日生エクスプレスとは? わかりやすく解説

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日生エクスプレス

(特急日生エクスプレス から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/13 04:43 UTC 版)

日生エクスプレス
8000系8007Fによる「日生エクスプレス」
(2019年8月2日 阪急池田駅
概要
日本
種類 特急列車
現況 運行中
地域 大阪府兵庫県
運行開始 1997年11月17日
運営者 阪急電鉄
能勢電鉄
路線
起点 大阪梅田駅
停車地点数 9駅
終点 日生中央駅
営業距離 28.0 km
平均所要時間 約40分
運行間隔 約16分間隔(大阪梅田行き)
20分間隔(日生中央行き)
列車番号 8000からの偶数(大阪梅田行き)
8001からの奇数(日生中央行き)
使用路線 阪急:宝塚本線
能勢:妙見線日生線
車内サービス
クラス 普通車
座席 普通車自由席
技術
車両 阪急2000系
阪急1000系
阪急8000系
阪急6000系
能勢電鉄6000系
軌間 1,435 mm
標準軌
電化 直流1,500 V
架空電車線方式
最高速度 宝塚本線:100 km/h
妙見線:70 km/h
日生線:80 km/h
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日生エクスプレス(にっせいエクスプレス)は、阪急電鉄大阪梅田駅 - 能勢電鉄日生中央駅間において、平日の朝夕ラッシュ時間帯に運転されている直通の特急列車の愛称。

この「日生エクスプレス」という愛称は、公募によって「イチロ・ニッセイ(イチロ・ニッサンをもじって)」「スターエクスプレス(日生→星)」などの多数の応募の中から選出・決定されたものである。愛称に冠されている「日生」は列車の乗り入れ先である能勢電鉄日生線や終着駅である日生中央駅にちなんだものであるが、この語は阪急日生ニュータウンの開発者である命保険に由来するものである。

ここでは、同列車の代替として2017年平成27年)3月まで土曜日に運転されていた能勢電鉄の日生急行(にっせいきゅうこう)についても記述する。

運行概況

阪急宝塚本線 - 能勢電鉄妙見線 - 能勢電鉄日生線の2社3路線を直通運転している。阪急の通常の特急列車と同様、特急料金なしで利用することができる。また、能勢電鉄線内の定期便においては唯一の通過運転を行う優等列車である。

全列車が大阪梅田駅 - 日生中央駅間で運転され、7往復(朝ラッシュ時間帯に上り大阪梅田行きのみ、夕ラッシュ時間帯に下り日生中央行きのみ各7本)設定されている。

編成は全列車8両編成であるが、2015年(平成27年)3月21日のダイヤ改正以前は朝の梅田(現在の大阪梅田)行きは川西能勢口駅で宝塚寄りに2両を増結し、川西能勢口駅 - 梅田駅間を10両編成で運行する列車があった[1][2]

宝塚本線と妙見線の連絡は大阪梅田行き・日生中央行きともに川西能勢口駅3号線に入線し、乗務員の交替後、スイッチバックで発車する。

1997年(平成9年)11月の運行開始当時、阪急宝塚本線には梅田駅(現:大阪梅田駅) - 宝塚駅間を結ぶ特急列車(以下本線特急)が別途設定されており、同線内での停車駅は特急「日生エクスプレス」と同一であった。

しかし、2000年(平成12年)6月4日のダイヤ改正以降、本線特急は停車駅に新たに3駅が加えられる形で当初の2倍の6駅へと変更され、運転時間帯も含めて差別化が図られた。これにより、「日生エクスプレス」の名称は特急列車の愛称よりも種別としての位置づけに近くなった。なお、本線特急は2003年(平成15年)8月30日のダイヤ改正をもって廃止されている[3]

停車駅

阪急電鉄 能勢電鉄
宝塚本線 妙見線 日生線
大阪梅田駅 - 十三駅 - 石橋阪大前駅 - 池田駅 - 川西能勢口駅 - 平野駅 - 畦野駅 - 山下駅 - 日生中央駅

使用車両

現在の使用車両

2025年(令和7年)3月現在

平井車庫所属の8両編成が使用されている。

なお、上記の車両には阪急用と能勢電鉄用の列車無線アンテナを装備しており、阪急1000系・2000系以外は、列車無線アンテナが2本ある。

過去の使用車両

  • 阪急7000系電車
    • 2両編成の増結車であったが、2015年(平成27年)3月21日のダイヤ改正で10両編成廃止に伴い離脱。

日生急行

2017年(平成29年)3月18日のダイヤ改正[5][6]以前には、特急「日生エクスプレス」が運休となる土曜日朝ラッシュ時間帯に、代替として能勢電鉄内の停車駅が同一である日生急行を、日生中央発川西能勢口行きを2本運行していた。日生急行は能勢電鉄の4両編成で運転され、川西能勢口到着後は回送や普通で日生中央方面へ折り返していた[注 1]。なお英語で「Nissei Express」と示した場合は種別としての「日生急行」の方を指す。特急「日生エクスプレス」の英語表記は種別としての「特急」を指す「Limited Exp.」である。

沿革

「日生エクスプレス」の運行開始

特急「日生エクスプレス」運行開始される前の1981年(昭和56年)3月9日改正より日生中央発川西能勢口行き「日生急行」が存在していた[7]。停車駅は山下駅と畦野駅で、平野駅は通過であった。これは日生急行が妙見急行と比べて利用者数が多く、上り川西能勢口行きは平野での乗車が困難だったためとされている。1996年(平成8年)から1997年(平成9年)には阪急宝塚本線の特急と接続する下り日生中央行きの日生急行も設定され、これも平野駅通過だった。下り日生急行は1997年(平成9年)11月の特急「日生エクスプレス」設定とともに廃止された。特急「日生エクスプレス」も、当初は平野駅を通過予定だった。これは前述の乗客数の理由とは別に、当時は平野駅が用地の関係から、8両編成対応工事が困難だったためである。結局、地元の反対を受け、1番線と2番線のみ川西能勢口側の踏切脇までホームを8両対応まで延伸した上で、特急「日生エクスプレス」は運行開始から平野駅に停車することとなった。

年表

  • 1996年(平成8年)3月24日:阪急電鉄・能勢電鉄 川西能勢口駅の高架駅舎が完成[8]
  • 1997年(平成9年)
    • 11月16日:阪急電鉄・能勢電鉄 ダイヤ改正[8]。川西能勢口駅3号線を使用開始。同日日生中央駅前交通広場で「特急日生エクスプレスまつり」が開催され、浜村淳匠ひびきを招いたトークショーの他、貸切列車を運行。
    • 11月17日:梅田駅(現在の大阪梅田駅) - 日生中央駅間で特急「日生エクスプレス」の運行を開始。1日6本(上り3本、下り3本)運行(上下とも30分間隔)[8][9][10]
  • 2000年(平成12年)6月4日:ダイヤ改正により増発。1日7本(上り15分間隔3本、下り20分間隔4本)となる[11]
  • 2003年(平成15年)8月30日:ダイヤ改正により増発。1日14本(上り7本、下り7本)となる。停車駅に池田駅が追加された[3]
  • 2009年(平成21年)
  • 2010年(平成22年)4月25日・26日:沿線で開催された「つるやオープンゴルフトーナメント」に合わせ、臨時特急「日生エクスプレス」を梅田発日生中央行きで運転[18][19]
  • 2011年(平成23年)4月25日・26日:沿線で開催された「つるやオープンゴルフトーナメント」に合わせ、臨時特急「日生エクスプレス」を梅田発日生中央行きで運転[20]
  • 2014年(平成26年)7月31日:阪急6000系8両編成×1本が能勢電鉄に譲渡されたことにより、運行形態が阪急車の片乗り入れから相互直通運転に変更[21][22]
  • 2015年(平成27年)
    • 3月21日:ダイヤ改正により、上り列車の川西能勢口駅 - 梅田駅間での10両編成の運転を廃止し、全列車8両編成に統一[1][2]。阪急1000系の使用を開始[23]
    • 秋:春・秋の行楽期の臨時特急「日生エクスプレス」の運行を取り止め。
  • 2017年(平成29年)11月17日:運行開始20周年を迎え、一部の車両に記念のヘッドマークを掲出[24]
  • 2025年令和7年)5月2日:阪急2000系の使用を開始。[要出典]

脚注

注釈

  1. ^ ただし、廃止後は阪急宝塚本線のダイヤ乱れで「日生エクスプレス」の運転が中止された際は臨時で運行している。

出典

  1. ^ a b 3月21日初発より宝塚線のダイヤ改正を実施 (PDF) - 阪急電鉄(2015年1月20日)
  2. ^ a b 鉄道線のダイヤ改正について - ウェイバックマシン(2015年1月20日アーカイブ分) - 能勢電鉄(2015年1月20日)
  3. ^ a b 宝塚線ダイヤ改正について - ウェイバックマシン(2003年8月6日アーカイブ分) - 阪急電鉄(2003年7月14日)
  4. ^ 2000系:車両図鑑 - 阪急電鉄(2025年9月13日閲覧)
  5. ^ 鉄道線のダイヤ改正について - ウェイバックマシン(2017年2月3日アーカイブ分) - 能勢電鉄(2017年1月20日)
  6. ^ 【能勢電鉄】〈日生急行〉運行終了」-『鉄道ホビダス(鉄道投稿情報局)』、ネコ・パブリッシング(2017年3月13日)
  7. ^ 『日本鉄道旅行歴史地図帳 10号 関西私鉄』、P.58
  8. ^ a b c 『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄 14号』、P.16
  9. ^ 『100年のあゆみ 部門史』、P.99
  10. ^ 「私鉄年表」-『私鉄車両編成表'98年版』、P.192
  11. ^ 『100年のあゆみ 部門史』、P.208
  12. ^ 臨時“日生エクスプレス”運転」-『railf.jp(鉄道ニュース)』、交友社(2009年4月25日)
  13. ^ 【阪急+能勢電鉄】臨時特急〈日生エクスプレス〉運転」-『鉄道ホビダス(鉄道投稿情報局)』、ネコ・パブリッシング(2009年4月27日)
  14. ^ 沿線各地にて臨時直通列車を運行します (PDF) - 阪急電鉄・能勢電鉄(2009年10月22日)
  15. ^ 【能勢電鉄+阪急】秋の臨時特急〈日生エクスプレス〉運転開始」-『鉄道ホビダス(鉄道投稿情報局)』、ネコ・パブリッシング(2009年11月2日)
  16. ^ 京都線のダイヤ改正について - ウェイバックマシン(2009年12月21日アーカイブ分) - 阪急電鉄(2009年12月9日)
  17. ^ 春の臨時列車運転のご案内 (PDF) - 阪急電鉄(2010年4月23日)[リンク切れ]
  18. ^ 臨時“日生エクスプレス”運転」-『railf.jp(鉄道ニュース)』、交友社(2010年4月26日)
  19. ^ 【能勢電鉄】今春の臨時特急〈日生エクスプレス〉」-『鉄道ホビダス(鉄道投稿情報局)』、ネコ・パブリッシング(2010年4月26日)
  20. ^ 臨時特急“日生エクスプレス”運転」-『railf.jp(鉄道ニュース)』、交友社(2011年4月25日)
  21. ^ 阪急電鉄からの6000系車両の取得、運行に関するお知らせ - ウェイバックマシン(2014年8月8日アーカイブ分) - 能勢電鉄(2014年7月31日)
  22. ^ 阪急6000系6002編成が能勢電鉄に移籍」-『railf.jp(鉄道ニュース)』、交友社(2014年8月12日)
  23. ^ 【能勢電鉄+阪急電鉄】今春ダイヤ改正の「特急 日生エクスプレス」の話題」-『鉄道ホビダス(鉄道投稿情報局)』、ネコ・パブリッシング(2015年3月25日)
  24. ^ 阪急8000系に特急「日生エクスプレス」運転開始20周年記念ヘッドマーク鉄道ニュース」-『railf.jp(鉄道ニュース)』、交友社(2017年10月3日)

参考文献

  • 『私鉄車両編成表'98年版』、ジェー・アール・アール(1998年9月25日、ISBN 978-4-882-83219-5
  • 『100年のあゆみ 部門史』、阪急阪神ホールディングス(2008年)
  • 今尾恵介、原武史(監修)『日本鉄道旅行歴史地図帳 10号 関西私鉄』、新潮社(2011年2月18日、 ISBN 978-4-107-90044-9
  • 曽根悟(監修・著)、朝日新聞出版分冊百科編集部(編)『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄 14号 神戸電鉄・能勢電鉄・北条鉄道・北近畿タンゴ鉄道』、朝日新聞出版(2011年6月19日)




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