Amazonプライム解約運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:49 UTC 版)
「三浦瑠麗」の記事における「Amazonプライム解約運動」の解説
2020年7月31日に公開されたAmazonプライム・ビデオの広告に三浦が出演した。8月9日にゲスト出演した『ワイドナショー』(フジテレビ)では、松本人志から「ちょっと女優さんしてる」。東野幸治から「えらい口広げてはりましたね」。T.M.Revolutionの西川貴教からも「笑顔がすてきでした」といじられ、三浦は「日常はこっちなんです」と照れ笑いした。実はこれまでも広告の出演依頼はあったが「(1つの)会社を宣伝するのはどうか」という考えから、出演を断っていたという。しかし、「(自身が代表を務めるシンクタンクの)調査結果を無償でお出ししてるので、ビジネスモデルとして私が何かお金を稼がないと(会社が)メディア的な活動ができない」と出演を決めた理由を明かした。 ところが8月17日の早朝からTwitterで『#Amazonプライム解約運動』とタグが付いた投稿が出回り、「Amazonがネトウヨタレントを広告塔に起用」「『戦争したくないならお年寄りと女性に徴兵制を導入すべき』こんなことを主張される方が広告のキャラなんですか?」「不買運動は欧米でも日常的にある民主的社会参加の方法」「Amazonプライムだけでなく本体のAmazonも不買対象にすべき」「不買が起こるのは当然じゃないんですか?イメージが悪い人を使えばこうなるというだけ」という書き込みと共に解約を報告するアカウントが相次いだ。 これに対し茂木健一郎は自身のTwitterで「このハッシュタグはおかしい」「三浦瑠麗さんは自分できちんと考える方。立場が少しでも違うと拒絶というのは人間としてどうか」と猛反発。また、YouTubeチャンネルに投稿した動画でも「徴兵制は批判しやすいけど、日本の安全保障を考える上で攻撃するのはそこじゃない。攻撃するところは別にあると思う」と述べた。また、同日に放送された『ABEMA Prime』(Abema TV)でも、この騒動を特集。カンニング竹山は「僕は不買運動というものが大っ嫌い。嫌いなら自分が商品を買わなきゃいいだけで、呼びかけて“運動”にするのはなぜ?と思う」とした上で、「三浦さんについても、好きな人もいれば嫌いな人もいるだろう。今回、“徴兵制”という言葉が強いので独り歩きしているが、前後をちゃんと読みました?言っていることは理解できてる?という問題もある。是か非か、必要かどうか、著書などを読んで理解し、議論する中で見えてくることもあるわけだから、そのきっかけになればいい」と主張。ギャルユニットで活動しているあおちゃんぺも「私はこういう運動が起こる度に、仲間を作ろうとするのを見て、“集団になるのはダサい”と思う。自分が思ったことなら一人で実行すればいいのに。そして、アマゾンジャパンが“今後の制作に反映します”と回答しているが、そのまま反映させて広告の放送をやめてしまえば、運動に賛同すれば嫌いな人を下ろすことができるんだ、ということになってしまう」と批判した。ジャーナリストの堀潤は「三浦さんは右的な目線、左的な目線も踏まえ、“現実路線で言うとここですよね”というお話をされる方。だから発言の一部だけを見ると“そっち側”に見えるということもある。そして、その説明の中に分かりやすい単語がポンポンと入ってくるので前後をちゃんと聞けばわかるが、やはり“え?徴兵制?”とパッと反応してしまうことになる」と指摘。「“徴兵制”という言葉についても、すぐに太平洋戦争や独裁政権などを想起してしまって、その言葉の奥行き、イメージのバリエーションが乏しい部分があると思う。不買運動ではなく真っ向から徴兵制の是非についてTwitter上で議論を仕掛ければ良かったのになと思うし、0か100か、白か黒か、右か左かといったインターネット上でのコミュニケーションはそろそろ卒業したほうがいいと思う」と訴えた。就活サイトの「ワンキャリア」を運営している北野唯我は「会社を経営している身からすると、不買運動をされたら“もうやめたほうがいいな”と計算してしまうと思うし、政治的主張をしない人を起用した方がいいという考えにもつながってしまうと思う。しかし、それでは日本の言論は進歩しないと思う。その意味では、この不買運動はクールじゃないと思うし、AmazonにはCMをやめないでほしいと思う」と主張した。元朝日新聞記者でBuzzFeed Japan記者の神庭亮介は、三浦の徴兵制論には賛同しないとしつつも「抗議の手段として共感できない」と話し、「まず思い出したのは、2010年代の初頭にあった“嫌韓デモ”。この時、わざわざ広告のスポンサー企業にデモをかける、凸するということが行われたが、似たような空気を感じる。自分と同じ考えの芸能人に対しては、この前の検察庁法改正案への抗議のように『よく言った』と褒めそやす一方、少しでも気に入らない人には、お金を出している企業側に働きかけて間接的に圧力をかけるようなやり方をする。清々しくない」と批判。また、今回は主に左派が不買運動を行ったが、「(右派に)同じことをやられた時に何も言い返せないのではないか」とブーメランになって返ってくることを指摘。「政治や主義主張を打ち出すと叩かれるとなれば、スポンサー企業は無色透明で物言わぬタレントばかりを起用するようになる。三浦さんは芸能人ではないので判断が難しいが、こうした不買運動が横行する風潮は息苦しい。テレビに出ている人たちにも様々な思想信条や信仰がある。自分の主張と完全に一致することを求めるなら、自撮り動画ぐらいしか見られなくなる」「徴兵制の導入や核武装を訴える有名人はほかにもいるが、番組やスポンサーへの抗議があったとは聞かない。叩きやすい時に叩きやすい人を叩くやり方はどうなのか」「(毎日のように炎上騒動が起きるが)まるで怒りの日替わり定食のようだ。まず最初に怒りがあり、その感情を発散するための対象を血眼で探している気さえする」と、絶えず怒りの矛先を探すようなネットの状況に警鐘を鳴らした。8月19日放送の『飯田浩司のOK! Cozy up!』(ニッポン放送)でも、ゲスト出演したジャーナリストの佐々木俊尚がこの騒動を取り上げ、「三浦さんの主張に対しては、是も非もあると思います。ただ、三浦さんは犯罪者でもなければヘイトスピーチをしているわけでもないので、それに対してキャンセル・カルチャーの運動(自分たちと思想が違う人物の出版物や出演作品をボイコットしたり、その人物を社会から抹殺させる運動)を引き起こすのは言論封殺であり、多様性を失うと思います」「リベラリズムの定義は、一体何だったのでしょう」と批判した。『AERA』2020年9月14日号でもこの騒動が記事となり、元毎日新聞記者でBuzzFeed Japan記者の石戸諭が「三浦氏の起用に抗議して自分が解約するのは自由ですが、『一緒にやろうぜ』と徒党を組むのは、いじめに加担するようなもの。右派、左派問わず、自分が気に入らないという理由であまりにも気楽な運動が横行しています」とAERAの取材に答えた。 その後この広告は8月18日までにAmazonのYouTubeチャンネルから削除された。ネットでは、一連の不買運動が広告動画削除に影響を与えた点や広告が不快だと訴えるユーザーに対し、Amazonプライムが300円のクーポン券を発送しているなどのデマが拡散されたが、これに対しAmazonの広報担当者は「本CMはもとより期間限定のCMだったため、放映期間は終了しております」「クーポンに関して現在そのような事実はございません」と否定した。
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