圧接
同種の金属が接合するのは、接合面の金属原子が相互作用を行う距離に近づくためである。最も簡単な方法は接合面を溶融して接合する、融接法であるが、清浄な接合面同士に強い圧力をかけた場合も原子間相互作用が発生して接合する。この原理を用いて溶接することを圧接と呼ぶ。
圧接には、高温度で行う熱間圧接と常温下で行う冷間圧接とがある。熱間圧接法では、二つの金属素材の表面を接触させ、融点直下あるいはそれ以下の温度で圧力をかけ、金属の表面に存在する酸化膜を破壊して、両金属の表面原子をそれらが金属結合を形成することのできる距離まで接近させ接合する。冷間圧接法では、あらかじめ両金属素材の表面を清浄にし、ブラッシングを行った後圧力をかけ接合する。
熱間、冷間圧接ともに圧力をかける方法は圧延、押出しなど通常の塑性加工法と同様であるが、その原理からも接合部に不純物が無いことは重要であり、このため真空中では、わずかな圧力で圧接することができる。結合の機構は金属結合が主であるが、高温・熱間圧接では相互拡散の効果が加わる。
通常、圧接は電流などによる融接作用と並行して行われ、スポット溶接がその代表格である。
圧接の種類
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重ね合わせた板材を電極で挟み、圧力を加えながら電流を流して電気抵抗熱により部分的に溶融させ接着する。 | 自動車ボディ、シームレスパイプなど。 | |
対の金属棒を端面同士向かい合わせ、圧力を加えながら材料に電流を流して電気抵抗熱により溶接する。 | ボルト、シャフト、棒材など。 |
圧接
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/22 03:01 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動圧接(あっせつ、pressure welding)とは溶接の一種で、金属の表面を密着させ、熱、圧力を加えることで原子同士を金属融合させて接合する方法。冶金学的には、抵抗溶接・鍛接・摩擦圧接などが、圧接に分類される。
ガス圧接工法
鉄筋を継ぐ部位を継手と言うが、その一継手工法。電動油圧ポンプを使用して鉄筋と鉄筋を圧密着させ、アセチレンガスと酸素をつないだバーナーであぶり、継ぐ工法。施工には免許(日本鉄筋継手協会)が必要。取り扱える鉄筋の太さに応じて1種から4種まである。
摩擦圧接法
金属材料を接触加圧させながら相対運動を起こさせ、発生する摩擦熱を熱源として接合する方法。
関連項目
上記の他、電気分野においてケーブルの絶縁被覆を剥離せずに、絶縁にコンタクトを刺して接続する方法も圧接と呼ばれる。(類似語に「圧着」がある。)
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