金剛型宇宙戦艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 17:08 UTC 版)
「宇宙戦艦ヤマトシリーズの地球の戦闘艦」の記事における「金剛型宇宙戦艦」の解説
沖田艦のリメイク艦。『2199』『星巡る方舟』『2202』『ヤマトという時代』に登場する。デザイン担当は玉盛順一朗、艦内は山根公利が担当。 デザインの細かい変更と新たな設定が施されており、沖田艦に相当する艦には「キリシマ」という艦名が設定されている。 艦型・カラーリングは『ヤマト』と同様だが、各部がディティールアップされているのと同時に、独自の設定が加えられている。艦首の開口部が砲口と解釈され、陽電子衝撃砲(「ヤマトの主砲」と同種の砲)と設定されたほか、艦橋と砲塔が一体化した特異な様式の艦橋砲は、目標の捕捉・照準・射撃を一元化して効率を高めるために後から増設されたものと理由付けされている。その他、武装面では艦体上下の8門ずつ計16門のミサイル垂直発射管や対宙機銃などが新たに設定された。 『ヤマト』で艦底にあった艦載機格納ハッチは艦体両舷へと設置されており、艦載機を収容する際はハッチを開き、フックアームを艦載機にドッキングさせて艦内へ引き入れる。 艦内の重力・慣性制御機能はなく、艦内は無重力状態であるため、乗員は磁力靴を履いて身体を床に固定している。 なお、「キリシマ」の進宙は西暦2171年で、上述の艦橋砲や陽電子衝撃砲などは2190年代後半に「コンゴウ」「ハルナ」「キリシマ」の3隻に対し施された近代化改修で設置されたものとされており、対宙機銃もメ号作戦参加前に増設されたものとされている。しかし、劇中では回想シーンにおいても改修後の姿で登場しており、改修前の姿で登場したことはない。 本作では「BBS-555 キリシマ」以外にも「BBS-551 コンゴウ」「BBS-552 ハルナ」「BBS-553 ヨシノ」「BBS-554 ミョウコウ」「BBS-556 ヒエイ」「BBS-557 チョウカイ」「BBS-558 フソウ」の計7隻の同型艦が建造されたが、対ガミラス戦役の中、「ヨシノ」「ミョウコウ」「ヒエイ」「チョウカイ」「フソウ」の5隻が外惑星防衛戦、「コンゴウ」「ハルナ」の2隻がカ号作戦で失われ、物語開始時点で残存しているのは「キリシマ」のみとなっているという設定が加えられている。 ちなみに、「金剛型」の設計・製造は南部造船が行っているという設定も加えられている。 改修前の艦容は『ヤマトという時代』にて新たにデザインされている。かねてよりの設定通り艦橋と砲塔が別々となっているほか、艦首や艦尾の安定翼が小ぶりで、舷側には格納庫ハッチが存在せず、艦底のインテイク状構造物は左右二分割となっている。艦首には陽電子衝撃砲ではない小口径の砲門が存在している。また、同作では国連宇宙軍の標準艦として設計された巡洋戦艦「AU艦シリーズ」の一仕様とされた。AU艦のデザインは、上記の改修前の金剛型よりも改修後の金剛型に近いシルエットだが、上部の砲塔が1基のみ、艦橋は艦体に半埋め込み状態、側面の凹凸が少ない、格納庫のハッチが無い、艦首砲が存在しないといった差異がある。このデザイン自体は改修前の金剛型のデザインを検討する際の素案として描かれたもので、正式設定かは不明。ただし、本作のBD・DVDの初回特典スリーブケースの裏面にはこの艦が描かれている。 劇中での登場 宇宙戦艦ヤマト2199 劇中で登場するのはキリシマのみで、回想シーンなども含めて第1・3・11・17話に登場する。国連宇宙海軍・極東方面空間戦闘群・連合宇宙艦隊・第一艦隊旗艦を務めており、『ヤマト』と同様に第1話の冥王星沖海戦(メ号作戦)に参加。国連宇宙海軍・連合宇宙艦隊司令長官の沖田十三が座乗し、艦長は山南修が務める。また、徳川彦左衛門・薮助治・平田一らも乗艦していた。ガミラス艦隊と交戦するも旧作同様主砲をはじき返され、一方的に叩かれるが、最終的に「イスカンダルからの通信カプセルを回収するための陽動作戦」というメ号作戦の所定の目的だけは果たし、傷だらけになりながらも唯一地球に帰還した艦となる。 第3話では、地球大気圏を離脱するヤマトを見送っている。この時は土方竜が座乗しており、艦長の山南やクルー一同と共にヤマトへ敬礼を送っている。漫画版(むらかわみちお) 単行本第1巻において、ヤマトを目掛けて発射された惑星間弾道弾の軌道変更を試みて同弾に攻撃を加え、軌道は変えられなかったが着弾(予想)時刻を数分遅らせることには成功した。また、単行本第6巻における沖田の第二次火星沖海戦の回想中で、金剛型宇宙戦艦と村雨型宇宙巡洋艦の艦首陽電子衝撃砲の発砲が描写されている。 小説版(豊田巧) 漫画版と同様に惑星間弾道弾の軌道変更を試みる。この際、通常火器ではなく艦首陽電子衝撃砲を使用するが、命中はしたものの一切通用しなかった。 宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟 時系列上は『2199』第3話に相当するプロローグに登場し、ヤマト護衛任務後、月面に孤立していた空間騎兵第7連隊の救出を行っている。 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち キリシマが第4話に登場する。退役艦となっており、ヤマト乗組員が秘密裏に集合する際に利用される。 外伝小説では、退役後の扱いが決まらず、古い宇宙港に放置されていたところを、同港に左遷されていた平田の手引きで利用されたという裏事情が描写されている。 「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択 既存のシーンのほか、序盤の新作パートにも登場。第二次火星沖海戦にて艦首陽電子衝撃砲によりガミラス艦を撃沈している。 また、1カットではあるが、進宙当初の姿も登場する。
※この「金剛型宇宙戦艦」の解説は、「宇宙戦艦ヤマトシリーズの地球の戦闘艦」の解説の一部です。
「金剛型宇宙戦艦」を含む「宇宙戦艦ヤマトシリーズの地球の戦闘艦」の記事については、「宇宙戦艦ヤマトシリーズの地球の戦闘艦」の概要を参照ください。
- 金剛型宇宙戦艦のページへのリンク