艦上発射型とは? わかりやすく解説

艦上発射型 (SSM)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 14:49 UTC 版)

対艦ミサイル」の記事における「艦上発射型 (SSM)」の解説

詳細は「艦対艦ミサイル」および「地対艦ミサイル」を参照 ソビエト連邦では、艦対艦ミサイルについてはまず短射程P-15SS-N-2)を先行して開発し1959年よりミサイル艇搭載して配備開始した。また翌1960年には、250海里 (460 km)という長大射程を誇るP-6(SS-N-3)が登場し、こちらはアメリカ海軍空母任務部隊への対抗策として、潜水艦ミサイル巡洋艦搭載された。 これに対しアメリカ海軍で当初艦対空ミサイルSAM)で対艦兵器兼用する方針であり、また大戦中に建造された砲装型巡洋艦などの強力な艦砲多数残っていたこともあって、艦上発射型の巡航ミサイルはまず対地用の戦略兵器として配備された。一方西側諸国なかでも周辺諸国に対して海上兵力劣勢にあった北ヨーロッパ諸国イスラエルでは早くから艦対艦ミサイル着目しており、1966年にはスウェーデンRB 08を、また1972年にはイスラエルガブリエルノルウェーペンギン配備した1967年には、ソ連から提供されP-15ミサイル搭載したエジプト海軍ミサイル艇イスラエル海軍駆逐艦エイラート」を撃沈する事件発生し西側諸国SSM脅威強く印象づけた。続く1973年第四次中東戦争では、イスラエルシリアミサイル艇同士交戦ラタキア沖海戦)が発生し海戦ミサイル化を象徴する戦闘となった。これらは艦上発射前提として開発されたものであったが、その後上記のようにハープーンなどASM共通化したSSM主流となっていった。 なお、対艦ミサイルでは水上艦標的とするために遠距離から目標探知捕捉困難が伴うが、特にSSMでは発射プラットフォーム水上にあり、自ら目標探知捕捉できる範囲限られるため、電波水平線 (Radar horizon) 以遠の敵との交戦問題となる。このためラタキア沖海戦など初期SSMによる交戦はいずれ比較短距離戦われており、またエグゾセSSM初期モデル(MM38)が開発された際には、その発射プラットフォームとして想定されていた小型艦艇のレーダー電波探知装置での探知距離とマッチする程度射程距離でよいと考えられて、あえて延伸試みられなかった。これに対し初期から遠距離攻撃をも志向していたソビエト連邦では、航空機衛星レゲンダ)によるISRシステム構築図っていたほか、艦自身簡易的OTHレーダー搭載した。またNATO諸国でも、後にはSSM射程延伸を図るとともにLAMPSなど艦載ヘリコプターによって目標捕捉する体制整備したP-15 SSM ガブリエルSSM

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艦上発射型

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/10 14:24 UTC 版)

対艦兵器」の記事における「艦上発射型」の解説

艦砲」、「魚雷」、および「艦対艦ミサイル」も参照 大砲艦船搭載され艦砲として用いられるようになったのは14世紀からとされているが、当時大砲決して船を破壊した沈めたりするものではなく、弓と同じよう人間殺傷することを目的とした兵器であったその後19世紀にかけて炸裂弾導入砲弾大型化によって破壊力飛躍的に強化されたが、重砲化に伴って発射間隔長くなり単位時間あたりの投射火力がかえって低下したことや、射程延伸見合った照準方法が間に合わなかったこと、また装甲技術発達したことから、皮肉にも19世紀後半は、大砲効果大きく減殺された時代となった。 この時期には水雷兵器発達しており、まず小型ボート用いて敵艦外装水雷接触させる方法用いられたのち、自ら推進する魚雷開発され水雷艇など小型艦艇の主な対艦兵器として広く用いられるようになっていった。一方大型戦闘艦については、速射砲登場によって中口径砲破壊力向上し、また砲術発達によって重砲破壊力効果的に用いることができるようになると、より大口径・強力な砲を搭載できるように艦を大型化させるという大艦巨砲主義時代到来したその後航空機発達とともに航空主兵論台頭し第二次世界大戦艦艇対す航空機優位明確になったことから、軍艦装備としては対潜兵器対空兵器重視されるようになっていった。しかしソビエト連邦では、艦上から発射する巡航ミサイル対艦兵器として使用すること(艦対艦ミサイル)の有用性着目して、まず短射程P-15SS-N-2)を先行して開発し1959年よりミサイル艇搭載して配備開始した。また翌1960年には、250海里 (460 km)という長大射程を誇るP-6(SS-N-3)が登場し、こちらはアメリカ海軍空母任務部隊への対抗策として、潜水艦ミサイル巡洋艦搭載された。 これに対しアメリカ海軍で当初艦対空ミサイルSAM)で対艦兵器兼用する方針であり、また大戦中に建造された砲装型巡洋艦などの強力な艦砲多数残っていたこともあって、艦上発射型の巡航ミサイルはまず対地用の戦略兵器として配備された。一方西側諸国なかでも周辺諸国に対して海上兵力劣勢にあった北ヨーロッパ諸国イスラエルでは早くから艦対艦ミサイル着目しており、1966年にはスウェーデンRB 08を、また1972年にはイスラエルガブリエルノルウェーペンギン配備した1967年には、ソ連から提供されP-15ミサイル搭載したエジプト海軍ミサイル艇イスラエル海軍駆逐艦エイラート」を撃沈する事件発生し西側諸国SSM脅威強く印象づけた。続く1973年第四次中東戦争では、イスラエルシリアミサイル艇同士交戦ラタキア沖海戦)が発生し海戦ミサイル化を象徴する戦闘となった。これらは艦上発射前提として開発されたものであったが、その後上記のようにハープーンなどASM共通化したSSM主流となっていった。 前装式18ポンド砲 戦艦「アイオワ」の艦砲射撃 ガブリエルSSM

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