首飾り事件関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 15:12 UTC 版)
「ベルサイユのばら」の記事における「首飾り事件関係者」の解説
ジャンヌ・バロア ロザリーの異母姉(ロザリーと母親が異なることは知らぬまま亡くなる)。旧王朝バロア王朝の庶末裔、サン・レミー男爵 の落胤。自身の美貌と血筋に相応しい生活を手に入れるためには手段を選ばず、貴族の養女となり、巷に「アントワネットの親友」という噂を流して真に受けたローアン大司教を利用して様々な犯罪行為に手を染めた末に「首飾り事件」を起こす。高等法院で有罪となり、「V」(泥棒の意)の焼き鏝を両肩に捺された上(fr)、終身禁錮刑の判決を受け、サルペトリエール監獄(en)に投獄されたが、何者かの幇助で脱獄し、サベルヌ修道院に身を隠しながら「ジャンヌ・バロア回想録」なる暴露本数巻を捏造して出版、王室を強烈に批判する。 最後はニコラスと共にサベルヌの屋敷に篭城。ベルトレー火薬を仕掛けて抵抗するが、アンドレに倒されはずみでニコラスを刺殺してしまい、バルコニーへ逃げるも転落死した。史実の死に方になぞらえた最期だった。 アニメ版では素性を隠したオルレアン公の助けで脱獄し、その指示で暴露本の出版活動を行ったが、出版が一段落すると始末のため居場所を密告された。オルレアン公のことは当初から信用しておらず、隠れ家を包囲されてもう逃げられないと察しており、オスカルを絞殺しようとしたニコラスをナイフで刺して予め仕掛けておいた火薬に繋がる導火線に火をつけ、お互いに納得の上で心中した。史実では誰が脱獄させたかは謎である。 ニコラス・ド・ラ・モット大尉 もともとはブーレンビリエ家に出入りする平民の軍人だったが、ジャンヌの手引きで貴族を名乗る様になる で、ジャンヌに惚れ結婚。ローアンの推薦で近衛士官となる。ジャンヌが悪事を計画する度に彼女の大胆さに驚くが、半ば楽しんで加担する。ジャンヌの命令でロザリーを殺そうとするが、のちに舞踏会で再会した時に彼女だと気づかないなど頭はあまり良い方ではなく、他にも近衛隊でも出来の悪さにオスカルに呆れられる事もあった。オスカルに対して反感を抱いている。 「首飾り事件」で、宝石商のべメールから騙し取ったダイヤモンドの首飾りを売りさばきにすぐにイギリスへ渡り、事件発覚後は逃亡中につき不在のまま指名手配され、終身漕役刑 の判決を受けた。 最後はジャンヌと共に、サベルヌの屋敷に篭城。抵抗するが、アンドレの反撃で倒されたジャンヌの持っていた剣が刺さる事故により死亡した。アニメ版では納得づくの心中にされた。 ルイ・ド・ローアン大司教 教会の高位職にある僧侶。オーストリア大使の経歴があり、放蕩癖と女遊びの激しさ から女帝マリア・テレジアと王妃アントワネットに嫌われていた。アントワネットの高貴な美しさに恋心を抱いているが、相変わらずの放蕩癖で嫌われている。ブーレンビリエ侯爵夫人の知人であった縁から、王妃の親友を名乗るジャンヌに付け込まれ、虚言に惑わされて首飾り購入の保証人となり、「首飾り事件」に巻き込まれる。事件発覚後、首飾りの代金全額支払いを申し出るも、ローアンを嫌悪するアントワネットに拒絶され逮捕される。裁判開始までバスティーユ牢獄で留置された。法廷でジャンヌに濡れ衣を着せられるが、判決で無罪を言い渡された。行状を知らない民衆より熱狂的に支持された。 裁判では無実でもルイ16世により国外追放処分となった。因みに、姪シャルロットの夫で『栄光のナポレオン-エロイカ』にて冤罪事件の犠牲になったアンギアン公ルイ・アントワーヌは、ルイ16世の従兄オルレアン公の妹ルイーズ・マリー・テレーズ・バティルドを母とするオルレアン公の甥。 ブーレンビリエ侯爵夫人 馬車で下町を通りかかった際にやって来たジャンヌの「バロア王朝の末裔の孤児」という言葉を鵜呑みにし、彼女を屋敷に引き取り貴婦人としての教育を受けさせる。宮廷への出入りは認められていなかった。 実在の人物だが、「ジャルジェ夫人の友人、ジャンヌの野望と証拠隠滅のために殺害された」部分はフィクション。 レトー・ド・ヴィレット(en) 他人の筆跡を真似るのが得意な詐欺師。ジャンヌと共謀し、ブーレンビリエ侯爵夫人の遺言書や王妃のローアン充てラブレターを作成した(しかし王妃の筆跡に関しては、国王から『全く異なっている』と指摘される)判決で、鞭打ち50回の上で35年間の国外追放を言い渡された。 ニコル・ド・オリバ パリ下町の娼婦。アントワネットに瓜二つの容姿をジャンヌに利用され、「首飾り事件」に関与させられる。アニメ版では盲目で、純粋な性格に変更されており、口封じに殺害しようとしたジャンヌの心を動かす。裁判のため証人として出廷したところ、あまりにも瓜二つなため、パリ高等法院の裁判長(声 - 加藤精三)や傍聴人を驚かせた。判決では、無罪を言い渡された。 モデルは、後に偽名「ニコル・ドリヴァ男爵夫人」を称する娼婦マリー・ニコル・ルゲイ・デシニー。 ベメール 王室に出入りする宝石商。ルイ15世の在位中、デュ・バリー夫人に贈るダイヤモンドの首飾りの注文を受けたが、急逝したため引き取り手がなくなり、しかも値段が160万リーブル(約192億円(連載当時))という高額なため、どこの国の王室も相手にしてくれず、「分割払いでもけっこうですから…」とアントワネットに勧めるが、「ダイヤはいっぱいもっていますし」と断られた。 そこで、「王妃と親しい」というジャンヌに、ダイヤの買取りを勧めて欲しいと依頼。ローアン大司教を保証人にするが、ジャンヌに騙し取られてしまう。後日、騙し取られたとは知らずにアントワネットに請求の手紙を送るが、何も知らないアントワネットはその手紙を燃やしてしまう。支払いが滞っていることにたまりかねてベルサイユに行き、カンパン夫人(en)に事の次第を訴えたため、事件が発覚した。ジャンヌの「アントワネットの親友」というデマを真に受けた1人である。
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