誘導方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 00:26 UTC 版)
Hs 293やフリッツXはオペレータが無線を介して目視で進路を修正する目視誘導だった。ASM-N-2はTV誘導、レーダー誘導、目視誘導などが試されたがほとんどが失敗し、鳩に誘導させる案もあった(プロジェクト鳩)。最終的にレーダーによる自動追尾システムの開発に成功した。 現代の誘導方法にはCCDカメラによるTV誘導、赤外線画像誘導、レーザー誘導などがあり、1990年頃まではレーザー誘導が主流であったが、現在では GPS/INS誘導が主流となってきている。これは、現在までの誘導方式は天候や電波妨害などに影響を受ける可能性があったのに対して、GPS/INS誘導は天候にも左右されず、INSは電波を使用しないためジャミングを受けても問題ないためである。その他の大きな利点としては、外部からの誘導が必要ないということが挙げられる。レーザー誘導は着弾するまで地上部隊や航空機からのレーザー照射が必要で、その間はレーザー照射部隊が脆弱となり、攻撃を加えられる危険性があったが、GPS/INS誘導は投下後に外部からの誘導が不要で、爆弾を投下した航空機はすぐに空域から離脱し生存率を高めることができ、B-2などの爆撃機でも使用可能である。また、レーザー誘導爆弾に比べ安価という利点も挙げられる。 GPS/INS誘導爆弾がレーザー誘導爆弾に比べ劣る点は命中精度が悪いことである。レーザー誘導爆弾で一般的な命中率を持つペイブウェイIIのCEP(半数必中界)が数mであるのに対して、GPS/INS誘導爆弾であるJDAMのCEPは、GPS/INS併用時では13m、INSのみの場合では30mとなっている。ただし、通常の攻撃では過度な命中精度を要求する場合は少なく、それほどの欠点とはいえない。 GPS誘導方式のもう一つの短所として、爆弾投下前にあらかじめ目標の正確な座標を爆弾(正確にはその誘導部)にセットする必要がある、という点が挙げられる。座標の数値を誤って入力したり、あるいは数値の算出そのものを誤ると、爆弾は全く別の場所に「正確に」誘導されてしまう。実例として、2001年12月5日には、アメリカのアフガニスタン侵攻作戦において、特殊部隊が誤って自分の所在地のGPS座標値を上空の近接航空支援機に送信してしまい、自らの頭上にJDAMが投下されるという事故が発生した。コソボ紛争における中国大使館誤爆事件も、この座標算出を誤ったために起きたと言われている。また、移動目標の攻撃にも不適である。 近接航空支援にGPS誘導爆弾を使用する場合、地上部隊が目標の座標を正確に投下機に伝える必要があるため、前進観測員の役割が今まで以上に重要になる。 他の誘導方式として、イ号一型丙自動追尾誘導弾は艦砲の衝撃波によって生じる音をマイクロフォンで捉えて進入方向を決定する『衝撃感応式』が採用されていた。実験のみで終了したが、電子装置が未発達な時代としては珍しく撃ちっぱなし能力を有する予定だった。
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誘導方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 21:25 UTC 版)
詳細は「レーザー誘導」を参照 レーザー誘導爆弾の構造は、弾体に加え、レーザー反射光を受光するシーカー部、誘導動作を行う操舵翼がある。レーザー目標指示装置から標的に対して照射されたレーザー光が反射した光束を誘導装置の検出部が捕捉して操舵翼を動かす。 GPS/INS誘導爆弾と比較してレーザー誘導爆弾の方が命中精度が高く、レーザー誘導爆弾で一般的な命中率を持つペイブウェイIIのCEP(半数必中界)が数mであるのに対して、GPS/INS誘導爆弾であるJDAMのCEPは、GPS/INS併用時では13m、INSのみの場合では30mとなっている。 GPS誘導方式では爆弾投下前にあらかじめ目標の正確な座標を爆弾(正確にはその誘導部)にセットする必要があるものの、爆弾投下後、直ちに離脱することができる。レーザー誘導爆弾では、投下後命中するまで目標を観測し、レーザー光を照射し続けなければならない。レーザー照射機は必須であり、投下母機に照射機がない場合は、他機等から照射支援が必要である。湾岸戦争時のイギリス空軍のトーネード IDSは、照射機を搭載していなかったため、ブラックバーン バッカニアに搭載したレーザー照射機による誘導照準の支援を受けた。 また、霧や豪雨などの天候、視界不良によっても制限される。
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