益虫の要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/16 14:57 UTC 版)
益虫・害虫のカテゴリーはあくまでも個々の人間と生物の相互作用で決まる利害関係を表すもので、絶対的なものではない。例えば、田植えによる水稲栽培を行う日本の稲作において、カブトエビは田植え後の水田で芽が生えたばかりの雑草の実生を効率的に掘り返すため、益虫として扱われる。ところが航空機などによる直まきによって水稲栽培を行うアメリカ合衆国では、カブトエビはイネの発芽直後の苗を掘り返して枯らす害虫として認識されている。 また、害虫の天敵であっても乾物の害虫であるタバコシバンムシの天敵であるキイロアリガタバチはその針で人の皮膚をも刺傷するため、害虫として認識されている。逆に、トンボに対するムシヒキアブのような「益虫の天敵」という直接的に見れば害虫と言える小動物であっても、その駆逐行為によって特定種の大繁殖を防ぎ、生態系のバランスを保っているという意味では、広義では益虫であるとも言える。 なお、昆虫を直接食料として利用する場合は、益虫とは呼ばない(詳細は昆虫食を参照)。
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