (55.8) |
14.8 (58.6) |
17.4 (63.3) |
13.2 (55.8) |
9.3 (48.7) |
3.8 (38.8) |
−0.7 (30.7) |
−2.7 (27.1) |
降水量 mm (inch) | 67.7 (2.665) |
92.4 (3.638) |
147.5 (5.807) |
152.2 (5.992) |
176.9 (6.965) |
236.8 (9.323) |
203.3 (8.004) |
124.9 (4.917) |
186.4 (7.339) |
193.8 (7.63) |
126.6 (4.984) |
72.7 (2.862) |
1,758.2 (69.22) |
平均降水日数 (≥0.5 mm) | 6.7 | 7.7 | 11.3 | 10.7 | 11.5 | 13.3 | 11.3 | 7.6 | 11.7 | 11.2 | 9.3 | 7.4 | 119.7 |
% 湿度 | 60 | 61 | 66 | 72 | 78 | 85 | 88 | 85 | 80 | 72 | 67 | 62 | 73 |
平均月間日照時間 | 181.8 | 173.3 | 183.5 | 192.3 | 198.4 | 141.4 | 169.6 | 228.4 | 179.3 | 163.9 | 161.8 | 181.7 | 2,152.7 |
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1939年-現在)[2][3] |
歴史
- 江戸時代末期 - 現在の町域内に25村が存在。旧高旧領取調帳の記載によると主に旗本領(一部幕府領・掛川藩領)で構成された。
- 1874年(明治7年)3月20日未明、フランスの貨客船ニール号が入間村(当時)の沖合で暴風雨のため座礁、沈没(ニール号遭難事故)。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、25村が南中村、南上村、三坂村、三浜村、竹麻村、南崎村の6村となる。
- 1913年(大正2年)3月25日、奥山鉱山で鉱毒問題深刻化し、村民有志大会、5月4日、同鉱山鉱夫100余人が事務所襲撃、下田署員出動。
- 1916年(大正5年)4月、奥山鉱山、三浜村への精錬所建設発表、5月以降、村民反対運動、8月、計画中止。
- 1917年(大正6年)3月、青野鉱山鉱毒被害が青野川流域に拡大。流域諸村に反対運動起こる。
- 1918年(大正7年)7月2日、青野鉱山鉱毒問題で、鉱毒調査委員と所長の交渉決裂。
- 1920年(大正9年)7月29日、南上村長ら、鉱毒問題につき県に陳情。
- 1923年(大正12年)6月16日、湊海軍病院発足、11月20日、庁舎ならびに外来診療棟竣工、開院。
- 1925年(大正14年)3月25日、湊海軍病院、第1病棟竣工。
- 1926年(大正15年):9月、ポール・クローデル駐日仏大使が三坂村に来訪、ニール号遭難事故慰霊塔に墓参。
- 1929年(昭和4年)3月29日、南崎村5家族26人のブラジル移民出発。
- 1945年(昭和20年)12月1日、湊海軍病院、厚生省に移管され「国立湊病院」と改称。
- 1947年(昭和22年)4月1日、国立湊病院、結核対策の一環として「国立療養所湊病院」となる。
- 1955年(昭和30年)7月31日 - 上記の6村を廃し、その区域をもって南伊豆町を設置[4]。
- 1957年(昭和32年):波勝崎苑開園。
- 1967年(昭和42年)4月1日、国立療養所湊病院、再び「国立湊病院」と改称。
- 1969年(昭和44年)5月、石廊崎ジャングルパーク開園。
- 1974年(昭和49年)5月9日、伊豆半島沖地震。中木地区の山崩れにより27人が死亡。
- 1976年(昭和51年)10月9日 - 集中豪雨により青野川が氾濫。床上浸水249戸、床下浸水64戸[5]。
- 1995年(平成7年)9月23日、石廊崎沖に密入国船。乗っていた中国人密航者57人を逮捕。
- 1997年(平成9年)10月、国立湊病院が下田市と賀茂郡6町村(当時)による共立湊病院組合に移譲、「共立湊病院」として開院。
- 1998年(平成10年)8月12日夜、下田市内の産廃焼却場の上空に敷設の東京電力の送電線が断線し、南伊豆町全域で大規模停電事故発生。27時間あまりかかって翌13日夜に復旧。
- 1999年(平成11年)2月10日から3月10日にかけて、第1回みなみの桜と菜の花まつり開催。
- 2003年(平成15年):9月30日、石廊崎ジャングルパーク閉園。10月1日、気象庁石廊崎測候所が無人化され、同日より「石廊崎特別地域気象観測所」と改称。10月6日、下田市・河津町・南伊豆町の1市2町による法定合併協議会を設置するも、12月に河津町が離脱を表明、翌年1月に合併協議会を解散。
- 2004年(平成16年):6月、南伊豆町議会、下田市・南伊豆町合併協議会の設置議案を否決[6]。
- 2008年(平成20年):6月5日、下田市・河津町・南伊豆町・松崎町による「南伊豆地区1市3町合併協議会」発足。
- 2009年(平成21年):南伊豆地区1市3町合併協議に関し、6月に南伊豆・松崎の両町議会において合併関連議案が否決された[7][8]ことにより、賀茂地区の合併は事実上破綻。
- 2011年(平成23年):新町庁舎完成、12月26日より稼働。
- 2012年(平成24年)4月末、共立湊病院閉院。翌5月より下田市内に移転し下田メディカルセンターとして開院。
- 2019年(平成31年):4月1日、石廊崎ジャングルパーク跡地を再整備し、「石廊崎オーシャンパーク」開園。
- 2019年(令和元年):9月、波勝崎苑が経営難を理由に休園。
- 2020年(令和2年):5月7日 、休園していた波勝崎苑が「波勝崎モンキーベイ」としてリニューアルオープン。
- 2023年(令和5年):4月1日、下田市、南伊豆町、松崎町および西伊豆町の1市3町でごみ処理を共同で行うことを目的に「南伊豆地域清掃施設組合」を発足、下田市長が組合管理者をつとめる。
- 2025年(令和7年):6月、南伊豆町が南伊豆地域清掃施設組合からの離脱を表明。組合側は再考を求めたものの翻意には至らず。8月、南伊豆地域清掃施設組合の本年度末での解散を表明。
人口
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南伊豆町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 南伊豆町の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 南伊豆町
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 |
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南伊豆町(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
行政
町長
歴代町長[10]
- 青木力之助:1959.8.24-1963.8.23、1964.8.23-1967.5.31(2期)
- 竹内虎作:1967.6.1-1971.5.31、1971.6.1-1975.1.31(2期)
- 鈴木善長:1975.2.23-1979.2.22、1979.2.23-1983.2.22(2期)
- 菊池利郎:1983.2.23-1987.2.22、1987.2.23-1991.2.22、1991.2.23-1995.2.22、1995.2.23-1999.2.22(4期)
- 岩田篤:1999.2.23-2003.2.22、2003.2.23-2005.4.15(2期)
- 鈴木史鶴哉:2005.5.15-2009.5.14、2009.5.15-2013.5.14(2期)
- 梅本和煕[11]:2013.5.15[12]-2017.5.14(1期)
- 岡部克仁:2017.5.15-2021.5.14、2021.5.15-2025.5.14、2025.5.15-現職
地区
- 南上(みなみかみ)地区 - 旧南上村
- 蛇石(じゃいし) - 旧蛇石村
- 市ノ瀬(いちのせ) - 旧市ノ瀬村
- 青野(あおの) - 旧青野村
- 下小野(しもおの) - 旧下小野村
- 上小野(かみおの) - 旧上小野村
- 毛倉野(けぐらの) - 旧毛倉野村
- 岩殿(いわどの) - 旧岩殿村
- 南中(みなみなか)地区 - 旧南中村
- 一條(いちじょう) - 旧一條村
- 上賀茂(かみがも) - 旧上賀茂村
- 石井(いしい) - 旧石井村
- 下賀茂(しもがも) - 旧下賀茂村
- 加納(かのう) - 加納村
- 二條(にじょう) - 旧二條村
- 竹麻(ちくま)地区 - 旧竹麻村
- 青市(あおいち) - 旧青市村
- 湊(みなと) - 旧湊村
- 手石(ていし) - 旧手石村
- 三浜(みはま)地区 - 旧三浜村
- 伊浜(いはま) - 旧伊浜村・旧天神原新田
- 子浦(こうら) - 旧子浦村
- 妻良(めら) - 旧妻良村
- 三坂(みさか)地区 - 旧三坂村
- 一色(いしき) - 旧一色村
- 蝶ヶ野(ちょうがの) - 旧蝶ヶ野村
- 入間(いるま) - 旧入間村
- 中木(なかぎ)
- 南崎(みなみざき)地区 - 旧南崎村
- 下流(したる) - 旧下流村
- 大瀬(おおせ) - 旧大瀬村
- 石廊崎(いろうざき) - 旧長津呂(ながつろ)村
姉妹都市
交流自治体
- 東京都杉並区 - 後述のとおり、1974年(昭和49年)に杉並区が湊に杉並区立南伊豆養護学園(のちの杉並区立南伊豆健康学園)を設立した縁で、交流が続いている。2012年(平成24年)9月14日には両自治体の間で「災害時相互援助協定」を締結した[13][14]。
産業
- 第一次産業 : 計10.15%
- 農業 : 6.29%
- 林業 : 1.05%
- 漁業 : 2.81%
- 第二次産業 : 計12.87%
- 鉱業 : 0.00%
- 建設業 : 9.01%
- 製造業 : 3.86%
- 第三次産業 : 計76.46%
- 電気・ガス・水道業 : 0.56%
- 運輸・通信業 : 3.10%
- 卸・小売業 : 13.51%
- 金融・保険業 : 1.14%
- 不動産業 : 1.32%
- サービス業 : 52.72%
- 公務 : 4.12%
- 分類不能の産業 : 計0.38%
※データは『令和6年度町勢要覧 資料編』10頁「産業」より
学校
大学の付属機関
高等学校
- 静岡県立下田高等学校南伊豆分校(石井)
中学校
- 南伊豆町立南伊豆中学校(上賀茂)
- 南伊豆町立南伊豆東中学校(湊)
- 両校は2025年度末をもって統合、2026年4月より「南伊豆町立南伊豆中学校」として発足の予定[16]。
小学校
- 南伊豆町立南伊豆東小学校(湊)
- 南伊豆町立南上小学校(下小野)
- 南伊豆町立南中小学校(上賀茂)
閉校
- 南伊豆町立竹麻小学校 (2008年度末で南崎小学校と合併、南伊豆東小学校に)
- 南伊豆町立南崎小学校 (2008年度末で竹麻小学校と合併、南伊豆東小学校に)
- 杉並区立南伊豆健康学園 (2011年度末で閉校)
- 1974年、東京都杉並区が、区立小学校に在籍する病虚弱児童の健康回復と体力増進を図ることを目的に設立した、全寮制の施設。設立当初は「杉並区立南伊豆養護学園」という名称であった。
- 南伊豆町立三浜小学校 (2013年度末で閉校、南中小学校に吸収)
- 横浜港カッターレース実行委員会事務局(一般社団法人横浜港振興協会)主催の横浜港カッターレースにおいて2008年から設けられた小学生の部[17]に、同校の5・6年生から成る「三浜ドルフィンズ」のチーム名で出場[18]。2009年に初出場で優勝[17][18]、翌2010年[17][18]も優勝して連覇を達成、さらに2013年[19]も優勝した[20]。
交通
町内に鉄道路線は通っていない。最寄り駅は、伊豆急行伊豆急行線伊豆急下田駅。
道路
路線バス
- 東海バス
- 南伊豆町自主運行バス
港湾
名所・旧跡・観光スポット



温泉
日帰り温泉
- 下賀茂温泉 銀の湯会館
- 弓ヶ浜温泉 みなと湯
- 休暇村 南伊豆(夏季除く)
神社
- 三島神社 (下小野) - 下小野地区の式内社・旧郷社。
- 八幡神社 - 子浦地区の式内社・旧村社。
- 三島神社 (妻良) - 妻良地区の式内社・旧村社。
- 白鳥神社 - 県指定天然記念物のビャクシン(イブキ)。
- 姫宮神社 - 一色地区の式内社・旧村社。
- 三島神社 (二條) - 二條地区(加納地区北部の飛び地)の式内社・旧村社。県指定天然記念物のクスノキ(夫婦楠)。
- 加畑賀茂神社 - 下賀茂地区の式内社・旧郷社。樹齢1200年のビャクシン(イブキ)。
- 月間神社 - 手石地区の式内社・旧郷社。
- 若宮神社 (湊) - 湊地区の式内社。
- 王子神社 - 大瀬地区の式内社・旧村社。
- 石室神社 - 石廊崎にある式内社。
- 三島神社 (青野) - 青野地区の式内社。
- 三島神社 (入間) - 入間地区の式内社。
青野川周辺
- 下賀茂熱帯植物園
- 青野川ふるさと公園
海水浴場
- 弓ヶ浜海水浴場 - 青野川の河口の東に広がる砂浜で、伊豆を代表する海水浴場[21]。弓ヶ浜海岸は弓なりの白い砂浜が1.2 kmにわたって続く海岸で[22]、伊豆三大海水浴場として、河津町の今井浜[23]、下田市の白浜海岸[24]とともに「伊豆三大海水浴場」と呼ばれている[22]。日本の渚百選[25]、快水浴場百選[25][26]、日本の白砂青松100選に選定されている[27]。環境省による全国の水浴場水質調査の結果、最高ランクの「AA」と判定された海水浴場の中でも「極めて水質の良好な水浴場」に選出されたこともある[28]。2014年より、日本で初めてスプラッシュウォーターパークを導入している[29][30]。近くの青野川の河口にマングローブ(メヒルギ)が植樹されており定着の北限とされる。また近隣には弓ヶ浜温泉がある。
- ヒリゾ浜 - 石廊崎から西方約2 kmに位置する海岸で、陸路はないが、夏季に中木港から渡船が運航される[31]。海水透明度の高さが有名で[32]、多様な魚が観察できることから、シュノーケリング・スクーバダイビングの名所として知られる[31]。2024年(令和6年)時点では、南伊豆町議会の出版物で「町内一の人気スポット」として紹介されている[33]。
- 妻良海水浴場 - 海上アスレチックが設置される岩場の海水浴場。
- 谷川浜 - 前述のヒリゾ浜と同じく陸路がなく、夏季に妻良港から渡船が運航される[34]。ヒリゾ浜とともに、町内の「2大秘境」と評される[21]。
- 子浦海水浴場 - 漁村地帯で入り江にある、波の穏やかな海水浴場。子浦海水浴場は妻良港に面し[35]、五十鈴川の河口にある海岸で「五十鈴浜」と呼ばれる[36]。このことから、海水浴場も「五十鈴浜海水浴場」と呼称される場合がある[37][38]。弓ヶ浜と同様、環境省により「極めて水質の良好な水浴場」に選出されたこともある[28]。
海岸
- タライ岬遊歩道 - 弓ヶ浜からタライ岬を経て下田市に至る遊歩道。
- 大瀬 - 蓑掛岩(みのかけいわ)と呼ばれる巨大な岩が海岸に聳えており、独特の景観を与えている。
- 石廊崎 - 伊豆半島最南端の岬で、先端に石廊埼灯台、その先に石室神社がある。
- 石廊崎の西方に広がる海岸線は「奥石廊崎」(奥石廊)と呼ばれ、ヒリゾ浜のほか愛逢岬(あいあい岬)・奥石廊ユウスゲ公園といった観光地がある。
- 石廊崎オーシャンパーク- 1969年(昭和44年)5月に「石廊崎ジャングルパーク」の名称で開園。長らく町の観光名所のひとつとして知られていたが、2003年(平成15年)9月30日をもって閉園。その後敷地は廃墟と化し、荒廃が進む一方であったが、南伊豆町と同園の経営者との間で進められていた買収交渉が裁判沙汰にまでもつれた末にようやく解決、再整備を経て2019年(平成31年)4月1日に「石廊崎オーシャンパーク」として開園した。
- 大根島 - 奥石廊崎にある無人島で[39]、ヒリゾ浜の対岸に浮かぶ島[40]。
- 伊浜 - マーガレットの生産量が全国の70%を占める。
- 落居 - 沖合い600メートルに宇留井(うるい)島という無人島を擁する。
- 波勝崎 - 南伊豆町の西にある、野生の猿が生息する岬。
- 波勝崎モンキーベイ- 1957年(昭和32年)に「波勝崎苑」の名称で開園。長らく町の観光名所のひとつとして知られていたが、2019年(令和元年)9月、経営難のため休園。2020年(令和2年):5月 、新たな経営陣の下で「波勝崎モンキーベイ」としてリニューアルオープンした。
スキューバダイビング
- 弓ヶ浜マリンセンター
- 海遊社
- 神子元ハンマーズ
- 神子元マリンサービス
- 中木マリンセンター
キャンプ場
- キャンプ山の家
- 南伊豆高原オートキャンプ場 古里
- 南伊豆夕日ヶ丘キャンプ場
- 夕日ヶ丘オートキャンプ場
- 入間キャンプ村
- 石廊崎オートキャンプ場
その他
- 伊豆下田カントリークラブ
祭事・催事
- みなみの桜と菜の花まつり:下賀茂温泉付近の青野川流域に咲く河津桜と菜の花が見頃となる2月上旬~3月上旬にかけて催される。かつては、期間中、広大な菜の花畑の中に組まれた特設ステージで、公募により選ばれた新婚夫妻1組による公開結婚式[41]も催されていた。
- 中木サザエ狩り:中木地区に宿泊した人を対象としたサザエ狩りが毎年GW期間中の1日のみ行われる。
- 長者ケ原つつじまつり:天神原地区に4月下旬~5月上旬にかけてきれいなつつじが咲く。
- 海開き:7月中旬、弓ヶ浜海水浴場と子浦海水浴場の海開きが行われる。
- 南伊豆町太鼓まつり:小稲地区を除いた地区で、毎年11月1・2日に太鼓祭りが行われる。
- 小稲の虎舞:小稲地区において毎年9月中秋の名月の日に行われる祭典。県指定無形民俗文化財。
著名な出身者
- 式守伊之助 (初代) - 大相撲の立行司。
- 外岡茂十郎 - 法学博士。早稲田大学名誉教授。明治前期の家族法に関する研究により日本学士院賞を受賞。同大学野球部部長もつとめるなど、大学野球への貢献が認められ野球殿堂入り。
- 山田幸美 - アナウンサー。テレビユー福島、広島ホームテレビを経て、フリー。
ゆかりのある人物
- 石垣りん - 詩人。父が子浦の出身[42]で、自身も生前たびたび南伊豆を訪れていた[42]。没後、父母の眠る子浦の西林寺に葬られる[42]。2009年、南伊豆町立図書館内に「石垣りん文学記念室」が開設[42]。これに先立ち創設された「石垣りん文学記念基金」に全国から寄せられた多額の募金をもとに開設され、その後の運営費用も、この基金から賄われている[42]。
- 荒川仁人 - 元プロボクサー。祖父が南伊豆町在住[43]で、中学生の時に家族で転居[43]。下田南高校(当時)南伊豆分校在学中は野球部に所属し、ポジションは投手、主将もつとめた[44]。2012年(平成24年)10月、南伊豆町よりスポーツ栄誉賞を受賞[45]。
- 古賀稔彦 - 1992年バルセロナオリンピック柔道男子71kg級金メダリスト。大学の先輩の実家が下流で民宿を営んでおり、夏になるたびに通い続けているうちに南伊豆を気に入り、2017年に移住[46][47]。
伝説
蛇くだり
大昔、子浦港が池だった頃、池の主の大蛇が毎日妻良と子浦の山々の峰と池の淵を回ってこの池を治めていた。ある日いつものように巡回をし子浦の日和山まで来た時、突然、ゴオッーと地響きが轟いたかと思うと、見る見るうちに池の一辺が崩れおち、大蛇は妻良山へ行くことが出来なくなった。仕方なく崩れ落ちたばかりの断崖絶壁を駆け下り妻良山へ登っていった。今も黄褐色の岩肌に大蛇の姿が黒く刻まれており人々はここを蛇下りと呼んでいる。また、ここが崩れたので駿河湾とつながり子浦港ができたという。[48]
妻良・子浦の地名由来
昔々、大国主命が御子事代主命(みこことしろぬしのみこと)ほかの神々を引き具して伊豆七島へ渡る途次、子浦港へ寄航した。碇を下ろし、后と御子が泊まる地を決めようと周囲を眺め、やがて后の大津往命を今の妻良の地に、事代主命の御子伊波久良別命を子浦の地に上陸させた。これから妻良、子浦の地名が生まれた。[48]
南伊豆町を舞台にした作品
文学・記録・漫画
脚注
- ^ “伊豆東海岸都市圏総合都市交通体系調査”. 国土交通省. 2025年1月24日閲覧。
- ^ “平年値ダウンロード”. 気象庁. 2025年1月閲覧。 エラー: 閲覧日は年・月・日のすべてを記入してください。(説明)
- ^ “観測史上1〜10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2025年9月5日閲覧。
- ^ 1955年(昭和30年)7月29日総理府告示第1384号「市町村の廃置分合」
- ^ 南伊豆またも豪雨禍 観光客はかん詰め『朝日新聞』1976年(昭和51年)10月10日朝刊、13版、23面
- ^ “みなみいず町議会だより(平成16年~平成20年) | 南伊豆町ホームページ みなみいず町議会だより18号 2-3ページ”. 2025年9月6日閲覧。
- ^ “会議録(平成21年~平成31年) | 南伊豆町ホームページ 平成21年第4回南伊豆町議会臨時会”. 2025年9月6日閲覧。
- ^ “広報まつざきバックナンバー2009年 | 松崎町 2009年7月号”. 2025年9月6日閲覧。
- ^ a b 『平成29年 広報みなみいず6月号』南伊豆町 企画課、2017年6月1日、2-3頁 。
- ^ 『令和6年度町勢要覧_資料編』南伊豆町 企画課、2024年、33頁 。
- ^ 『平成25年 広報みなみいず5月号』南伊豆町 企画調整課、2013年5月1日、4頁 。
- ^ 『平成25年 広報みなみいず6月号』南伊豆町 企画調整課、2013年6月1日、2頁 。
- ^ “交流自治体 東京都杉並区 | 南伊豆町ホームページ”. 南伊豆町 (2014年12月11日). 2025年10月3日閲覧。
- ^ “南伊豆町(静岡県)|杉並区公式ホームページ”. 杉並区 (2025年5月21日). 2025年10月3日閲覧。
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- ^ a b c “朝日新聞デジタル:カッターレースへ特訓 来春廃校の静岡・三浜小児童 - 教育”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2013年5月9日). 2025年10月3日閲覧。
- ^ a b c 『平成23年 広報みなみいず6月号』南伊豆町 企画調整課、2011年6月1日、12頁 。
- ^ 『平成25年 広報みなみいず7月号』南伊豆町 企画調整課、2013年7月1日、8頁 。
- ^ 『令和元年度町勢要覧_資料編』南伊豆町企画課、2019年、45,48頁 。
- ^ a b 『静岡新聞』2017年4月22日朝刊19頁「魅力あるまちへ 南伊豆町町長選(下)=基幹産業の観光振興―新たな資源 回遊性期待」(静岡新聞社 下田支局・杉山諭)
- ^ a b 『静岡新聞』1991年7月9日朝刊21頁「南伊豆町の弓ケ浜海岸で海開き、20万人突破を期待」(静岡新聞社)
- ^ 『静岡新聞』1991年6月27日朝刊8頁「静岡県内の海水浴場ガイド(東部) 例年100万人―下田白浜」(静岡新聞社)
- ^ 『静岡新聞』1990年7月14日朝刊21頁「今年も白浜海岸に下田警察署の臨時派出所 水難や暴走族を警戒」(静岡新聞社)
- ^ a b 『静岡新聞』2009年4月10日朝刊16頁「空からこんにちは=南伊豆東小界わい―伊豆最南端の景勝地」(静岡新聞社)
- ^ 『静岡新聞』2006年5月11日朝刊25頁「環境省の「快水浴場百選」、御前崎など県内5カ所を選出―県」(静岡新聞社)
- ^ “観光地エリア景観計画 > 弓ヶ浜” (PDF). 南伊豆町. p. 26 (2016年). 2024年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月8日閲覧。
- ^ a b 『毎日新聞』2001年7月7日東京朝刊総合面29頁「全国すべての水浴場、水質クリア――環境省・849カ所調査 「A」ランク以上、昨年度比24カ所増」(毎日新聞東京本社【吉川学】)
- ^ 『伊豆新聞』2014年6月21日下田版1頁「弓ケ浜に国内初のウオーターパーク 今夏、海水浴の目玉―南伊豆」(伊豆新聞本社)
- ^ 弓ヶ浜スプラッシュウォーターパーク
- ^ a b 「南伊豆・ヒリゾ浜で海開き 異例の「梅雨明け後」海開き」『沼津経済新聞』みんなの経済新聞ネットワーク、2022年7月1日。オリジナルの2023年6月18日時点におけるアーカイブ。2023年6月18日閲覧。
- ^ 『伊豆新聞』2011年8月20日下田版1頁「記者コラム=多くの人を惹きつけるヒリゾ」(伊豆新聞本社)
- ^ 議会広報編集委員会(編)「町内一の人気スポット ヒリゾ浜」(PDF)『みなみいず町議会だより』第98号、南伊豆町議会、2024年8月1日、1頁、2024年9月14日閲覧。
- ^ 『伊豆新聞』2016年7月22日下田版1頁「“第2のヒリゾ”谷川浜 高い透明度地元がアピール―南伊豆妻良」(伊豆新聞本社)
- ^ 『ゼンリン住宅地図 南伊豆町』ゼンリン東海、2007年6月、2頁「南伊豆町索引図」
- ^ 『ゼンリン住宅地図 南伊豆町』ゼンリン東海、2023年9月、44頁F-4。
- ^ 『朝日新聞』1994年8月13日東京朝刊第14版東京都心版21頁「遊泳中おぼれ死ぬ」(朝日新聞東京本社) - 縮刷版503頁。
- ^ 『読売新聞』1994年8月14日東京朝刊第12S版静岡讀賣28頁「ニューススポット おぼれて死亡」(読売新聞東京本社)
- ^ 「大根 おおね(静岡県賀茂郡南伊豆町)」『SHIMADAS シマダス[日本の島ガイド]』(新版 第1刷発行)日本離島センター(編集・発行)、2019年10月1日、256-257頁。ISBN 978-4931230385。 NCID BB29198829。国立国会図書館書誌ID: 030081661・全国書誌番号: 23305761。
- ^ 古関千恵子「まるで地中海の秘密のビーチみたい! 南伊豆の美しき至宝「ヒリゾ浜」へ」『文春オンライン』文藝春秋、2015年8月29日、1面。オリジナルの2023年10月16日時点におけるアーカイブ。2023年10月16日閲覧。
- ^ 式にかかる費用は主催者側が全額負担していた。
- ^ a b c d e “「石垣りん文学記念基金」について | 南伊豆町ホームページ”. 2025年8月2日閲覧。
- ^ a b “手軽に”本格旅”楽しめる 八王子から3時間の伊豆 楽しみ方千差万別 | 八王子 | タウンニュース” (2019年11月14日). 2025年8月2日閲覧。
- ^ 「荒川完敗、王座ならず/ボクシング - ボクシングニュース : nikkansports.com」『日刊スポーツ : nikkansports.com』2013年7月29日。2025年8月2日閲覧。
- ^ “南上新聞 平成24(2012)年11月 第8号”. 南伊豆町ホームページ. 2025年8月2日閲覧。
- ^ 「柔道・古賀稔彦さんが移住した静岡・南伊豆町…突然の訃報に悲しみ広がる 町民「1カ月前、この辺を走っていたのに…」」『LOOK 静岡朝日テレビ』2021年3月28日。2025年8月2日閲覧。
- ^ “サンフロント21懇話会 2020.1.18 No.121 9 - 12ページ”. サンフロント21懇話会. 2025年8月2日閲覧。
- ^ a b 南伊豆町誌編さん委員会 (1995). 南伊豆町誌 昭和三十年南伊豆誕生から平成六年度までの四十年史. p. 648
外部リンク
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