誘導放出・自然放出・吸光
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/11 02:00 UTC 版)
「誘導放出」の記事における「誘導放出・自然放出・吸光」の解説
誘導放出が起こるには外界の電磁場との相互作用が必要となる点で、自然放出とは区別される。 また、よく似た現象として吸光現象があるが、こちらは誘導放出の逆過程で、吸収された光子のエネルギーは、電子を低いエネルギー準位からより高いエネルギー準位へ励起するのに使われる点で異なる。熱平衡状態にある媒質では、低いエネルギー準位にいる電子が高いエネルギー準位にいる電子より数多く存在するために、誘導放出より吸光のほうが起こりやすい。誘導放出を吸光過程より優位に起こすためには、高いエネルギー準位にいる電子を低いエネルギー準位にいる電子より多く分布させる(反転分布)必要があり、そのときに限り誘導放出を利用して光を増幅させることが可能となる。そのような媒質をレーザー媒質などと呼ぶ。 誘導放出現象は、アルベルト・アインシュタインによって、量子力学の枠組みの中から理論的に発見された。量子力学において誘導放出は光子のやりとり、つまり量子化された電磁場によって記述される。
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