サケ科魚類 [Salmonidae,Salmonids]
サケ属にはサケ(ラシャマス)、ベニザケ(ヒメマス)、ギンザケ、カラフトマス(セッパリマス)、イワメ、サクラマス(ヤマメ)、ビワマス(アマゴ)、マスノスケ、ニジマス(スチール・ヘッド)、クニマスが含まれ、旧ニジマス属には大西洋サケ、カットスロート・トラウト、ブラウン・トラウトが含まれる。イワナ属にはアメマス(イワナ)、北極イワナ、オショロコマ(ドリーバーデン、ミヤベイワナ)、カワマス、レイク・トラウト、ゴギが含まれ、イトウ属はイトウのみである。
サケ科魚類は川の上流域で産卵し、多くは稚魚や幼魚期に海へ降って回遊しながら成長するが、産卵期が近づくと再び川へ戻って産卵する習性がある。このような魚類は降海型または河川回帰型(遡河性)とよばれる。しかし、進化の過程で海へ降る習性がなくなり、川や湖に留まるサケ科魚類も多い。このようなサケ科魚類を陸封型とよんで降海型と区別している。ヤマメはサクラマスの、ヒメマスはベニザケの、イワナはアメマスの、ミヤベイワナはドリーバーデンの陸封型である。また、ビワマス(アマゴ)、ニジマス、カワマス、レイク・トラウト、ゴギ、イトウなどは河川、湖沼型である。なお、イワメは大分と宮崎県境にのみ生息し、田沢湖のみに生息していたクニマスは絶滅種である。また、ゴギは山陰地方のみに生息し、イトウは北海道沿岸湖、サハリン、千島列島、モンゴルなどの河川に生息している。
これらのサケ科魚類は世界的に重要な水産魚類であり、資源の確保からシロザケ、ベニザケ、ギンザケなどはわが国をはじめ北米やヨーロッパで増殖業が盛んである。わが国ではイワナ、ヤマメ、アマゴ、ニジマス、イトウ、オショロコマなどの淡水養殖(養鱒業)も行われている。
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