〔賢人会議(Seer's Guild)〕
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「ウィザーズ・ブレイン」の記事における「〔賢人会議(Seer's Guild)〕」の解説
サクラ … 『もう一人の元型なる悪魔使い』 〔賢人会議〕を名乗り、《マザーコア》の救出に尽力する《魔法士》の少女。エピソードVの主人公にしてヒロインであり、全編を通じてもう1人の主人公とも言える存在。外見年齢は17歳ほど。誕生日は正確には不明だが、終戦前後の時期らしき描写がある。名前の発案者は真昼で、アルフレッド・ウィッテンから設計中の《魔法士》の名付けを頼まれた際「男だったら錬金術の“錬”、女だったら外で桜が咲いているから“桜”」と答え、それを聞いたウィッテンが「女の子で“桜”にしよう」と決めたもの。 《情報制御理論》創始者の一人、アルフレッド・ウィッテンが最後に遺した(と思われる)先天性《魔法士》で、錬と同じく〈悪魔使い〉。そのI-ブレインは真昼の考案したシステムを基に作成され、ウィッテンに「自らの最高傑作」と言わしめたほど。“並列”機能を持たないため錬のように二つ以上の能力を同時使用することはできないが、二つの能力を組み合わせて一つの能力にする“合成”が使える。服の下に大量のナイフを所持しており、主にそれと能力を組み合わせて戦う。錬の戦い方が相手の有利を徹底して潰してくるのに対し、サクラは自分の有利を無理やり相手に押し付ける戦い方をする。彼女の遺伝子は、実は単にアルフレッド・ウィッテンとアリス・リステルの2人の遺伝子を掛け合わせただけのものであり(偶然から真昼に見つかり「設計中の《魔法士》」と誤魔化した)、人工的に合成されて作られた点を除けば、2人の娘と言える存在である。アリスの遺伝子から作られた錬とはある意味姉弟とも言える関係。またヘイズ、ファンメイ達〈龍使い〉もウィッテン製作のため、彼等の妹ととも言える。 尖った印象を与える黒もしくは茶色の瞳、長い黒髪をツインテールにまとめた白人少女。また作者がtwitter内で明かした情報によると「全キャラクター中最も胸がない」との事。普段は全身黒のワンピースに黒い手袋という服装。 性格はツンデレ系。普段は無骨で冷静な口調だが熱くなりやすく、他人を頼らず何でも一人で背負い込む傾向があり、不器用な性格で人付き合いも苦手だが、根は優しく、助け出した子供たちには慕われている。しかし当初は人として幼く浅慮だったため、目上や年上の人物への礼儀が出来ていない、相手の思惑を図れず建前を信じ自分たちが利用されていることに気づかない、自身の意に沿わなければ碌に話を聞かないまま会話を打ち切ろうとしたり反発したり癇癪を起こしたりするなど、組織のリーダーに相応しい性格とは言えなかったが、真昼の忠告の下、他の人達と関わり組織の代表として振る舞う内に、だんだんとリーダーとしての風格や礼節、責任感を身につけてきている。 生まれて数ヶ月間ウィッテン共に生活していたが、その後カール・アンダーソンへ預けられ彼の“娘”としてシティ・メルボルン跡地で育った。当初は単なる便利屋として活動しており、偶然から《マザーコア》の少女と友人になるが、彼女が《マザーシステム》に組み込まれるのを防げず、止むを得ず見捨てて逃亡した過去を持つ。そのときの後悔から、《魔法士》を道具扱いするシティと《魔法士》の犠牲の下で生きる普通の人間を敵視するようになり、自ら〔賢人会議〕を名乗り、《マザーコア》に関する機密データを他の便利屋に盗ませたり、不本意にシティや軍の支配下に置かれている《魔法士》を解放したりしていた。カールが手配した《魔法士》たちが彼女の活動を手伝うこともあったようだが、基本的に1人で活動していた。 モスクワ軍のメルボルン侵攻に際し、シティから救出し匿っていた《マザーコア》たちを余所の地へ逃がすべく、協力者を求めカールを介して真昼と月夜に出会い、匿われた《マザーコア》と〔賢人会議〕を追ってメルボルンへ来た幻影No.17(イル)と激闘を繰り広げる。イルとの戦いの最中、自身の偽善を指摘されて一度は心折れ、真昼にもそれを見透かされるが、真昼の指摘で迷いを払拭、全世界を敵に回しても己の信念を貫くと覚悟を決め、再戦時にはイルをも畏怖させた。そしてテロリスト〔賢人会議〕として、真昼とディー、セラを従え、本格的に全世界へ宣戦布告する(エピソードV)。 その「少数でも愛すべき大切な人を守る為なら、他の罪もないシティにいる大勢の人の命すら厭わない」という、矛盾や独善に満ちた反社会的行為を行う姿勢や、「《魔法士》さえよければ人間はどうなろうと知ったことではない」という発言(エピソードVII〈中〉より)に対して、読者からは数多くの支持と批判が同時に寄せられた(ただ上記の行動や言動は〔賢人会議〕の代表というテロリストとしてのスタンスからくる発言でもあり、彼女自身も“実父”アルフレッド・ウィッテンや“養父”カール・アンダーソン、そして〔賢人会議〕参謀の天樹真昼と言ったI-ブレインを持たない人物を大事に思っており、実際に人間やシティにいる人達のことを全く考慮していない訳ではない)。 ただし「シティ2億人の命を守る。そのためなら少数を切り捨てることは厭わない」という全く逆の姿勢・立場にいながら、自身に勝るとも劣らない強い信念を持つ幻影No.17(イル)には心から尊敬の念を抱いている。またどちらか一方につかず、状況に流されているだけの錬の姿勢をコウモリと揶揄したりもした。 出会った当初は天樹真昼を「《魔法士》ではない普通の人間」という理由で拒絶していたが、成り行きで不本意ながら行動を共にするうち、その優れた才能を認め信頼を寄せるようになる。しかし真昼のからかうような能天気な態度と、痛いところを突いてくる鋭い言動、時折見せる優しさに、掴みどころのなさを感じて戸惑い、素直になれず、苛立ちをぶつけることもあった。しかしシンガポールの事件にて真昼の遺体を前に激しく慟哭し、彼への想いが恋であったことを自覚する(エピソードVIII)。 2199年2月に「全ての《魔法士》の原型」アリス・リステルの存在が全世界へ知られた(エピソードVII)ことを受け、2199年9月にアリスの遺伝子を受け継いだ“娘”であることを全世界へ向けて公言しており(エピソードIX)、かつて弾圧を受けた《魔法士》の始祖の正当な後継者と認識され《魔法士》通常人を問わず大きな影響力を持つようになった。 作者によると『天樹錬の裏キャラ』であり、エピソードI執筆中におぼろげに考えていた「錬がフィアを守れなかった可能性」を基に誕生したキャラクターとのこと。 天樹 真昼(あまぎ まひる) … 『異能ならざる双子』 #シティ・神戸(及び近郊の町)参照。 デュアルNo.33(ディー) … 『双剣』 #シティ・マサチューセッツ参照。 セレスティ・E・クライン(セラ) … 『光使い』 #シティ・マサチューセッツ参照。
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