軍艦武蔵戦闘詳報とは? わかりやすく解説

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軍艦武蔵戦闘詳報

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 02:16 UTC 版)

武蔵 (戦艦)」の記事における「軍艦武蔵戦闘詳報」の解説

1944年10月24日9:30 大和、武蔵見張員がアメリカ陸軍B-24爆撃機偵察機)を発見10:00大和能代レーダー100キロ彼方に敵機大編隊を発見10:25 アメリカ軍機約40機を見張員が発見。しかし乱積雲中に見失う10:2510:27 第一次空襲44機。うち武蔵への来襲機数17機)。見失ったアメリカ軍編隊右舷雲間より急襲被弾1、被雷1、至近弾4。一番主砲塔天蓋命中するも、砲塔への被害無し至近弾により艦首水線下に僅かに漏水被雷衝撃により前部主砲射撃方位盤故障浸水により右舷に5.5度傾斜するも注排水により傾斜角1度まで回復主砲発射せず、副砲48発を発砲11:3811:45 第二次空襲来襲機数16機)。被弾2、被雷3、至近弾5。被雷浸水により今度左舷5度傾斜する排水により傾斜角1度まで回復艦首戦闘開始前に比べ2m沈下甲板貫通した250kg爆弾第十兵員室で炸裂、第2機械室の主蒸気管を破損し室内水蒸気充満火焔侵入重なり第2機械室使用不能に陥る。これにより3軸運転、最大速力22ktに低下主砲発射9発、副砲17発。 12:17 第三次空襲来襲機数13機)。被弾0、被雷1、至近弾3。被雷により測程儀室・測深儀破壊前部戦時治療室ガス充満の為使用不能主砲発射13発、副砲43発。戦闘後司令部より「コロン向かえ」との命令が下る。 12:23 第四次空襲来襲機数20機)。12時53分、被弾4、被雷4。主砲発射15発、副砲37発。再び右舷大きく傾斜する排水により傾斜角1度まで回復艦首、更に3m沈下したためトリム修正為の注水を行う。最大速力16ノット艦隊輪型陣から落伍司令部から「付近の港に退避する浅瀬乗り上げ適当な応急対策を講ぜよ」と下命。「武蔵北方在りて警戒に任ぜよ」との命令従い栗田艦隊第二部隊駆逐艦清霜浜風重巡洋艦利根護衛に付く。 13:15 第五次空襲来襲機数0機)。艦隊輪型陣から離脱していたため攻撃を受けなかった。アメリカ軍機は大和長門攻撃集中した。なお武蔵大和への援護射撃で5機撃墜報告している。主砲7発発射。 14:4515:21 第六空襲来襲機数75機)。主砲発射10発、副砲58発。集中攻撃を受け、爆弾10発以上、魚雷11発以上、至近弾6発以上を受け大火災起こすまたしても左舷10度傾斜取舵と注排水により左6度まで回復した艦首更に4m以上沈下し一番砲塔左舷側まで波で洗われる態となる。前部艦橋にも直撃弾、航海長高射長など准士官以上11名を含む57名が戦死猪口艦長右肩重傷を負うも指揮続行これ以上戦力発揮不可能と判断し司令部摩耶乗組員生存者移乗打診17:30摩耶乗組員生存者武蔵乗組員負傷者舷側に接弦した駆逐艦島風移乗。1軸のみ使用可能で、6ノットにて微速航行19:15 傾斜角暫時増大し左舷12度となり傾斜復旧見込み無し総員退去用意下命軍艦旗降下19:30 傾斜角30度。総員退艦命令19:35 左舷転覆連続爆発2回、艦首より沈没し始めた沈没位置東経12232分・北緯13度7分・水800m戦闘状況伝え主な一次資料として貴重な戦闘詳報であるが、レイテ沖海戦における「軍艦武蔵戦闘詳報」には疑問指摘する声がある。帝国海軍技術大尉だった内藤初穂によると『世界の艦船 No.512』「大東亜戦争における旧海軍の『戦闘詳報』」において、武蔵戦闘記録栗田艦隊艦戦詳報アメリカ軍記録照合した結果疑わしい点が多々ある指摘している。沈没位置駆逐艦清霜記録した東経122度41.5分、北緯12度48分」とずれており、主砲発射時期生存者や他艦の記録異なり、さらに栗田艦隊各艦の空襲記録(計5)とは開始時間回数それぞれが違う。たとえば、武蔵1315分の第五次空襲で「大和長門敵機集中攻撃」としているが、長門では同時空襲第三次空襲記録した上で発砲したのは1337分、発砲停止14時11分である。内藤武蔵記録は「創作戦闘詳報」に近いと評し、「今のうちにしかるべき証言者を得てしかるべき注記原史料に貼付しておかなければならない」としている。 『戦艦武蔵建造記録でも、栗田艦隊各艦の報告武蔵報告一致しないことを指摘し戦史叢書元に戦闘記録まとめている。武蔵戦闘詳報があいまいとなった最大理由は、第一艦橋への直撃弾で航海部と信号部が全滅し、彼らが記載していた戦闘記録航跡図、信号記録消失したためである。第一艦橋全滅後に信号部の先任となった細谷四郎は、武蔵の高級将校早々に内地戻ったために、戦闘詳報下士官兵証言取り入れなかった為と述べている。 なお、武蔵戦闘詳報の「令達報告等」の項目には「亡失付き誤あるやもしれず」の注がつけられている。

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