《魔法士》
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「ウィザーズ・ブレイン」の記事における「《魔法士》」の解説
《魔法士》とは、脳内に“I-ブレイン”を保有し、《情報制御理論》に基づいて《情報の海》に干渉し《魔法》を行使出来る者を指す。正式名称はウィッテン・ザイン型《情報制御》能力者。I-ブレインの性能にもよるが、1人の《魔法士》がI-ブレインを持たない一般兵の数十人から数千人にも匹敵する、貴重で脅威的な戦力である。 《魔法士》たちが使う《魔法》には、“炎や氷の矢を投げつける”“常人をはるかに上回る身体能力を発揮する”“物質が生き物のように動き回り襲いかかる”などがあり多種多様である。ただし、《魔法士》の《情報制御》は電磁場の乱れに極端に弱いため、対《魔法士》用兵器であるノイズメイカーを使用することで《魔法》の発動を阻害できる。 1人の《魔法士》が使える《魔法》は、その《魔法士》が持つI-ブレインに左右される。I-ブレインは原則として“特定の物理法則(物理定数)のみを書き換える”ため、I-ブレインが“どの物理定数を書き換えるか”によって使える《魔法》は限られており、本質的に“決まった系統の《魔法》しか使えない”うえに、これを後天的に変更することはできない。すなわち、“炎や氷を生み出す《魔法士》”は超人的な身体能力を発揮したり物体を生き物のように操ったりはできず、“超人的な身体能力を発揮する《魔法士》”は炎や氷を生み出したり物体を生き物のように操ったりはできず、“物体を生き物のように操る《魔法士》”は超人的な身体能力を発揮したり炎や氷を生み出したりはできない。唯一の例外は、あらゆる物理法則(物理定数)を書き換えることが可能なI-ブレインの持ち主だが、彼らのI-ブレインにも限界があり、全ての《魔法》を無条件に使えるわけではない。また重力制御のように、異なる系統の《魔法》ながら(原理は異なるが)同等の効果を持つ場合もある。 なお同じタイプのI-ブレインでも(生体コンピュータであり成長を偶然に頼る部分も多いため)個々の性能には差があり、そのため《魔法士》は性能によってランク分けされている。最高ランクの《魔法士》は第一級(ランク1、カテゴリーA、A級)と呼ばれ、以下第二級(ランク2、カテゴリーB、B級)、第三級(ランク3、カテゴリーC、C級)の存在が確認できる。ランクによる性能差は著しく、基本的にB級《魔法士》がA級《魔法士》に勝利することは難しい。しかし、《魔法士》同士の戦闘は性能の優劣よりも経験・戦略・ブラフ・相性が物を言う場合が多く、戦闘経験豊富なA級《魔法士》一人で数人のA級《魔法士》を相手にしたり、B級《魔法士》がA級《魔法士》と一対一で対抗することも可能。 使える《魔法》の系統が決まっているため、《魔法士》はいくつかのタイプに分かれている。主なタイプは、それぞれ〈炎使い〉〈騎士〉〈人形使い〉と呼ばれる3種で、作成もこの3種が多く、大戦前には数千人単位で、2198年現在でも大戦後に作成された《魔法士》を含めて数百人程度が存在するとされる。また、この3種以外の特殊な《魔法》系統が使える「規格外」の《魔法士》も存在しているが、その数は系統ごとに1人から数人程度と、ごく少数である。ただし、作中で「規格外」とされる《魔法士》の多くは“意図的に作られたものの、様々な理由で稀少な存在のため「規格外」とされている”だけであり(〈悪魔使い〉や〈龍使い〉や〈光使い〉、未登場の電磁場制御能力者など)、“意図せず偶発的に誕生した、真の意味で「規格外」”の《魔法士》は、ヴァーミリオン・CD・ヘイズとウィザーズ・ブレイン・ファクトリー出身者のみと言える。 《魔法士》のタイプによっては、その特性を最大限に生かすため、特性に応じた外部の補助デバイスを用いる。〈騎士〉の騎士剣、〈人形使い〉の特殊金属メルクリウス、〈龍使い〉の黒の水、〈光使い〉のD3などである。 彼らの使う《魔法》の正体は、I-ブレイン内で動作する《情報制御》を行なうコンピュータ・プログラム(=アプリケーション、ソフトウェア)である。I-ブレインの構造により最適なプログラムが異なるうえ、《魔法》を保存するにも動作させるにも膨大なI-ブレインの容量が必要なため、原則として複数の《魔法》を同時には使用できない。複数の《魔法》を保存し動作させようとしてもI-ブレインの容量が追いつかず、無理に動作させても実用に耐えない中途半端な性能の《魔法》になってしまう。なお《魔法》はコンピュータ・プログラムであるという性質から、後天的なアップデートやコピーも(理論上は)可能。〈悪魔使い〉は《基礎領域》を持たないことで、通常の《魔法士》の数倍以上のI-ブレインの容量を確保している。しかし使える《魔法》は簡単にいうと劣化コピーであり、あくまでも“仮想的に動かす”エミュレーションであるため、その《魔法》系統に特化したA級《魔法士》に比べると個々の精度や威力は劣る。ただしそれを上回る選択肢の多さから、戦術の組み立てかた次第で相手を凌駕することもでき、決して総合的に劣る訳ではない。 元々は、大戦前のシティのエネルギー源である太陽光と核融合のうち、核融合の燃料資源の枯渇に伴い、《情報制御》によってエネルギー問題を解決すべく西暦2183年に実用化された技術である。西暦2180年代後半には様々なタイプの《魔法士》の研究がされたが、エネルギー問題の解決を見る前に第三次世界大戦が勃発し、《魔法士》研究は軍事目的へと傾倒していった。 以下では各規格について紹介する。なお、物語は「規格外の《魔法士》」を中心に展開されている。
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