益野線をめぐる動向とは? わかりやすく解説

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益野線をめぐる動向

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 15:11 UTC 版)

めぐりん (八晃運輸)」の記事における「益野線をめぐる動向」の解説

八晃運輸2017年3月30日、「めぐりん」の新規路線として、岡山市中心部岡山市東区西大寺地区を結ぶ路線益野線」の新設国土交通省中国運輸局申請した益野線申請ルート多くが、両備バス岡山西大寺線および岡山電気軌道岡電東山線重複するルートであり、運賃両備バス西大寺まで400円)や岡山電気軌道東山まで140円)よりも格安に設定された。当初2017年10月運行開始予定していた。 両備バス両備ホールディングス)にとって、岡山市中心部西大寺地区を結ぶバス路線は、前身西大寺鉄道時代から「100年以上にわたって沿線開発をしてきた伝統的路線」として位置づけられており、繁忙期には5分間隔での運行が行われるなど、同社ドル箱路線ともなっている。 和歌山電鐵をはじめ、公共交通再生にも取り組んできた両備ホールディングスは、3・4割ほどの黒字路線残り赤字路線損失補填し、路線維持努めてきたと説明しているが、ドル箱路線への「めぐりん参入により年間3億円近い減収見込まれ赤字路線維持困難になるとして、2018年2月8日両備グループ傘下31路線両備バス36路線中の18路線と、岡電バス42路線中の13路線)について、一斉に廃止届を中国運輸局提出した両備ホールディングス小嶋光信代表は、記者会見席上で「地域交通網守らない地方創生などあり得ないという信念やっている」「廃止するために廃止届を出したわけではない」と強調し新路線の認可がされなければ廃止届を取り下げる説明した。 しかし中国運輸局は、両備ホールディングス記者会見行われた8日午後八晃運輸に対して益野線新路開設申請認可中国運輸局認可について「あくまでも道路運送法基準照らして判断した」としているが、両備ホールディングス側は「なにゆえ認可急がれたのかその真意わからない」とこれに反発した一方八晃運輸側は、公式サイト上で代表取締役成石敏昭の署名入りコメント発表し益野線岡山西大寺線)への参入について「健全な競争により市場活性化させ、より充実したサービス提供を行わせていただくこと」と主張両備グループ廃止方針については直接的な言及避けつつも「黒字路線赤字路線カバーすることも、各路線によって利用客数自ずと異なることから、一定程度やむを得ない」としながらも、「黒字路線赤字路線カバーするという事が行過ぎれば黒字路線利用客は、自由な競争が行われていない条件下では、不当に高い運賃負担するという事態に陥ってしまいます」と、道路運送法定めた「(運賃は)能率的な経営の下における適正な原価適正な利潤加えたものを超えないのである」とする制度設計とも矛盾生じかねない主張している。 今回の「めぐりん新規参入起因する両備グループによる赤字路線一斉廃止提出という「強硬手段」については様々な議論巻き起こしており、政策コンサルタント室伏謙一は、日本において交通権明確に確立しておらず、公共交通独立採算制民間サービスとして捉えていることが問題であるとして、公共交通公共サービスとして位置付けて独立採算制前提とする制度全般的に見直すことが必要であり、そのために道路運送法鉄道事業法等の大改正が必要と述べている。一方鉄道関連記事多く執筆するフリーライター杉山淳一は、今回両備グループの手法について「顧客を不安がらせて、行政から納得できる答え引き出す」というやり方であると指摘し両備グループ戦術間違っていると指摘している。 なお、両備グループ31路線の廃止届については、関係する自治体である岡山市倉敷市瀬戸内市玉野市廃止届の撤回要請し石井啓一国土交通大臣2月13日行われた閣議後の記者会見席上で、地域協議会参画して積極的に協力を行うことを明言したことなどを踏まえ3月15日廃止届の取り下げ中国運輸局提出した。 これと並行して両備バスめぐりん運行開始先立つ2018年4月9日西大寺地区ダイヤ改正行い土曜休日のみ運行だった「岡山駅 - 海吉線」を区間変更して毎日運転の「岡山駅前 - 益野西線」とした上で岡山駅行きイオンモール経由とする、さらに東山での路面電車乗り継ぎのための情報提供を行うなど、「めぐりん」を念頭に置いた新たな路線設定行っている。 益野線2018年4月27日運行開始することになったが、両備ホールディングスの主要労働組合である両備バス労働組合が「めぐりん(八晃運輸)参入により両備バス著し業績悪化見込まれ組合員賃金雇用影響を及ぼす」として、両備バス西大寺線をはじめとする両備バス一般路線全線でのストライキ運行休止)を通告会社側と組合交渉結果、「運行休止ストライキではなく両備バス西大寺線と岡電東山線限った「集改札ストライキ」に変更し4月26日27日運賃収受行わないストライキが行われた。労使紛争ではなく他社参入反対するため、労働基本権労働三権)の行使手段である「ストライキ」を行うというのは極めて異例のことである。 両備バス労働組合による一連の動きについては、沿線岡山大学附属小学校臨時休校決めその他の沿線住民にも混乱生じるなどの波紋残したほか、岡山県知事伊原木隆太岡山市長の大森雅夫が、定例記者会見席上ストライキという手法への懸念表明している。 さらに両備グループ2018年4月9日益野線認可取り消し求めて中国運輸局岡山運輸支局申し入れたものの「検討中である」との回答し得られなかった。そのため両備は国に対し八晃運輸への事業計画変更申請について「認可前提となる『(八晃運輸による)停留所設置のための道路占用許可』に瑕疵があるため認可違法である」として、4月17日付で認可処分取消求めて東京地方裁判所行政訴訟起こし国を提訴した。しかし一審東京地裁は、翌2019年8月30日判決で「既存事業者利益保護する規定などは見当たらない」と指摘し両備対し認可取り消し求め原告適格を欠く」(原告不適格)として訴え却下した判決を受け、同年9月12日両備グループ控訴した

※この「益野線をめぐる動向」の解説は、「めぐりん (八晃運輸)」の解説の一部です。
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