2020年度認定遺産一覧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 04:15 UTC 版)
「機械遺産」の記事における「2020年度認定遺産一覧」の解説
Collection & Documents 100 工部大学校の「機械学」教育機器およびC.D.ウエスト関係資料群 – 日本の近代工学教育の黎明期は、幸いにも西欧で系統だった教育テキストが出そろった時期でもあり、世界で初めてとされる「工」を冠した工部大学校が開校されその後引き継いだ、東京帝国大学が中心的な役割を果たした。機械学の教鞭をとったヘンリー・ダイアーやチャールズ・ディキンソン・ウェストなどが関わった当時の製図器具群や機構模型群など、学生の成績原簿、ウエストの講義ノートやイギリス学生時代のノートと学んだ書籍など両大学の多くの教育機材や教材が保存・展示される (東京都) Collection 101 日本の一眼レフカメラを世界水準へと進展させたアサヒフレックスI・IIB、ミランダT、ズノー、ニコンF - 1950年代の日本製カメラのなかでも5機種の機械式一眼レフカメラは利便性と堅牢性を持ち「カメラといえばドイツ」との評価を変えた (東京都) 102 自由粉砕機 第1号機 (奈良式高速衝撃粉砕機) – 奈良自由造は1925年(大正14年)物性として弾性と耐熱性をもつカゼインの粉砕機の製作を現古河グループの古河理化試験所から依頼され、ドイツ製粉砕機を参考に物性に対応する改良を行い納入した。更に改良した「自由粉砕機 第1号機」の技術は1928年(昭和3年)年に実用新案として登録され、衝撃力とせん断力という粉砕メカニズムによって熱の発生を抑え、迅速かつ大量の粉体加工を実現し、鉱物、薬草、食料品、染料、飼料、薬品、鉱工業用品などの広範囲の材料の粉体加工にその後も使われている (東京都) 103 日本の溶射技術を工業化したアーク溶射ガン – 溶射は1909年(明治42年)、スイスのM.U.ショープ(独:M.U.Schoop)が発明した。1919年(大正8年)に銀座天賞堂が特許の使用権を得て、宝飾品へのガス式溶射ガン技術導入をめざすも作動せず、1921年(大正10年)に特許「電気溶融法による噴射鍍金法」を取得した。技術の工業化は1935年(昭和10年)頃から始まり戦前戦中にも改良を重ね戦後に軽量化と操作性を計った。1955年(昭和30年)の現存最古1台と1963年(昭和38)年の改良を加えた溶射ガン2台が保存される。まず鉄道、水タンク、鉄骨構造物等の錆を防ぐ表面処理技術として広く用いられ、その後耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性など幅広い産業分野で利用される溶射技術の原点を示す (滋賀県) 104 機械式無段変速機/リングコーンRC型 – 無段変速機は流体式・電気式・機械式の3種に大別される。1952年(昭和27年)にシンポ工業(現:日本電産シンポ)の柏原学が発明した伝動リングの中にコーン形の2本の円錐を左右逆向きに配置したリングコーン(RC)型変速機は機械式無段変速機であり、潤滑油膜を介して非接触で動力を伝達するトラクションドライブ方式で摩耗を生じない。部品点数が少なく簡単な構造であり比較的小型で所要の伝達動力が得られる。負荷の増減で伝動リングの回転方向への食い込み量が変化し、負荷に応じた有効な圧接力が自動的に摩擦伝動面に与えられ、すべりが起きず、回転変動率が2から3%程度と低い特長がある。リングコーンRC型はRX型無段変速機や車輪駆動用をはじめとしたトラクションドライブ減速機に継承されている (京都府)
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