主な撮影地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 04:51 UTC 版)
茨城県小美玉市(旧小川高校校舎)、東京都大田区、東京都府中市、横浜市金沢区(横浜・八景島シーパラダイス)、神奈川県鎌倉市(一般住宅 - 泉宅外観)、静岡県駿東郡長泉町(旧長泉高校校舎)、名古屋市西区(円頓寺商店街)、三重県四日市市(海星高校・スーパーマーケット・港湾施設)、京都府綾部市(交流プラザ)、大阪市淀川区(阪急淀川橋梁 - 新一と寄生された母とのバトル現場)、堺市堺区(堺魚市場)、神戸市東灘区(アイランドセンター駅 - 広川剛志演説会場) ロケ地は西日本を中心に全国15府県から選ばれ、前編と完結編の撮影は同時期に行われた。原作が「命」を重要なテーマとして扱っていることから、そうした要素を感じ取れる場所として水族館、動物園、魚市場などがロケ地として選ばれた。撮影は5か月に及んだ。 クランクイン初日は、主人公とヒロインが下校する場面から撮影が開始され、東京都府中市が最初のロケ地となった。劇中で主人公らが初めて他のパラサイトと遭遇することになる中華料理店は、外観を東京都大田区で、内部を撮影スタジオ内に作られたセットで撮影された。主人公の自宅は、外観を神奈川県鎌倉市にあるカフェを兼ねた昭和モダン風の住宅で、内部を複数のスタジオ内のセットで撮影されており、主人公の家族がそれまでどのように住んでいたのかという裏設定を用意した上で間取りや家具の配置が決められた。主要登場人物が通う西高こと「西稜館高等学校」は、茨城県立小川高等学校(閉校)、静岡県立長泉高等学校(閉校)、三重県の海星高等学校の3つの学校で撮影され、劇中において1つの学校のように見えるよう編集された。このうち海星高校のみ撮影時点で存続している学校であり、エキストラには生徒も参加したが、このような廃校となっていない学校で映画の撮影が行われるのは珍しいという。海星高校の所在する四日市市では他にも、映画の冒頭で寄生前のパラサイトたちが海から港へと上陸し、トレーラーなどに侵入して各地へと散っていく場面や、物語中盤で主人公とヒロインがスーパーマーケットで夕食の買い物をする場面が撮影された。 パラサイトが捕食した人間を貪り食う「食堂」となる建物内部や、「田宮良子」が両親を殺害する場となる自宅の撮影は、なかなか撮影許可が下りなかったものの、最終的には建築家の安藤忠雄が手掛けた建築物群を中心に、複数の場所で撮影がなされた。実写映画版においてパラサイト「田宮良子」が主人公を「A」や「島田秀雄」と引き合わせる場となる水族館のロケ地は神奈川県の横浜・八景島シーパラダイスであり、来園者がいない夜間の閉園時間中に慌ただしく撮影された。パラサイトに与する政治家・広川が選挙演説を行う場面は、兵庫県神戸市に所在するアイランドセンター駅にて撮影され、このために約300人のエキストラが集められた。主人公が、母親を乗っ取ったパラサイト「A」との最後の戦いを繰り広げる場面は、大阪府の淀川にかかる阪急電鉄の橋梁下の河川敷であり、頻繁に頭上を電車が行き交う場所で撮影された。 倉森と「田宮良子」の最期の舞台となる動物園は、福岡県北九州市にある到津の森公園で撮影された。動物園での撮影は閑静な裏門近くで行われたため、動物園らしい賑やかさを出すためのセットが飾り付けられたが、そのうち橋の上に描かれた動物の足跡は動物園の要望によってそのまま残された。 広川率いるパラサイトネットワークの本拠地となり、SATとの銃撃戦の舞台となる東福山市役所は、外観を大阪府堺市の堺市役所、会議室を滋賀県彦根市の夏川記念会館で撮影された。いずれも看板や案内板を劇中の地名に書き換えたり、無機質感を意図して内装を模様替えしたりといった手が加えられている。 最大の敵となる「後藤」との決戦の舞台となるごみ焼却施設は、外観を三重県鈴鹿市の鈴鹿市清掃センター、内部をCGで描くことを前提に、グリーンバックのセットで撮影された。劇中では釣り下げられた大型の移動クレーンに飛び乗って戦う描写となっているが、このクレーンは愛知県名古屋市の処理場に所在するクレーンをモデルに、スタッフが鉄やベニヤ板で制作した実物大のセットとなっている。新一役と「後藤」役を演じる役者は転落防止のワイヤーで吊るされ、それぞれ右手を後ろ手に固定して片腕の状態を再現したり、モーションキャプチャー用のスーツや鍵爪状のブーツを着込んだりした状態で、狭い足場で落ちそうになりながらの死闘を演じた。クレーンに挟まっているごみは、古着、肥料、オガクズ、とろろ昆布を混ぜたもので、撮影現場は昆布臭かったという。CGで描かれた背景は「とびきり格好良いごみ処理場」という要望が監督から出されており、煉獄をモチーフに、焼却中のごみが燃えさかる広大な施設として描かれている。 映画の最後で里美を人質に取った浦上と新一が対決する場面は、神奈川県横浜市のマンションの屋上で撮影された。この場面は登場人物が屋上から転落する場面などの一部の例外を除き、敢えてグリーンバックのセットを使わず、役者が命綱をつけながら実際の屋上の縁で撮影するという方針が取られた。登場人物が転落する場面は、スタジオ内の25メートルの高さのクレーンから役者がグリーンバックの背景を背にしてバンジージャンプする要領で撮影された。
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