第三部 憎悪病とは? わかりやすく解説

第三部 憎悪病 (The Hate Disease)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 01:17 UTC 版)

祖父たちの戦争」の記事における「第三部 憎悪病 (The Hate Disease)」の解説

惑星「タリエン3」に接近した医療船「エスクリプス20」は、着陸許可求めるための通信送った。すると別々の応答返ってきた。一つは、慌てた声で「すぐ送信をやめろ。呼びかけられても返事をするな」。もう一つは、落ち着いた声で着陸座標指示するものだ。医療局員カルフーンは、後者のほうを信用してその指示どおりに船を進めた。だが、そのグリッド・オペレーターは、「先日パラどもにロケット盗まれた。地上からロケット攻撃を受けるかもしれないので注意しろ」と話す。ランディング・グリッドにまかせて降下するうちに、本当にロケット飛んできた。カルフーン非常用ロケット操作してかわしたが、何者攻撃してきたのか。宇宙港着陸し惑星高官たちから歓迎受けているところへゲート突破して1台の地上車が向かってきた。それに乗った男は、カルフーンめがけてブラスター発射したカルフーンブラスターがかすめ、上着焦がし軽い火傷を負わされた。男は射殺され宇宙港人々は、その死体乗ってきた地上車の周り入念に消毒する。グリッド・オペレーターは、男がパラだから、と言うカルフーンマーガトロイド連れて、タリエン3の厚生大臣とともに地上車に乗り行政センター目指す前後に何台もの護衛車が連なりものものしい警戒態勢だ。大臣の口からパラのことが語られた。それは6ケ月ほど前から現れ病気で、怒りっぽく偏執狂になり、正常人なら吐き気をもよおすようなものを好んで食べたがる。これが原因で死ぬことは稀であるが、正常人パラにしようとしている。いまや惑星人口の三分の一パラになっている治療法が分からなければ、この惑星隔離してほしい…。人影のない市街に入ると、建物の上層階からさまざまな物が、地上めがけて投げられた。それもパラ仕業で、カルフーン自分たちの病気治してほしくないらしい。行政センター着いたカルフーンは、研究施設案内された。 ガラス張り無菌室に、一人の男が入れられている。彼は憎しみ込めた目でカルフーンをにらみ、盛んにあくびをしていた。レット博士名乗る男が「こいつはパラだ」と言うレット博士は、いま惑星上に残され医者の中では私が最高だ、と自分紹介するレット博士スカンクのような匂いのする、ナメクジのような生物カルフーン見せたカルフーン吐き気覚えた。その生物無菌室入れると、パラの男はうまそうに食べたレット博士は、こんなものを食べたことがおぞましいので、パラのやつらは住民全員パラにして、同じものを食わせようとしている、と説明したまた、発病を防ぐためではなく症状出ないようにするワクチンを、住民定期的に服用させているらしいカルフーンワクチンサンプル求めると、レット博士拒否したカルフーンは、レット博士話の内容態度から、一つ結論導き出して言った。「レット博士、あなたもパラですね」。 飛びかかってきたレット博士を、低出力ブラスター気絶させてから、カルフーン研究施設抜けだした。外には厚生大臣待っていた。「おたくもパラでしょう」とカルフーンは言う。そのとき回復したレット博士命令で、警備員ブラスター持って現れた。カルフーンは彼らをブラスター気絶させ、地上車を奪って逃げだした。行政センター内にいる連中は、レット博士ワクチンで正常人のように見えパラ違いない厚生大臣から聞いていた、パラ追放ゲート通って脱出しなければならない途中で地上車を乗り捨てたカルフーンは、上着中にマーガトロイド隠し何食わぬ顔ゲートくぐった。このゲートは、パラ感染した者が出るときは自由で、入ることはできないよになっていて、出るときには消毒液かけられた。消毒液には、正常人パラにするものが入っているはず、とカルフーン考えた宇宙港までは遠いので、またカルフーン地上車を手に入れて、エスクリプス20目指した。ようやくグリッド見えるようになり、管制室では例のオペレーター消毒をしている。理由聞けばパラ感染したのでどこかに行って自殺するつもりだ、と答える。カルフーンは彼を説得してグリッド操作できないよう重要部品を外させ、パラ研究対象になってもらうためエスクリプス20中に招き入れた。 やがて宇宙港には、地上車で兵士たち到着した。彼らはエスクリプス20周囲取り囲む管制室に入った連中は、内部消毒されているのを見て慌てて出てきた。エスクリプス20ラジオからは、惑星大統領が、レット博士ワクチンパラ撲滅できるので安心してほしい、と演説する声が流れている。その一方警察無線では、各地パラによる暴動発生している、と叫んでいた。カルフーンポケットから二つ容器取り出したレット博士研究室から持ち出したもので、一つワクチン称するもの、あと一つには例のナメクジ様の生物入っている。その生物見たオペレーターは、歯を食いしばり耐えている。カルフーンワクチン分析装置入れたレット博士最初患者一人で、その原因となる物質分かった治療法はつかめなかった。だが、症状抑えナメクジ食べずにすむような物質見つけた。正常人自分と同じ状態にさせるため、パラになる物質ナメクジ食わずにすむ物質を、ワクチン称して与えていたのだ。消毒薬にもそれらが含まれていた。時間経過し無線機からは暴動の拡大していくようすが伝えられていく。マーガトロイドが、ナメクジ入った容器興味示し始める。パラ感染したのだ。原因病原体でないから、トーマルでも体内抗体作り出すことができないオペレーターカルフーンブラスター取り自殺すると言ったカルフーンは彼を殴ってブラスター取り戻した。 やがて分析終わりパラ原因となる物質中和させる物質判明した。それはオレフィンアセトンなどの不飽和炭水化物で、すぐに大量生産できないマーガトロイドナメクジをもらいたくなり、カルフーン気を引こうとしてブラスターいたずらする誤ってブラスター発射され、船の床を焦がした下層にある木の焼け匂いがして、船内に煙が充満するカルフーンは突然、気づいた。煙には不飽和炭水化物含まれていることに。煙は徐々に排気されていくが、カルフーンオペレーターマーガトロイドも、十分に吸い込んでいた。カルフーンが、ナメクジ容器マーガトロイド近づけると、おびえて尻込みしたオペレーター目の前に容器突き出す。「ひどい。とても耐えられない」とオペレーター。彼はパラから回復していた。この惑星では、電力で熱を得ているので、物を燃やすことがなかったのだ。 エスクリプス20非常用ロケット離陸させたカルフーンは、町のあちこち屋根ロケット噴射火を放った。煙が立ち上り何事かと驚いた人々パラも正常人含めて屋外出てきて、みんな煙を吸い込んだこれから惑星住民は、定期的に物を燃やすようになるだろう。宇宙港オペレーター降ろし、ランディング・グリットの重要部品を戻してすばやく惑星から宇宙空間送り出してもらう。カルフーンが、パラという病気制圧したことは称賛されしかるべきだが、彼は町の一割ほどを燃やし忌まわしい記憶を持つパラたちを正常に戻してしまった。カルフーンレット博士行く末考えていた。どんな罰が下されるのかは分からない星間医療局の本部向けて超光速航行入ったエスクリプス20船内では、カルフーンマーガトロイドがゆっくりコーヒー味わっていた。

※この「第三部 憎悪病 (The Hate Disease)」の解説は、「祖父たちの戦争」の解説の一部です。
「第三部 憎悪病 (The Hate Disease)」を含む「祖父たちの戦争」の記事については、「祖父たちの戦争」の概要を参照ください。

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