ずさん
「ずさん」とは、いい加減で誤りが多いことを意味する表現である。
「ずさん」とは・「ずさん」の意味
「ずさん」とは、詩や文に出典のはっきりしない内容を書くことや、その詩文を指す。物事がいい加減で誤りが多いことも意味する。名詞だけでなく、形容動詞としても使える。「ずさん」は「野客叢書」に漢文で書かれた、宋の詩人杜黙(ともく)のエピソードに基づく故事成語である。「ずざん」という読み方もある。「ずさん」の語源・由来
「ずさん」は漢字では杜撰と書く。杜は杜黙のことだ。撰は、詩文を作ることである。「ずさん」は、杜黙の作る詩文が定型詩の規則にほとんど合致していなかったことに由来する。「ずさん」の熟語・言い回し
「ずさん」の熟語・言い回しには次のようなものがある。ずさんなとは
ずさんなは「ずさん」の形容動詞としての使い方である。活用の連体形で、あとにつく体言を修飾する。
ずさんな人とは
ずさんな人は、ずさんなと名詞の人から成る。人は「ひと」と読み、学名をホモ‐サピエンスとする人間や人類の意味である。ずさんな人の意味は物事のやり方がいい加減で、誤りの多い人間となる。
杜撰な仕事とは
杜撰な仕事は杜撰なと、仕事から成る。仕事は何かを作り出したり、成し遂げたりするための行動などを意味する名詞である。全体の意味は、やり方がいい加減で誤りの多い、何かを作り出したりなどをするための行動となる。
杜撰な対応とは
杜撰な対応は杜撰なと、名詞の対応から成る。この場合の対応の意味は、周囲の状況などに合わせて何かを行うことである。杜撰な対応は、やり方がいい加減で誤りの多い、周囲の状況などに合わせた行動となる。
ずさんさとは
ずさんさは、形容動詞の「ずさん」から派生した名詞である。活用の終止形「ずさんだ」が、~の状態であることなどの意味の接尾語「さ」によって体言化した。ずさんさは手抜きや抜かりが多い様子や、その度合いを示す。
管理がずさんとは
管理がずさんは管理と格助詞の「が」、ずさんから成る。名詞の管理の意味は、一定の基準などから外れないように全体を統制することなどである。「が」は動作や存在、状況の主体を表す。この場合の主体は管理だ。意味は一定の基準などから外れないための全体の統制がいい加減で、誤りが多いとなる。
「ずさん」の使い方・例文
「ずさん」の使い方には、「世の中には自分がずさんな仕事をしていることに気づかない人もいる」や、「ずさんな行動の結果は、自分に返ってくるだけでなく人にも迷惑をかける」がある。「彼の仕事は早いがずさんだ」、「屋根の修理をしてもずさんだと雨漏りがして、やり直しになる」などが「ずさん」の使い方だ。「兄は確定申告のためにレシートを保管して月ごとに計算していたが、ずさんだったために修正申告となった」、「ずさんな人だと聞いてはいたが、これほどだとは思わなかった」という言い方もできる。「核廃棄物の管理が、ずさんで放射能漏れを起こした事件があった」、「職印の管理がずさんだったために長年にわたって横領が発覚しなかった」も「ずさん」の使い方である。「インターネットの記事にはずさんなものも多い」、「参考にした資料がずさんだったために書いた記事が不採用になった」、「子供が3人もいれば家事が多少ずさんになっても仕方がない」、「切り方がずさんだったために、沢庵がつながっていた」なども「ずさん」の使い方である。
「3番窓口の担当者は、ずさんなので他の窓口を利用した」や、「ずさんな縫い方のために、弟の作ったバッグは教科書を入れるとすぐに縫い目がほころびた」などの例文もある。「戸締りがずさんだったとしても勝手に人の家に入るのは犯罪だ」や、「登山計画がずさんだったために遭難して救助要請をした」のような言い方もできる。
杜撰
杜撰とは、杜撰の意味
杜撰とは、物事の行い方がいい加減だという意味のこと。書物などに誤りが多いという意味でも使われる。杜撰の語源は、「杜」が中国王朝の宋の時代にいた杜黙という詩人、「撰」が詩を作ること。杜黙が作る詩には、格式に合わないものが多かったという故事を由来にしている。英語では、不注意を表す careless やだらしなさを表す sloppy という形容詞が用いられる。杜撰の類語、対義語
杜撰の類語は、秩序が乱れていることを表す「乱雑」や、適当に物事を行うことを表す「ぞんざい」が挙げられる。ほかに、適切な状態という良い意味の方でなく、いい加減を表す「適当」という熟語がある。杜撰の対義語は、細かいところに気を配ることを表す「丁寧」や、細部まで手の込んでいることを表す「緻密」が挙げられる。
杜撰の例文、使い方
杜撰は、仕事や計画の進め方や状態に問題がある場合に、良くない意味で使われる。本来は手を抜いたやり方をしていることに使われるので、物事への使い方に限定される言葉である。人の性格などの人間性に関して使うのは適切ではない。そのため、杜撰なことをする人に言われがちな、「あの人は杜撰な性格だね」という使い方は本来は正しくない。物事の状態に関する例文は「あの工事業者は仕事が杜撰だから、任せるのをやめよう」、物事の進め方に関する例文は「旅行の計画が杜撰だと、旅先に行ってから困ることになる」などが挙げられる。ず‐さん〔ヅ‐〕【×杜×撰】
杜撰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/28 20:31 UTC 版)
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杜撰 | |
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プロフィール | |
出生: | 1984年9月22日(38歳) |
出身地: |
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職業: | 作家 |
各種表記 | |
繁体字: | 杜撰 |
簡体字: | 杜撰 |
拼音: | Dùzhuàn |
和名表記: | ずさん |
発音転記: | ドゥーヂュアン |
杜撰(ずさん、1984年9月22日 - )は、中華人民共和国の推理作家。
2007年、四川師範大学卒業。2008年、雑誌『歳月・推理』の編集者となった。影響を受けた作家はエラリー・クイーン、ジョン・ディクスン・カー、横溝正史、島田荘司だという[1]。
中国の推理小説誌『歳月・推理』や『推理世界』に掲載した作品を集めた短編集が3冊刊行されている。そのうち、1冊目の『純属杜撰』はのちに台湾でも刊行された。
主な作品
短編集
- 纯属杜撰 - 内蒙古人民出版社、2008年 ISBN 9787204093359
- 画鬼
- 作家不见了(作家不見了)
- 摩天轮里的秘密(摩天輪里的秘密)
- 食脑妖怪(食脳妖怪)
- 古墓谋杀案(古墓謀殺案)
- 阴差阳错(陰差陽錯)
- 从天而降的尸体(従天而降的屍体)
- 文字游戏(文字游戯)
- 第五元素 - 北京出版社、2009年 ISBN 9787200073515
- 吸血鬼的杀人
- 三把钥匙
- 阁楼奇谈
- 杀人游戏
- 蠾女奇谈
- 幻影之屋
- 红色巨人
- 好奇害死猫
- 纯属杜撰Ⅱ - 北京出版社、2009年 ISBN 9787200073508
- 怨灵
- 一块碎瓷片
- 六尊福尔摩斯半身像
- 美人鱼之恋
- 父亲的宝藏
- 跳舞的小丑
- 致命的邂逅
- 悲剧的稻草人
脚注
- ^ 『純属杜撰Ⅱ』著者紹介参照
外部リンク
- 杜撰_新浪博客 at the Wayback Machine (archived 2018-10-17) - 本人のブログ
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