2008年の現地調査と『第32回世界遺産委員会』とは? わかりやすく解説

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2008年の現地調査と『第32回世界遺産委員会』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 06:54 UTC 版)

知床 (世界遺産)」の記事における「2008年の現地調査と『第32回世界遺産委員会』」の解説

第29回世界遺産委員会決議では、知床の「世界自然遺産」登録決定同時に次のような措置実施することを勧告した遺産地域海域部分境界線海岸線1kmから3km拡張するための手続が法的に確定した段階で、地図等を世界遺産センター送付すること。 登録後2年以内に、海域管理計画履行進捗状況遺産地域海洋資源保全効果について評価するための調査団を招くこと。 2008年まで完成させる海域管理計画の策定を急ぐこと。その中で海域保全強化方策海域部分拡張可能性明らかにすること。 サケ科魚類へのダムによる影響とその対策に関する戦略明らかにしたサケ科魚類管理計画策定すること。 評価書示されその他の課題観光客管理科学的調査などを含む)についても対応すること。 2008年平成20年2月19日から22日にかけて世界遺産センター次長国際自然保護連合IUCN保護地域事業部長来日して現地調査実施調査に際して、以下の進捗状況報告した遺産地域海域部分拡張利用統合的海域管理計画の策定 サケ科魚類への河川工作物による影響評価とその対策 エゾシカ適正管理 利用適正化のための戦略開発 調査研究モニタリング実施 1.に関しては、2005年平成17年12月22日知床国立公園区域を距岸1kmから3km拡張し拡張後の遺産地域図面同年12月26日世界遺産センター報告した。2.に関しては、2007年平成19年12月に「知床世界自然遺産地域利用統合的海域管理計画」(以下「海域管理計画」)策定。「海域管理計画」は遺産地域海域における持続的な水産資源利用による安定的な漁業営み海洋生物海洋生態系保全両立目的としている。3.に関して流域全体または流域大部分遺産地域含まれる44河川について、サケ科魚類遡上産卵見られる河川範囲把握するとともに河川工作物設置されている14河川個々河川工作物についてサケ科魚類に及ぼす影響評価行い評価結果に基づき地域住民の生活深刻な危険を及ぼさない範囲河川工作物改良を行うことにした。2005年平成17年7月から2007年平成19年12月までに11回の会合開催して100基の河川工作物についての影響評価行った。「改良検討を行うことが適当」と評価した河川工作物は、順次改良進めとともに改良効果検証するためのモニタリング実施することにしている。4.に関しては、2006年平成18年11月知床半島生息するエゾシカ科学的に保護管理するための「知床半島エゾシカ保護管理計画」を策定北海道策定した特定鳥獣保護管理計画エゾシカ保護管理計画」の地域計画として位置づけられており、北海道などと連携しながら、計画実施務めている。5.に関しては、エコツーリズム推進知床半島先端地区及び知床半島中央部地区の「利用適正化基本計画」を策定知床半島中央部地区においては2007年平成19年)から年度ごとの『利用適正化実施計画』を策定している。6.に関しては、関係する行政機関地方公共団体地域関係団体研究者など連携して調査研究実施し科学的知見集積努めている。調査結果選定して長期的なモニタリング実施し、その成果今後各種計画活用するとともに環境省などのウェブサイト通じて一般に情報提供していく。 調査結果日本勧告に対して良好な進捗遂げていると確認。特に、すべての知床遺産関係者遺産顕著普遍的な価値確実に維持し次の世代そのままの形で引き継ごうとする強い責任感感銘受けたとしている。また、科学的知識遺産管理効果的に応用していることを賞賛し、他の世界自然遺産地域管理モデル提示していると評価した同時に今後保全管理対す助言として、17勧告報告書盛り込んでいる。2008年平成20年7月開催された『第32回世界遺産委員会』では先の勧告のうち、以下の9項目について重点的に取り組むよう要請し実施状況2012年平成24年2月1日までに世界遺産センター報告するよう求めたさらなる保護の層を加え観点から、国際海事機関IMOと共に遺産地域海域について、特別敏感海域(PSSA)の指定について検討すること 海域管理計画遺産地域全体管理計画統合し活動内容成果客観的に検証できる指標明確にし、役割と責任分担明確にし、実施のためのスケジュール詳細に示すこと 遺産地域全体管理計画見直し海域サケ科魚類シカエコツーリズム適正利用を含むすべての個別計画統合した形で完成させること 漁業資源も含む海洋生物多様性持続的生産力確保するための、海洋生息地範囲内での禁漁区含めた地域即した保全地域特定指定取組検討すること 資源利用問題、特にスケトウダラ持続可能でない漁獲について、長期的な解決策を見つけるためと、科学的情報定期的な交換のため、ロシア連邦との間で始められ協力継続すること 遺産地域内におけるサケ自由な移動推進する対策継続推進させるとともにサケの遡上個体増加させるための対策を、特にルシャ川の工作物改良優先して継続推進しサケ個体群への影響モニターすること シカによる自然植生への食圧影響受容できる限界定めるための指標作成し抑制措置遺産地域シカ個体群生物多様性生態系に与える影響モニターすること 遺産地域に関する統合的なエコツーリズム戦略策定し、その戦略観光・経済開発地域戦略との間に密接な連携統合確保すること (ⅰ)モニタリングプログラムと、(知床世界遺産価値対す気候変動の影響最小限とどめるための順応的管理戦略とを含んだ気候変動戦略」を開発すること

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