通勤種別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 05:17 UTC 版)
通勤快速や通勤急行等、ラッシュ時に通勤需要に対応するための列車。種別名に通勤が冠されることが多いが、冠されない場合もある。路線・会社ごとに、日中の停車駅の数から増減がある。原則的に朝ラッシュ時は都心に行き、夕方都心から帰ってくる乗客向けに、平日朝の上りと、平日夕方・夜間の下りに運転されるが、例外的に朝の下り、夕方・夜間の上りに運転されるものもある。基本的に日中や土曜日・休日ダイヤは設定されない。
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通勤種別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 02:05 UTC 版)
朝夕のラッシュ時のみ運転される、通勤・通学客向けの列車で、「通勤特急」・「通勤特快」・「通勤快急」・「通勤急行」・「通勤準急」・「通勤快速」などがこれにあたり、東京近郊で多く採用されている。たいていの列車の場合、別途料金がかからない列車で運行されるが、JRにおいて定員制列車であるホームライナーが運行されてきたことで、他の鉄道でも有料列車の中にはこのような運行系統を有するものもある。 「通勤」が付かない列車より停車駅が多いか少ないかは、会社・路線によって異なる。また、会社によっては「通勤」という称を冠しない場合もある。 「通勤」の英語表記は、Commuter(案内板など表示場所の制約がある場合、Comm.と略されることがある) を用いることが多い。 なお、「通勤」種別とは逆に行楽用の列車としては「ホリデー快速」などがある。「通勤」種別は基本的に平日のみの運転だが、京成本線の「通勤特急」(後述)のみ、土曜・休日にも運転される。 従来は通勤種別であったものが通勤時間帯以外にも運行時間帯拡大するため名称変更で通勤種別ではなくなった例も存在し、山陽電気鉄道本線の通勤特急→S特急、東武伊勢崎線の通勤準急→急行、京王線の通勤快速→区間急行等が該当する。 JR中央線(東京圏)における通勤種別 「中央線快速#運行形態」も参照 「通勤特快」は、中央特快より停車駅が5駅少なく、中央特快が停車する西八王子駅・豊田駅・日野駅・三鷹駅・中野駅を通過する。また、この列車種別は上り5本のみの運用である。 「通勤快速」は中央特快より停車駅が2駅多く、中央特快が通過する荻窪駅・吉祥寺駅に停車する。また、下り列車のみの設定である。 いずれの種別も青梅駅を始発・終着とする列車が存在するが、通常の「快速」と同様青梅線内は各駅停車である。 JR東海道線(東京圏)における「通勤快速」 この通勤快速は、快速「アクティー」が停車する川崎駅・横浜駅・戸塚駅を通過し、品川駅 - 大船駅間が無停車となる。また、この種別は平日夜の下り東京駅始発小田原駅行き3本のみの運行である。大船以西の停車パターンはアクティーと同一であり、すなわち途中停車駅は新橋駅・品川駅・大船駅・藤沢駅・茅ケ崎駅・平塚駅・国府津駅である。 2021年3月12日の運転をもって運行終了。 JR高崎線における「通勤快速」 この通勤快速は、快速「アーバン」が停車する上尾駅・桶川駅を通過し、快速アーバンが通過する尾久駅に停車する。上野駅 - 高崎駅・前橋駅間の途中停車駅は尾久駅・赤羽駅・浦和駅・大宮駅・鴻巣駅・熊谷駅 - 高崎駅・前橋駅間の各駅である。下り列車2本に限り上尾駅・桶川駅にも停車する。上野駅 - 大宮駅間は宇都宮線の通勤快速と同様の停車駅である。 2021年3月12日の運転をもって運行終了。 JR宇都宮線における「通勤快速」 この通勤快速は、快速「ラビット」が停車する蓮田駅を通過し、快速ラビットが通過する尾久駅に停車する。上野駅 - 宇都宮駅間の途中停車駅は尾久駅・赤羽駅・浦和駅・大宮駅・久喜駅・古河駅・小山駅 - 宇都宮駅間の各駅である。夕方の上り1本は黒磯駅発で運行されているが、こちらも小山駅までは各駅停車である。上野駅 - 大宮駅間は高崎線の通勤快速と同様の停車駅である。 2021年3月12日の運転をもって運行終了。 JR総武快速線における「通勤快速」 この通勤快速は、通常の快速が停車する新小岩駅・市川駅・津田沼駅・稲毛駅・総武本線物井駅を通過する。1日2往復(朝上り・夜下り2本ずつ)のみの運行。いずれの列車も成田線成田駅を上りの始発駅および下りの終着駅(上りの始発の1本のみ成田空港駅発)とするが、上りが横須賀線逗子駅まで運行されるのに対し、下りは東京発である。横須賀線や成田線内(佐倉駅以北)は各駅に停車。 2022年3月11日の運転をもって運行終了。 JR埼京線における「通勤快速」 この通勤快速は、通常の快速より停車駅が5駅少なく、快速が停車する戸田公園駅・中浦和駅・南与野駅・与野本町駅・北与野駅を通過する。停車駅は、東京臨海高速鉄道りんかい線新木場駅 - 赤羽駅間の各駅・武蔵浦和駅・大宮駅 - 川越駅間の各駅である。平日の朝・夕および夜間に通常の快速に代わって運行される。以前は快速も中浦和駅・南与野駅・北与野駅を通過していたが、相鉄線直通列車新設に伴う2019年11月30日改正より、停車駅の差違が2駅から5駅に増えた。なお、埼京線は通勤新線として計画されたこともあり、JR・私鉄含め日本で一番最初に通勤快速が運行された路線であり、現在に至るまで通勤快速の本数は日本一を誇る。 JR京葉線における「通勤快速」 この通勤快速は、京葉線内の途中駅は八丁堀駅・新木場駅の2駅にのみ停車し、そのほかの駅はすべて通過する。内房線・外房線内は快速と同じ停車駅。(外房線乗り入れの通勤快速は、東金線・成東駅発および、外房線・勝浦駅発で運行。それぞれが誉田駅で連結。)なお、京葉線全線開通当時は新木場駅も通過していた。 東急東横線・みなとみらい線における「通勤特急」 特急より停車駅が3駅多く、特急が通過する日吉駅・馬車道駅・日本大通り駅に停車する。 かつての東急田園都市線における「通勤快速」 田園都市線では、現在は「急行」と「準急」が優等列車として運行されているが、その原型は「通勤快速」である。設定当初、快速も存在しなかったが、朝ラッシュ時のみに、「通勤快速」として速達列車が設定された。これは、「快速」や「急行」と称してしまうと、停車駅の変更ができなくなる恐れがあることを考慮したものである。当時、田園都市線沿線は開発中で、各駅の乗降人員の予測が外れる恐れがあった。他には例を見ない通勤種別である。 かつての京王線における通勤種別 「通勤快速」は、当時の「快速」より停車駅が3駅少なく、快速が停車する下高井戸駅・八幡山駅・仙川駅を通過していた。しかし2013年2月22日改定より通勤時間帯以外にも運行時間帯を拡大するため「区間急行」へ改称され消滅した。なお、現在の「区間急行」は仙川駅も停車駅に追加されている。 同線は、かつて「通勤急行」が設定されていたが、1992年に「急行」がつつじヶ丘駅にも停車するようになったため両者が同一化、急行に統合されて消滅した。 西武池袋線における通勤種別 「通勤急行」は、急行より2駅停車駅が多い。急行が通過する大泉学園駅・保谷駅・東久留米駅に停車するが、逆に急行が停車するひばりヶ丘駅を通過する。 「通勤準急」は準急より停車駅が1駅少ない。準急が停車する石神井公園駅を通過する。2008年6月15日までは練馬駅も通過した。練馬駅に停車するようになったことで、平日朝の池袋線池袋行き準急が通勤準急に完全に置き換えられた。 西武新宿線における通勤種別 「通勤急行」は急行よりも停車駅が7駅少なく、従来急行の各駅停車区間にあたる本川越駅 - 田無駅間でも通過運転を行う。 かつての東武東上線における「通勤急行」 志木駅以西において急行より停車駅が多く、急行が通過運転を行う志木駅 - 川越駅間は各駅に停車する。逆に急行が停車する朝霞台駅を通過する。つまり、成増駅以西各駅停車となる準急と比べて、停車駅が2駅少ないだけである。2016年3月のダイヤ改正で、準急と統合され消滅することとなった。 東京メトロ東西線における「通勤快速」 快速よりも停車駅が3駅多く、快速が通過する南砂町駅、西葛西駅、葛西駅に停車する。 東京メトロ副都心線における「通勤急行」 急行よりも停車駅が3駅多く、和光市駅 - 小竹向原駅間は各駅に停車するが、逆に急行が停車する明治神宮前駅を通過する。 西武池袋線の通勤急行・通勤準急、東武東上線の通勤急行、東京メトロ副都心線の通勤急行のように、上位の種別が停車する駅を通過することを、停車駅が互い違いになることから千鳥停車という。 京成電鉄における「通勤特急」 「京成本線#通勤特急」も参照 停車駅は京成上野駅・押上駅 - 勝田台駅間では特急と同様で、勝田台駅 - 成田空港駅・芝山千代田駅間では各駅に停車する。乗り入れ先である都営浅草線内では各駅に停車する列車が多い。一部に京急線(本線・空港線)内はエアポート急行として、都営浅草線内はエアポート快特として運行し、押上駅以東の京成線内のみ通勤特急となる。京成線では、同様に土休日を含むラッシュ時に、快速特急も運転される。なお、現在の通勤特急は3代目である。 首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスにおける「通勤快速」 2012年10月15日のダイヤ改正で登場。快速よりも停車駅が4駅多く、快速が通過する六町駅、八潮駅、柏の葉キャンパス駅、研究学園駅に停車する。区間快速とは千鳥停車の関係にあり、区間快速が通過する六町駅に停車し、区間快速が停車する三郷中央駅、みらい平駅、みどりの駅、万博記念公園駅を通過する。 小田急小田原線における通勤種別 「通勤急行」は急行よりも停車駅が2駅少なく、急行が停車する登戸駅と経堂駅を通過する。なお、経堂駅に関しては、2018年3月17日のダイヤ改正まで上り急行の一部が通過してこともあり、現在でも成城学園前駅到着前には、経堂駅に止まらない旨が案内されている。快速急行とは千鳥停車の関係にあり、快速急行が通過する向ヶ丘遊園駅・成城学園前駅に停車し、快速急行が停車する登戸駅を通過する。 「通勤準急」は準急よりも3駅少なく、準急が停車する千歳船橋駅・祖師ヶ谷大蔵駅・狛江駅を通過する。 相模鉄道における通勤種別 「通勤特急」は特急よりも停車駅が1駅多く、特急が通過する鶴ヶ峰駅に停車する。 「通勤急行」は急行よりも停車駅が2駅多く、急行が通過する西谷駅・鶴ヶ峰駅に停車する。 静岡鉄道静岡清水線における「通勤急行」 静岡鉄道静岡清水線では、2011年10月1日のダイヤ改正で15年ぶりに急行が復活したが、下り列車(新清水駅行き)のみの設定とされ、上り列車(新静岡駅行き)で急行に相当する種別の列車は、「通勤急行」の名称で設定された。通勤急行は、桜橋駅 - 草薙駅間は急行と同じく4駅に連続停車するが、その先新静岡駅までの停車駅は古庄駅・日吉町駅の2駅で、同区間を県総合運動場駅のみ停車で運行する急行より1駅多く、かつ共通の停車駅がないという運行パターンとなっている。 なお、急行・通勤急行のいずれも平日朝ラッシュ時のみの運行となっている。 かつてのJR東海道本線(静岡圏)における「通勤快速」 静岡地区において2007年3月17日まで運行されていた。静岡地区ではムーンライトながら以外で唯一定期的に運行されていた快速である。豊橋駅 - 静岡駅間を平日のみ、1日1往復運行していた。朝の時間帯には上り、夕方の時間帯には下りが運転され、いずれも豊橋駅 - 島田駅の各駅および静岡駅に停車していた。なお、この地区の一部ではホームライナーが運転されている。 中京圏(名古屋近郊)における通勤種別 中京圏では現在では私鉄・JRともに「通勤○○」といった名称の列車種別は設定されていない。 JR東海では「特別快速(東海道線)」や「区間快速(東海道線・武豊線直通および関西線)」がそれに該当する。東海道線と中央線ではホームライナーが運転されている。過去には中央線で「通勤快速」が設定されていた時期があった。 名古屋鉄道では「快速急行」がラッシュ時に運行されるほかは、途中駅で列車種別を変更したり、その種別の標準停車駅以外の駅に一部列車が特別停車させたりすることでラッシュに対応している。近畿日本鉄道(名古屋線)などの他の私鉄では、ラッシュ時限定の速達列車の運行はない。 京阪電気鉄道における通勤種別 「京阪特急#ライナー」も参照 京阪本線においては2017年8月21日より、「ライナー」が運転開始。 平日朝ラッシュ時に枚方市発淀屋橋ゆき1本、樟葉発淀屋橋ゆき1本、出町柳発淀屋橋ゆき1本の計3本が運行されている。 2008年10月19日のダイヤ改正で、それまで平日朝ラッシュ時に守口市を通過していた下り(淀屋橋ゆき)「準急」を「通勤準急」として設定し、同改正で新設された「快速急行」の停車駅から守口市を除いた「通勤快急」(平日朝ラッシュ時の下りのみ運行)も新設された。また、「通勤特急」に類似する列車として「K特急」が、2003年~2008年までの平日朝夕のみ運行されていた。停車駅は「特急」の停車駅に比べ2駅(枚方市・樟葉)少ないが、朝ラッシュ時の淀屋橋行きは枚方市にも停車していた。なお、K特急は先述のダイヤ改正で「快速特急」に改称された。なお、「通勤急行」は2020年現在、設定されていないが、種別幕は存在。 阪急電鉄各線における通勤種別 阪急電鉄では路線によって役割が異なる。京都本線における「通勤特急」は「特急」が停車する淡路駅を通過し、「特急」が通過する西院駅・大宮駅に停車する千鳥式停車になっている。一方の神戸本線における「通勤特急」は「特急」の停車駅に塚口駅を加えたものとなっている。 宝塚本線の「通勤特急」は2015年3月21日のダイヤ改正で新設された。これは川西能勢口駅から梅田駅までの片方向のみ5本運行され、改正前日の20日まであった「通勤急行」と同様、「特急日生エクスプレス」の停車駅に豊中駅を加えたものとなっている。神戸本線に「通勤急行」という種別が存在し、「急行」の停車駅に武庫之荘駅を加えたものになっている。宝塚本線には、2015年3月20日まで「通勤準急」という種別もあった。これは「準急」の停車駅から中津駅・曽根駅・岡町駅を除き(つまり急行と同じ停車駅である)、石橋駅(現:石橋阪大前駅)より先箕面線へ直通していた。
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