誘導放射能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/02/19 11:52 UTC 版)
誘導放射能(ゆうどうほうしゃのう、induced radioactivity)とは物質に加速器や原子炉などによって放射線を照射したときに放射化によって生じる放射能のことである[1]
誘導放射能の生成率
以下では原子炉や加速器によって、一定の放射線を物質に照射し続けた場合どの程度の誘導放射能が生じるかについて述べる。照射対象の物質の単位体積あたりにM個の原子数を持つ同位体があり、崩壊定数λの放射性同位体が生成される反応断面積をσ、照射される放射線の流束をφ、単位体積あたりにおいて生成された放射性同位体の原子数をNとすれば、微小時間dt内に生成される放射性同位体数は
であるが、生成された瞬間から放射性崩壊により壊変し続けるため、それを計算にいれれば、生成率dNは
で与えられる。T時間照射したときの放射性同位体の原子数は
であり、照射を停止した瞬間の放射能は
である。ここでσφMは無限時間照射を行った場合の放射能で飽和強度といい、(1-e-λt)を飽和因子という。
参考文献
- ^ 小田稔・上村洸・野田春彦・山口嘉夫編、『理化学英和辞典』、研究社、1998年、項目「induced radioactivity」より。ISBN 978-4-7674-3456-8 C3582
- 物理学辞典編集委員会 編『物理学辞典三訂版』、培風館、2005年、項目「誘導放射能」より。ISBN 4-563-02094-X
関連項目
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誘導放射能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 16:44 UTC 版)
強力な放射線を浴びると、物質は放射化し放射能を帯びる(誘導放射能)。これにより、食品への放射線照射で食品が放射化してしまうことを危惧する意見が上がることがある。 しかしながら、食品への放射線照射を規定しているコーデックス規格での放射線の上限強度はガンマ線とX線が5MeV、電子線が10MeVであり、この程度の放射線強度での短時間照射による放射化は測定できないほどに小さいことが分かっている。
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