画像誘導
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/30 14:35 UTC 版)
ミサイル先端に搭載したTVシーカーを経由して目標を追尾する。いわゆるTVMの画像版である。こちらも高価な誘導装置を使い捨てにしないという意図で開発されたが、画像シーカーは視界が狭く中間誘導が技術的に困難で、ミサイル価格は別として母体の値段が高くなってしまうという問題を抱えている。手動で制御するため、射手の技量に依存し、高速で移動する標的への誘導は困難で比較的低速で移動する艦艇や戦闘車両、地上施設等を標的とする。霧や煙幕などで視界が遮られている場合には使用できない。 第二次世界大戦中にドイツの開発したHs 293 Dが実戦で戦果を挙げた最初の画像誘導弾であるとされる。その後、各国で開発が進められた。命中するまで常時手動で追尾し続けなければならないため「撃ち放し」が出来ない。ドイツのポリフェム・ミサイルでは高価な誘導装置を使い捨てにしないようにミサイルには観測装置のみを搭載し、発射母機に搭載された自動誘導装置と光ファイバーを通じて観測情報と操縦情報をやりとりする指令誘導で目標へ誘導する方式が採用されていたが、計画は2003年にキャンセルされている。同様のシステムにセルビアが2009年度の実用化を目指しているALASミサイルが挙げられる。 陸上自衛隊の装備する96式多目的誘導弾システムでは、光ファイバーを利用した有線通信により飛翔体と地上装置間のデータ通信を行っており、誘導手は、飛翔体のシーカが捉えた赤外線映像をリアルタイムに確認しながら誘導を行うことができる。
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