開発・採用の経緯とは? わかりやすく解説

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開発・採用の経緯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 09:31 UTC 版)

M249軽機関銃」の記事における「開発・採用の経緯」の解説

1965年段階で、アメリカ陸軍およびアメリカ海兵隊標準的な機関銃としてはM2重機関銃M60機関銃2種運用されていた。M2重機関銃大口径の大型重機関銃で、主に車載ないし陣地据付機関銃として使用されていた。また、M60機関銃重機関銃よりは軽量な中機関銃であり、兵員により携行され前線での支援火器として使用されていた。しかし、これらの機関銃はいずれ重量があり、効率的に運用するためには最低2名の兵士が必要であった第一次世界大戦期採用されM1918自動銃は兵士1名でも運用しうる機関銃だったが、1957年フルオート射撃機能有するM14小銃採用されたことで段階的に廃止されていた。M14小銃従来アメリカ軍採用されていた4つ標準的な銃器、すなわちM1ガーランド歩兵銃)、M1カービン騎兵銃)、M3グリースガン短機関銃)、M1918自動銃(軽機関銃)の役割全て兼ね小銃として開発されたものである当時、各分隊では「指定小銃手」(Designated riflemen)に選ばれ兵士のみがフルオート射撃行いその他の兵士弾薬節約すると共に射撃精度維持するべくセミオート射撃のみを行った。M14小銃M16自動小銃基本的に歩兵銃として設計されていたため、持続的なフルオート射撃によって運用される事を想定しておらず、こうした運用を行うとしばしば過熱や弾づまりなどの不良発生したまた、給弾も弾帯ではなく20連発ないし30連発箱型弾倉によって行われていたため、これらの小銃持続射撃能力大幅に限定されていた。 こうして、陸軍ではM60機関銃よりも軽量かつM16自動小銃よりも高火力であり、さらに単独兵員によって運用しうる機関銃調達決定した。これにより、歩兵銃フルオート射撃依存しない分隊支援能力獲得期待されのである1960年代通じて分隊向け機関銃研究について様々な試み成された。一時フレシェット弾使用する汎用機関銃といった奇妙な設計行われたが、最終的に軽機関銃に関する研究ストーナー63集約された。ストーナー63は、海兵隊およびNavy SEALsによって限定的に使用された。 1968年陸軍新規小火器計画一環として5.56mm口径軽機関銃の開発提案されるが、当時軍部では5.56mm弾威力不足を危惧する意見一般的だったため、ほとんど資金割り当てられなかった。こうして新型軽機関銃研究は、まず5.56mm弾弾道特性改良から着手することとなる。1969年まではその他の口径軽機関銃に関する研究検討されなかった。1970年7月陸軍口径指定せずに新規軽機関銃の開発計画承認した。この時点では新規軽機関銃について、単に「分隊支援火器」(Squad Automatic Weapon, SAW)という名称が使用されていた。なお、威力不足とされた5.56mm弾代わる軽機関銃銃弾に関する研究1971年7月まで着手されなかった。同年8月、フランクフォード兵器廠英語版)では軽機関銃用の新型銃弾として2種類銃弾発表した。すなわち6mm SAW弾(英語版)と薬莢延長した5.56mm弾である。1972年3月には陸軍新型分隊支援火器仕様書発表し、これらの銃弾の名前が共に記載された。同年5月、6mm弾の設計承認される。そして、同年7月までには開発契約がマレモント(Maremont)、フィルコ・フォード(英語版)、ロックアイランド兵器廠英語版内のロッドマン研究室結ばれた。これらの企業による試作モデルは、陸軍によってそれぞれXM233、XM234、XM235という仮名称が与えられていた。陸軍による要求によれば、これらの機関銃銃弾200発を装填した状態で重量が9.07kg(20lb)以下であること、また、最低でも800m(2,600ft)の射程有することが必須とされていた。 その後新型SAW採用向けた運用試験始まったこの際開発中だった6mm機関銃加えて3つの5.56mm機関銃候補となった。すなわち、コルト社製のM16 HBAR(英語版)(M16小銃の重銃身型)、FN社製のミニミ軽機関銃H&K社のHK23A1である。最初テスト1974年12月までに完了した1976年2月ミニミ軽機関銃ロッドマンXM235が有力な候補として選ばれ、これらに関する研究開発継続決定する。この時期には歩兵銃異な銃弾使用することで補給上の問題生じるとして、6mm弾に対す批判高まっていた。同年6月新型SAW仕様書修正され5.56mm弾使用することが必須とされた。同年10月仕様書変更承認され、これと共にロッドマンXM235の口径変更関連する入札が行われた。この入札では最終的にフォード・エアロスペース(英語版)が勝利し同社によって設計変更加えられたXM235はXM248と改称された。1978年、M16 HBARの改良型発表されたほか、H&K社でもHK21A1の5.56mmモデル新型SAW候補として提出した。この時点コルト社製がXM106、H&K社製がXM262、FN社製がXM249という仮名称で識別されていた。1979年陸軍によりこれら4種候補による比較試験が行われた。 1980年5月、XM249の採用決定する同年9月FN社はXM249のさらなる改良向けた契約交わし1981年6月から新型銃のテスト開始された。1982年2月1日アメリカ軍による採用が公式に宣言される1984年M249分隊支援火器M249 Squad Automatic Weapon)として陸軍対す配備始まり翌年には海兵隊での配備始まったオリジナルミニミ軽機関銃アメリカ製モデル比較すると、銃床形状差異見られるM249サウスカロライナ州コロンビアFN社工場にて製造されている。 こうして配備始まったM249は、射撃精度信頼性の高さを評価されたが、一方で高温になる銃身露出していることや鋭利な箇所が多いことが使用者負傷繋がりうると指摘された。また、フロントサイト調整特殊な工具必須とされる点も問題として指摘されていた。1985年8月23日当時陸軍次官英語版ジェームズ・R・アンブローズ英語版)は、これらの問題解決試みるためにM249製造一時中止させると共に製品改良計画product improvement program, PIP)に着手した。これを受けて連邦議会では1986年度国防予算からM249に関するものを削除しその他の様々な政策流用したアンブローズによる決定成され時点で1,100丁以上のM249運用されまた、7,000程度倉庫保管されていた。このうち運用されているものについては後ほど改良キットPIP キット)の後付を行うこととされ、倉庫保管されているものについては直接改修を行うこととされた。その後改良キット完成と共にM249製造再開された。1994年M249制式名称M249軽機関銃M249 light machine gun)に変更された。

※この「開発・採用の経緯」の解説は、「M249軽機関銃」の解説の一部です。
「開発・採用の経緯」を含む「M249軽機関銃」の記事については、「M249軽機関銃」の概要を参照ください。

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