コンプトン‐こうか〔‐カウクワ〕【コンプトン効果】
コンプトン効果
コンプトン効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/24 17:50 UTC 版)
コンプトン効果(コンプトンこうか、英: Compton effect)とは、X線を物体に照射したとき、散乱X線の波長が入射X線の波長より長くなる現象である。これは電子によるX線の非弾性散乱によって起こる現象であり、X線(電磁波)が粒子性をもつこと、つまり光子として振る舞うことを示す。また、コンプトン効果の生じる散乱をコンプトン散乱(コンプトンさんらん、英: Compton scattering)と呼ぶ。
- 1 コンプトン効果とは
- 2 コンプトン効果の概要
- 3 コンプトンプロファイル
- 4 逆コンプトン散乱
- 5 外部リンク
コンプトン効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 11:02 UTC 版)
「アーサー・コンプトン」の記事における「コンプトン効果」の解説
詳細は「コンプトン効果」を参照 アメリカに戻ると、1920年にセントルイス・ワシントン大学の物理学のWayman Crow教授職および物理学科長に任命された。1922年、自由電子により散乱されたX線量子がより長い波長を持ち、プランクの関係式に従うと入射X線よりもエネルギーが少なく、余ったエネルギーが電子に伝達されることを発見した。「コンプトン効果」もしくは「コンプトン散乱」として知られるこの発見は、電磁放射の粒子としての概念を実証した。 1923年、Physical Reviewで粒子のような運動量を光子に帰すことによりX線シフトを説明する論文を発表した。これはアインシュタインが1905年のノーベル賞を受賞した際に光電効果を説明するために呼び起こしたものである。これらは1900年にマックス・プランクにより最初に仮定され、光の周波数のみに依存する特定の量のエネルギーを含むことにより「量子化」された光の要素を概念化した。この論文において、それぞれの散乱されたX線光子が1つの電子のみと相互作用すると仮定して、波長のシフトとX線の散乱角の数学的な関係を導出した。この論文は導出した関係を検証する実験について報告することで締めくくっている λ ′ − λ = h m e c ( 1 − cos θ ) {\displaystyle \lambda '-\lambda ={\frac {h}{m_{e}c}}(1-\cos {\theta })} ここで λ {\displaystyle \lambda } は最初の波長 λ ′ {\displaystyle \lambda '} は散乱後の波長 h {\displaystyle h} はプランク定数 m e {\displaystyle m_{e}} は電子の静止質量 c {\displaystyle c} は光速 θ {\displaystyle \theta } は散乱角 量h⁄mecは電子のコンプトン波長として知られており、その値は2.43×10−12 mである。波長シフトλ′ − λは0(θ = 0°の場合)の電子のコンプトン波長の2倍(θ = 180°の場合)の間にある。コンプトンはX線の中に大きな角度で散乱しているにもかかわらず波長シフトを経験しないものがあることを発見した。これらの場合、光子は電子を放出しなかった。よってシフトの大きさは電子のコンプトン波長ではなく原子全体のコンプトン波長に関係しており、1万倍以上小さい場合がある。 コンプトンは後にこう回想している「1923年にアメリカ物理学会の会議で結果を発表したとき、これまで知るうちで最も激しく争われた科学論争が始まった」。光の波動性は十分実証されており、二重の性質を持つことができるという考えは簡単には受け入れられなかった。特に結晶格子の回折は波動性に言及してのみ説明できるといわれていた。1927年にコンプトンはノーベル物理学賞を受賞した。コンプトンとAlfred W. Simonは個々の散乱X線光子と反跳電子を同じ瞬間に観測する方法を開発した。ドイツでは、ヴァルター・ボーテとハンス・ガイガーが独立に同様の方法を開発していた。
※この「コンプトン効果」の解説は、「アーサー・コンプトン」の解説の一部です。
「コンプトン効果」を含む「アーサー・コンプトン」の記事については、「アーサー・コンプトン」の概要を参照ください。
コンプトン効果と同じ種類の言葉
- コンプトン効果のページへのリンク