全角と半角 用途

全角と半角

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/08/26 12:13 UTC 版)

用途

半角と全角を区別して表示する場合

等幅フォントを用いるコンピュータ環境では、JIS X 0201に規定される文字は半角形、JIS X 0208のそれは全角形で表示、印字されることが多い。一般消費者向けワードプロセッサ電光掲示板などでは、文字の桁位置を合わせたり文字を強調したりするために文字幅の違いを利用するといった用法が見られる。また、日本の新聞社や通信社は記事を電子媒体で配信する場合、字数計算を容易にするため英数字にも全角形を用いることが多い。JIS X 0201に規定する文字以外にも半角形の漢字や記号を実装しているコンピュータシステムもある。「TSP100」や「PC-POS」などのレシート用プリンタが使用可能なキャッシュレジスターには、半角形のなどの文字を半角漢字として実装しているものがある。

印刷校正記号を定めたJIS Z 8208では、校正時に文字の印字の際の幅の区別を指摘、修正するための記号が規定されており、それぞれ「半角」、「全角」、「欧文」で指示するように規定されている。JIS Z 8208:2007の付属書B(参考)では、プロポーショナル文字で表記された日本語中の括弧およびカンマを全角で、アラビア数字を半角で、英語をプロポーショナル文字で変更する指示の校正例が掲載されている[7]

公文書でも、JIS X 0201とJIS X 0208の区分けを意図して「全角文字」「半角文字」の語が使用されることがある。総務省告示電波の利用状況の調査等に関する省令第9条の規定による電磁的方法により記録及び提出することができる書類並びにその記録及び提出の方法」[8]においては別表第1号「半角文字の定義」にある文字 (JIS X 0201からオーバーラインをチルダに置き換えた文字コードの文字)を半角文字、別表第2号「全角文字の定義」にJIS X 0208付属書3表1「図形文字符号表」の文字を全角文字と定義している。

字形の違いがある文字

ひとつの符号系に幅が異なる2つの文字がある場合、通常はどちらで表記した場合でも字形に大きな違いがない。一部の文字では文字幅によって異なる字形が示される場合もある。

文字 半角 全角
日本語チルダ ~
日本語コンマ ,
日本語ピリオド .

日本語向けのフォントでは、チルダの字形は曲線を字面の上部に置く実装が多いのに対して、全角形の場合は中央に配置することが多い。そのため、ときに波ダッシュと混同される(チルダも参照)。また、ピリオドコンマの字形は点を字面の下側に配置する実装が多いのに対して、全角形の場合は字面の左下に配置することが多い。JIS X 0201およびJIS X 0208の例示字形ではそのように表されている。

問題点

印刷物の組版では、文字の実際の字取りは全角と半角に区分できるものではない。約物の字取りは前後の文脈によって変わりうるし、欧文の文字は幅が不定である。ある文字がどれだけの幅を占めるかは組版規則によって決まる。そのため、印刷所への電子入稿やDTPソフトウェアへの入力などの際には、原稿データ中で同じ文字は同じ符号で表されているほうが都合がよい。ところが2つの符号で表しうる文字があり、両者が混在するために、正規化の前処理が必要になるといった問題も起きている[9]

携帯電話

日本の携帯電話端末のうち、多くのフィーチャーフォンの画面における文字表示は、ほとんど等幅で、「全角=正方形の幅」か「半角=正方形を半分に割った幅」での表示となる。記号(一部を除く)、カタカナラテン文字アラビア数字は全角、半角両方の表示が可能である。ギリシャ文字キリル文字は全角しかなく、ウェブブラウザ上でもこれらの文字はすべて全角(2バイト文字)で表示される。




  1. ^ 藤森善貢 『編集出版技術』上巻、日本エディタースクール出版部、1978年、第2版、pp.192ff。
  2. ^ たとえば次を参照。富士通 (2000年). “OASYS LX-C700 機能仕様/機器仕様”. 2008年9月7日閲覧。 日本電気 (2001年). “文豪カラー JX5500BCの主な仕様”. 2008年9月7日閲覧。
  3. ^ JIS Z 8208 『印刷校正記号』 日本規格協会、2007年、4.3 修正の指示及び組版指定に用いる記号 表2。
  4. ^ JIS X 4051:2004 『日本語文書の組版方法』 日本規格協会、2004年、3. 定義 (b) この規格で定義する用語 (pp.6, 8)。なおこの定義は第1次規格のJIS X 4051-1995『日本語文書の行組版方法』でも同様。
  5. ^ JIS X 0191-1986 『日本語ワードプロセッサ用語』 日本規格協会、1986年、3. 意味 (1) 一般 (p.2)。
  6. ^ 竹村真一 『明朝体の歴史』 思文閣出版、1986年7月、p.77。ISBN 4-7842-0447-4
  7. ^ JIS Z 8208 『印刷校正記号』 日本規格協会、2007年、付属書B(参考)横組の校正刷への校正記号の記入例。
  8. ^ 平成14年総務省告示第605号(総務省電波利用ホームページ 総務省電波関係法令集)
  9. ^ このような状況がうかがえる主張として例えば次の小文を参照。長久雅行 「本文組版は誰がするのか?(「Part 1 明解日本語文字組版」中のコラム)」『明解 クリエイターのための印刷ガイドブック DTP実践編』 鈴木一誌、前田年昭、向井裕一、玄光社〈コマーシャル・フォト・シリーズ〉、1999年9月、p.19。ISBN 4-7683-0104-5
  10. ^ JIS X 0208:1997 『7ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化漢字集合』 日本規格協会、1997年、解説2.2.3(p.378)。「符号化文字集合規格としては, ISO 646との整合性を保つため, ISO 646で規定する図形文字については, 符号位置を変更してはならなかったはずである。〔中略〕この点では, この規格で規定する符号化文字集合の非漢字部分は, 第1次規格〔JIS C 6226-1978〕以来, 本来の意図とは異なっており, 国際規格と整合的ではない。」(句読点は原文のまま)
  11. ^ UI-OSF-USLP共同技術資料『日本語EUCの定義と解説』(Unapproved Draft 1.7)、1991年12月10日、2. 日本語EUCの定義(p.1)。
  12. ^ JIS X 0208:1997 『7ビット及び8ビットの2バイト情報交換用符号化漢字集合』 日本規格協会、1997年、本体7.2および7.3(pp.23, 24)、および解説3.8.2 (p.392)。
  13. ^ 社団法人電波産業会 (2009年3月14日). “デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式標準規格ARIB STD-B24 5.1版(第一分冊) (PDF)”. 2009年7月25日閲覧。
  14. ^ Asmus Freytag (2006年9月15日). “Unicode Standard Annex #11: East Asian Width (5.0.0)”. 2008年1月1日閲覧。






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