高速走行試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 13:49 UTC 版)
「JR西日本221系電車」の記事における「高速走行試験」の解説
国鉄時代、381系による在来線における160km/h速度向上試験が二度にわたり実施された湖西線において、高速化(160km/h程度)の実現や新形式の設計に必要なデータ収集のため、1990年5月から6月にかけて、本形列を用いた160km/h高速走行試験が行われた。 当時網干電車区所属の6両編成(M21編成、東海道本線基準で東京寄りからクモハ221-33+モハ221-33+サハ221-33+モハ220-14+サハ220-14+クハ221-33)を使用した。 試験を行うに当たり、以下の改造を施工した。 サハ221-33およびサハ220-14を脱車した4両編成(クモハ221-33+モハ221-33+モハ220-14+クハ221-33)とし、MT比を3M1Tとすることで加速性能を向上。編成全体を方向転換させ、湖西線基準で京都寄り(西側)がクモハ、近江塩津寄り(東側)がクハとした。 歯車比を5.19から3.17へと高速用に変更。 車端ダンパ、ヨーダンパ、アンチローリング装置の取り付けで乗り心地を改善。 台車軸ばね定数変更および空気ばねを改良型に変更した、WDT50H改・WTR235H改台車採用による乗り心地の改善。 高速走行での集電性能改善のため、パンタグラフはダンパを取り付けたWPS27改に変更し、クモハ221-33・モハ221-33・モハ220-14車間に高圧引き通し母線を設置。 GG信号(高速進行信号)表示灯をクハ221-33運転台に仮設。 試験区間は湖西線(安曇川 - 永原間)とし、GG信号現示のための信号機仮設が行われた。測定項目は、輪重や横圧、分岐器性能、乗り心地、駆動装置性能、主電動機整流性能、ブレーキ性能、架線・パンタグラフ性能、構造物の応力評価、地上騒音、高速信号視認性などである。 走行試験の結果、輪重や横圧は異常がなく、限界値以下であった。乗り心地に関しても、左右加速度は想定通りであった。分岐器性能や集電性能、騒音や振動に関しても160km/h走行に耐えうる性能を示した。
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