第二次試験車両
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2002年(平成14年)8月、フリーゲージトレイン技術研究組合発足 2003年(平成15年)、二次車両開発着手 2006年(平成18年)10月、JR四国多度津工場にて二次車両の台車走行試験 2007年(平成19年)3月5日 - 7日深夜、東京都国分寺市の鉄道総研から小倉工場へ輸送 12月9日 小倉工場 - 西小倉駅間で在来線の走行試験を開始 2009年(平成21年)5月18日 - 19日深夜、小倉工場から熊本操車場に回送 6月、不定期で新八代駅構内の軌間変換試験 6月22日 - 23日深夜、熊本操車場から小倉工場に向けて回送 7月、九州新幹線内で実験 2010年(平成22年)9月、軌間可変技術評価委員会で軌間可変機構などの技術確立をしたと評価 2011年(平成23年)3月、JR四国多度津工場に回送・改良台車完成 6月、予讃線での試験走行を開始 10月、軌間可変技術評価委員会で急曲線目標達成確認・軌間可変電車の基本技術を確立したと評価 12月、予讃線で在来線耐久試験を開始 2013年(平成25年)2月、予讃線多度津 - 伊予三島間で実施されていた走行実験の区間が2月12日から多度津-松山間に延長された。 2007年(平成19年)5月27日、鉄道建設・運輸施設整備支援機構により、JR九州小倉工場で、試験車両が報道公開された。GCT01-201、GCT01-202、GCT01-203の3両編成で、オール電動車(在来線区間交直両用)。車体はアルミニウム合金製。営業運転を意識し、中間車に座席が設けられた。駆動装置は、1次車で直接駆動方式とカルダン駆動方式と2種類設けられたものが、カルダン駆動方式に統一された。一方で、ブレーキシステムはディスクブレーキ(1、2号車)と、原動機内にブレーキを持つばね間ブレーキ(3号車)の2種類が設けられ、双方の有用性をはかる。高速性能を高めるために先頭形状をより抵抗の少ない流線型にし、各種機器の簡素化を図って車体が軽量化された。1、2号車に新在兼用の低騒音集電装置(パンタグラフ)が搭載された。空気ばねが利用された電子制御の車体傾斜装置が備えられた。新車両の開発費は1編成約30億円。 一次車両より軽量化された台車となり、振動、揺れが軽減され、乗り心地の改善が図られている。新幹線区間での最高速度は275km/h、在来線区間で130km/hが目標とされ、前者は270km/h運転を実現した が、在来線のカーブ区間では線路への高負荷のため80km/h程度と目標に及ばなかった。 新八代駅構内に新在直通試験線と交流25kV - 20kV(60 Hz)のデッドセクション、軌間可変装置が設置された。 小倉工場で基本的な安全性を確認したのち、8月までに日豊本線で走行試験が開始される予定であったが、機器類の調整で12月まで延期された。2009年(平成21年)6月に新八代駅構内の新在直通試験線での新在直通試験実施。2009年(平成21年)7月下旬からは九州新幹線鹿児島ルートの新水俣 - 川内間において新幹線区間の走行試験が実施され、最高速度は270km/hだった。しかし、台車に問題が多く、この台車での実用化は断念された。走行試験は2009年(平成21年)末で中断され、2010年(平成22年)現在新たな台車の開発に移行したものの、その「3代目」の台車でも車輪のぶれが発生し、改良が難航していた。9月7日に開かれた国の軌間可変技術評価委員会ではカーブでの走行試験結果について「台車の改良だけでは目標達成は難しい」とし、今後は台車の小型・軽量化と併せ、レールの継ぎ目を少なくする「ロングレール化」やレールの幅など誤差の管理を厳しくする「軌道整正」などの改良を検討し、目標達成を目指す考えを示した。一方、車輪の幅を変える軌間可変機構などの技術は一定の耐久性を確認し「確立のめどが立った」としている。 2011年(平成23年)3月に改良台車が完成し、四国へ送られる。当初は4月から試験走行を開始すると報じられたが、予定より遅れて6月28日に予讃線 多度津 - 坂出間で新しい台車を装着した試験走行がスタートした。8月22日からは多度津 - 多喜浜間でカーブ区間の走行試験を実施。これらの結果などが10月27日の軌間可変技術評価委員会で審議され、急カーブの走行試験は台車の軽量化、ロングレール化などで在来線カーブの目標速度である85 - 130 km/hを達成したことを確認。これにより、課題とされた在来線カーブでの走行試験で目標を達成し「実用化に向けた基本的な走行性能に関する技術は確立している」との評価をまとめた。 12月15日からは予讃線で在来線耐久試験が開始され、2013年9月21日に走行試験終了。それまで計10万kmを走行する。その他、新幹線高速走行試験なども行い、それらの結果を確認し実用化の最終判断を国が2013年度中に行う見通しとされた。 2014年(平成26年)2月26日 - 国交省の技術評価委員会は、約7万キロの耐久走行試験などの結果を踏まえ、「基本的な耐久性能の確保にめどがついた」と判断した。今後は新幹線軌道と在来線軌道を繰り返し走行する「3モード耐久走行試験」へと移り、実用化に向けた最終段階に入る。 新たな試験用には第三次試験車両が新造されることになり、第二次試験車両は実験を終了した。先頭車の1両は2014年7月20日より、愛媛県西条市の四国鉄道文化館南館で保存展示されている。
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