カラフトマスとは? わかりやすく解説

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からふと‐ます【×樺太×鱒】

読み方:からふとます

サケ科海水魚全長50センチ。体は紡錘形側扁し、背側青黒色、腹側銀白色。満2年成熟し日本では東北地方北海道河川上り産卵して死ぬ。このころの雄は吻(ふん)が著しく湾曲し、背が張り出すので、背っ張りともいう。北太平洋広く分布塩蔵品缶詰にされる。


樺太鱒

読み方:カラフトマス(karafutomasu)

サケ科遡河性


カラフトマス

作者橋本

収載図書ART BOX絵本新人賞受賞作品Vol.1
出版社ART BOXインターナショナル
刊行年月2002.9


カラフトマス

学名Oncorhynchus gorbuscha 英名:Pink salmon
地方名セッパリマスラクダマスホンマス 
脊椎動物門硬骨魚綱サケ目サケ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか 3D

※出典:長崎県水産部ホームページ
著作権仲谷 一宏

特徴
体側銀白色で背の部分尾びれには大きな黒い点が散らばる産卵期の雄は鼻先著しく曲がり背中もりあがることからセッパリマスとも呼ばれる広範囲分布しているが、日本北海道岩手県河川にも産卵のためにのぼる。秋に河川砂礫底産卵し孵化した稚魚は春頃に海へ下り動物プランクトンなどを食べながら成長する1年半程の海洋生活の後に川をさかのぼるがカラフトマスは他のサケ比べる母川以外の河川をのぼることが多い。やわらかい肉質脂肪も多い。漁獲量サケ類では最も多い。

分布:北海道樺太カムチャッカアラスカ北アメリカ 大きさ:75cm
漁法:流し網 食べ方:フライ塩焼き缶詰筋子卵巣

樺太鱒

読み方:カラフトマス(karafutomasu)

サケ科遡河性

学名 Oncorhynchus gorbuscha


樺太鱒

読み方:カラフトマス(karafutomasu)

一種

季節

分類 動物


カラフトマス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/10 10:10 UTC 版)

カラフトマス
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: サケ目 Salmoniformes
: サケ科 Salmonidae
: タイヘイヨウサケ属 Oncorhynchus
: カラフトマス O. gorbuscha
学名
Oncorhynchus gorbuscha
(Walbaum, 1792)
和名
カラフトマス
英名
Pink salmon

カラフトマス(樺太鱒、学名:Oncorhynchus gorbuscha, 英名:pink salmon, humpback salmon)は、サケ科サケ属の回遊魚。

地方名アオマスセッパリマスなどがある[1]。また、北海道の一部産地ではオホーツクサーモンというブランド名で呼ばれる[2]アラスカ州などではピンクサーモンと呼ばれる。

分布

太平洋ベーリング海オホーツク海日本海。日本では北海道、東北地方の一部[3]

特徴

サケ属の中では小型の種類 goda で全長40-60センチメートル。側線鱗数はサケ・マス類中最も多く、背面や尾びれ、脂びれに黒い斑点があるのが特徴である。繁殖期には、雄のみ背中が突起状に変形(セッパリ)する。そのため「セッパリマス」の名がある。稚魚にはパーマークが無く、4月から5月に降海し降海後ほとんどが2年で成熟し回帰する。したがって繁殖集団が偶数年と奇数年とで分かれており、隔年の変動を示すことが知られている(いわゆる大漁年と不漁年)。繁殖集団の遺伝的な調査結果によれば、同じ年の隣の河よりも、日本とアラスカの方が遺伝子的には近縁であった。これは母川回帰本能が強くないことを示唆している。

地方名

地方名:サクラ、サクラマス(宮古山田釜石大船渡)、アオマス(道東久慈)、ホンマス(北海道東部の一部)、オホーツクサーモン(オホーツク沿岸)、ピンク

生態

基本的に生まれた川に溯上し産卵するが、母川回帰性は弱く迷って違う川に遡上することも多い。日本では主に北海道東部のオホーツク海と根室海峡に流入する河川に遡上がみられるが、北海道南部や本州北部でも少数の遡上がみられる[4]。時期は河川により変化するが、7月から遡上が始まり、砂礫質の水通しの良い河床を選んで8月から10月に産卵し、産卵後には寿命を終える。孵化した稚魚は河川ではあまり餌を捕食せず、産卵の翌年4月から5月に降海する。

1962年から1967年にかけ北海道知内川遊楽部川で行われた調査によれば、産卵床は水深6-36センチメートル、大きさは長径で80-170センチメートル程度、短径は35-90センチメートル。産卵床が作られる箇所の流速は、シロザケよりも流速が速い箇所が多く産卵床の位置や水質で棲み分けがされている[5]。シロザケと産卵床を形成する場所の棲み分けは成されているが、交雑が生じ漁業関係者の間でサケマスと呼ばれるシロザケとの交雑個体が捕獲されることがあり、外見は双方の特徴を併せ持っている[6]

自然繁殖での卵から降海するまでの生存率は0.1-40%程度。人工孵化での採卵から放流までの生存率は約80%。

人為的に移入された五大湖では、小型の陸封型が出現して世代を重ねている。

利用

釣り上げられたカラフトマス
カナッペに使われているイクラ

漁業

かつてはオホーツク海、ベーリング海での「北洋さけ・ます漁業」により捕獲されていたが、沿岸での定置網ならびに遡上河川での捕獲が主流となっている。漁期は夏から冬。サケに次ぐ漁獲量[7][8]である。 国内最大の水揚げ地は北海道東部オホーツク海沿岸であり、当地での7-8月の約2か月間の水揚げで国内消費の多くが満たされる。

食用加工

肉質はやわらかく、サケ科魚類の中では脂分が多い。

鮮魚の利用方法としては焼き物のほか、ルイベ燻製ムニエルなどがある。揚げ物はフライ天ぷらなどが美味であり、この魚のザンギを名物としている地域もある。また、シロザケよりも小型なのでちゃんちゃん焼きに向く。

味噌仕立てのは鱒鍋と呼ばれ、カラフトマスの漁獲の多い地域では石狩鍋より好まれる場合がある。

山漬けや塩鱒などに塩蔵加工すると、程よく脱水・熟成されて美味である。塩鱒は焼き魚のほか、はさみ漬けや鱒漬けなどの漬物の原料としても珍重される。卵は筋子(すじこ)として加工される。イクラに加工したものはマス子と呼ばれ、外食産業を中心に流通している。

このほか、缶詰の主原料にもなる。マルハニチロあけぼのブランドで製造・販売している鮭缶は、途中でカラフトマスの使用に切り替えられている[9]

関連項目

脚注

  1. ^ サケ科魚類のプロファイル-7 カラフトマス (PDF) さけ・ます資源管理センターニュース salmon15号 2005年9月、水産研究・教育機構。
  2. ^ 蛯谷幸司, 成田正直, 小玉裕幸, 秋野雅樹, 武田忠明, 今村琢磨「カラフトマス山漬けの製造中の成分変化について」『北海道立水産試験場研究報告』第74号、北海道立水産試験場、2009年3月、19-24頁、ISSN 0914-6830 
  3. ^ さけ・ます資源管理センターニュース No. 15 カラフトマス”. 水産研究・教育機構 (2005年9月). 2025年7月10日閲覧。
  4. ^ カラフトマス”. 鮭と鰻のWeb図鑑 Web Dictionary of Salmon and Eels. 2025年7月10日閲覧。
  5. ^ 小林哲夫「サケとカラフトマスの産卵環境」『北海道さけ・ますふ化場研究報告』第22号、1968年、7-13頁、 NAID 10016972910 
  6. ^ 市村政樹, 柳本卓, 小林敬典, 正岡哲治, 帰山雅秀、「北海道東部根室海峡周辺で採集された「サケマス」のDNA 分析による交雑判別」『日本水産学会誌』 Vol.77 (2011) No.5 P.834-844, doi:10.2331/suisan.77.834
  7. ^ 水産庁・水産総合研究センター (2008年). “さけ・ます類の漁業と資源調査(総説)”. 水産庁・水産総合研究センター. 2013年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月8日閲覧。
  8. ^ 水産庁・水産総合研究センター (2008年). “カラフトマス 日本系”. 水産庁・水産総合研究センター. 2015年9月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年4月8日閲覧。
  9. ^ もっとわかるヒストリー モノ語り(あけぼのさけ)”. 知る・楽しむ. マルハニチロ (2020年6月). 2024年4月21日閲覧。

外部リンク


カラフトマス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/12/15 14:57 UTC 版)

日本の世界自然遺産 〜知床の四季 命の輝き〜」の記事における「カラフトマス」の解説

サケ科半島全体産卵するというユニークな産卵仕方をする。外洋で大回遊を行うが、サケとの産卵巡って争いが起こる。一対一場合サケが不利。

※この「カラフトマス」の解説は、「日本の世界自然遺産 〜知床の四季 命の輝き〜」の解説の一部です。
「カラフトマス」を含む「日本の世界自然遺産 〜知床の四季 命の輝き〜」の記事については、「日本の世界自然遺産 〜知床の四季 命の輝き〜」の概要を参照ください。

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